iPhoneの頭脳「CPU(中央演算処理装置)」を例に、チップが完成するまでの流れをみていこう。サプライチェーンは複雑で世界に広がっている。開発や設計、製造の各段階で分業が進んでいる。 英国産の設計図で 米アップルが開発英国 アーム(Arm)が、半導体回路の設計データ(IP)を販売している。IPは基本的な設計図で、その利用料がアームの収入となっている。現在はソフトバンクグループ傘下にあるが、20年にエヌビディアが最大400億ドルで買収すると発表したことからもその価値はうかがえる。 米国 アップル(Apple)は、アームから購入したIPをもとに半導体を開発する。iPhoneに合うように画像処理や通信機能などを強化・カスタマイズしながら、物理的にどのような回路を描くのかまで開発に落とし込む。 ほかにも、スマートフォン向けで有名な米クアルコムやブロードコム、ゲームに使われるGPU(画像処理半導体