日本のアニメや漫画が、海外でかつてないほどの影響力を持つようになったのは周知の事実だろう。ただ、ニュースで取り上げられるのは欧米での盛り上がりが多い。他の地域での熱狂はあまり知られていない。 特に情報が乏しいのが東南アジアではないか。とりわけインドネシアやマレーシアなどの国々は、イスラム教徒が多数を占めており、性的描写に対する規制は厳しいとされる。 筆者は昨年からインドネシアに駐在しているのだが、オタク成分の不足に苦しんでいる。日本では毎回のコミケに参戦するのはもちろん、週末には池袋の乙女ロードに入り浸っていた。こうしたオタク生活はインドネシアではできない。脱オタして一般人になったような気分だ。 だが、熱帯の容赦ない暑さと慣れない仕事は、私の体力とメンタルをじわじわ削っていく。平日は職場とアパートの往復ばかり。休日は引きこもり。そんな日々にオタクの血がうずき始めた。 同人誌が読みたい……B
