アメリカ見聞録(毎週末に公開予定)では渡米の経験を通して学んだこと、目撃したことなどを筆者個人の視点から綴っています。 ⁂ 気がつけば小学校の高学年になっていた。 毎日のように行われる全体行進もだいぶ様になってきた。 入学したての頃は高学年の生徒の行進を見て圧倒されたのを覚えている。 真っ直ぐに伸びた無数の手が揃って動くのがとてもかっこよく見えた。 運動会などの行事の前は特に何度も何度も気の遠くなるほど行進の練習をさせられた。 次第にほとんど意識しなくとも周りの生徒たちの動きにピタッと合わせることができるようになった。 この校庭を何度こうやって回っただろう。 そもそも何故行進をさせられるのかなど疑問に思ったことなど一度もない。 そんなことを考えても無駄だ。 行進をしないという選択肢など誰にも与えられていない。 大人に言われるがまま、何も考えずに、黙って従えばいい。 もちろん、黙って従わない