■カジュアル読書 パソコン教室の講師をしている「ぼく」は、生徒である蕎麦(そば)屋の源造さんから相談を受ける。孫の運営する店のブログが、蕎麦アレルギーで倒れた友人を笑いものにしてしまったことで、「殺人蕎麦屋」とアクセスが集中し、リアルにも危機が及ぶ大炎上に陥っていたのだ。困り果てた「ぼく」が頼…
絵本や児童書が好きだった息子が中高生になり、部屋に女の子のイラストが表紙の文庫本が……。「これは何?」と戸惑う親も多いようです。それはきっと「ライトノベル」。略して「ラノベ」と呼ばれています。文芸担当が長い私も、名作だと思う作品に出会いました。表紙をめくり、ラノベの世界をのぞいてみませんか。 《俺が朝目覚めて夜眠るまでのこのフツーな世界に比べて、アニメ的特撮的マンガ的物語の中に描かれる世界の、なんと魅力的なことだろう。 俺もこんな世界に生まれたかった!》 冒頭にこんな宣言をするのは、有名な「涼宮ハルヒの憂鬱」の主人公、高校生のキョン。2003年に刊行が始まり、累計発行部数が2千万部に達した大人気作だ。 ラノベとは一般的に、イラスト入りで読みやすい文庫の小説のこと。文庫販売額の約2割を占めていて、十数年前から各出版社が続々と「ラノベ」に取り組んでいる。 「少年ジャンプ」と「りぼん」の読者層が
「好きな戦国武将」といったランキングでしばしばトップの座を占めるのが織田信長だ。小説などで盛んに描かれてきたが、ライトノベルの世界では近年、主人公ではなく重要脇役として活躍中。一方、人気の源泉ともいえる「新時代を目指した改革者」としての信長像には研究者から疑問が呈されている。本当の信長ってどんな人? 農業高校に通う女子生徒がタイムスリップし、近代農業技術を生かして信長軍の兵站(へいたん)を担う――。そんなストーリーが人気なのが『戦国小町苦労譚(たん)』(アース・スターノベル)だ。既刊5巻で12万部を売り上げ、15日に第6巻が出る。 作者の夾竹桃(きょうちくとう)さんは「なぜ信長は安穏に暮らさず、天下人という過酷な道を選んだのか。なぜ天下人を前に、本能寺で逃亡せず横死を選んだのか。激動の人生を歩んだ苛烈(かれつ)な生きざまにひかれた」と話す。 親族が主人公の作品も。今年…
KADOKAWA会長の角川歴彦(つぐひこ、73)のところに、「黒船」が来たのは2012年のことだった。カナダのコボ、米グーグル、アマゾン、アップルの担当者が、夏から翌春にかけて相次いで訪れ、口々に「我々の電子書籍事業に協力してほしい」と求めてきた。 電子化の波を予感していた角川には、三つの選択肢があった。書籍を電子化して提供するにとどめるか。電子書籍の配信を手がけるプラットフォームになるか。さらに進んで、アマゾンのようにハード(端末)まで出すか。 まずハードを出せるか考えた。電子インクの技術を持つ台湾企業を訪れたが判断は「ノー」。「表示は単色。iPhoneやiPadでも読めるのだから、これではなかなか難しい」 思い至ったのはプラットフォームづくりだ。アマゾンは当時、対立した出版社の本を自社サイトで買えなくし、出版界に衝撃を与えた。「外資はプラットフォームの力をてこに独自のルールをつくる。ル
速報 朝刊 記事一覧 紙面ビューアー 夕刊 記事一覧 紙面ビューアー 連載 特集 ランキング コメント その他 動画・音声・写真 土曜別刷り「be」 記者イベント 天気 数独 12星座占い サイトマップ 検索 ヘルプ Q&A(よくある質問) 総合ガイド お申し込み ログイン マイページ 有料会員紙面ビューアーコース登録済み 無料会員(クーポン適用中)紙面ビューアーコース登録済み 無料会員紙面ビューアーコース登録済み 朝日ID会員朝日新聞デジタル未登録 紙面ビューアーコース お客様サポート(個人設定) お客様サポート(個人設定) メール設定 スクラップブック MYキーワード 会員特典・プレゼント 提携プレミアムサービス ログアウト
速報 朝刊 記事一覧 紙面ビューアー 夕刊 記事一覧 紙面ビューアー 連載 特集 ランキング コメント その他 動画・音声・写真 土曜別刷り「be」 記者イベント 天気 数独 12星座占い サイトマップ 検索 ヘルプ Q&A(よくある質問) 総合ガイド お申し込み ログイン マイページ 有料会員紙面ビューアーコース登録済み 無料会員(クーポン適用中)紙面ビューアーコース登録済み 無料会員紙面ビューアーコース登録済み 朝日ID会員朝日新聞デジタル未登録 紙面ビューアーコース お客様サポート(個人設定) お客様サポート(個人設定) メール設定 スクラップブック MYキーワード 会員特典・プレゼント 提携プレミアムサービス ログアウト
■カジュアル読書 ゴブリンといえばファンタジーRPGにおける「ザコ」の代名詞だ。知能でも力でも劣り、取(と)り柄(え)は繁殖力だけの小鬼であり、役どころと言えば、駆け出し冒険者の腕試しの相手ぐらい。レベルを上げた彼らがドラゴンや魔王に挑む頃には見向きもされなくなる存在だ。しかし、蝸牛(かぎゅう… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。
小説やイラスト、コスプレなど、その道で「腕に覚えがある」若者7人が、埼玉県鶴ケ島市の地域おこしに新風を吹き込んでいる。市内を舞台にしたライトノベル(ラノベ)を出版してアニメやゲーム化を目指す一方、キャラクターを市内企業の商品PRに提供。官や民の施設で関連イベント開催にも力を入れる。 ラノベは2月に発売された「鶴ケ島コンビニ戦記」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、税抜き1300円)。コンビニ各社を代表する少女戦士らがバトルスーツを着て全国一の座をかけて戦うファンタジー。市内で育った幻夜軌跡(まぼやのきせき)さん(30)の本格デビュー作だ。店員に求められる仕事能力が武器やスーツの性能に反映されるなど、コンビニ勤務10年以上の経験と知識が物語や設定に織り込まれている。 学生時代から作家志望。東京の出版社などで働きながら小説を書いてきた。4年前に仕事に行き詰まって帰郷。「故郷のぬくもりに癒やされ
若者向けライトノベルのヒット作「まおゆう魔王勇者」「ログ・ホライズン」の著者が社長を務める会社が法人税約3千万円を脱税したとして、東京国税局が著作権管理会社「m2lade(マーマレード)JAM(ジャム)」(東京都葛飾区)と著者の橙乃(とうの)ままれ(本名・梅津大輔)社長(41)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことが分かった。この会社は当初は無申告で、指摘を受けて申告したという。 関係者によると、橙乃社長は2011年4月、自身の著作権管理会社を設立。大手出版社などと契約し、印税収入や講演料を得ていたが、14年3月期までの3年間に約1億2千万円の法人所得を申告せず、法人税約3千万円を免れた疑いがある。所得のうち約1億円は会社名義の口座に預金していたという。 「まおゆう魔王勇者」は、魔王と勇者が協力して経済を立て直し、戦争を終結させようとする内容の小説。主人公の魔王は経済学に詳しく、税の仕
パソコンソフトのサポートを受け、小説を書く作家が生まれている。想像を刺激されたり、物語が書き直しやすくなったり。すぐそばに「編集者」がいるかのような仕事ぶりだ。 ベストセラー『100回泣くこと』の中村航さんと『くちびるに歌を』が本屋大賞4位になった中田永一さんが共作した小説『僕は小説が書けない』(KADOKAWA)は、自家製の創作ソフトを使って執筆された。芝浦工大と2012年から共同研究を続け、実用化したものだ。 パソコンでソフトを立ち上げると「あらすじ」「登場人物」「場面」の3要素を筆者に質問してくる。例えば「あらすじ」を選択すると、シナリオ理論を基に「物語が始まるきっかけは何か」「どんな試練があるか」といった質問が投げかけられる。回答欄には「突然」「だが」といった接続語が補助的に示され、発想をうながしてくれる。
東京都立川市が舞台になっているアニメ「とある魔術の禁書目録(インデックス)」の登場人物が描かれた清涼飲料水の自動販売機が、29日から市内5カ所にお目見えする。作品の中でヒロインが飲む缶ジュースも立川限定で販売される。大型連休に合わせ、ファンに立川へ来てもらう狙いだ。 「とある」シリーズを使った街おこしを進める立川観光協会が設ける。アニメの原作となった同シリーズは今月、刊行から10周年を迎え、累計発行部数は約2千万部。アニメでは立川市を連想させる街並みが出てくる。昨年には映画化され、「立川はファンにとって『聖地』になっている」(観光協会)。 自販機構想のきっかけは2011年にさかのぼる。街おこしの視察で訪れた人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の舞台、神奈川県箱根町にあったエヴァンゲリオンの自販機がヒントになった。立川観光協会は、「とある」シリーズの出版元・KADOKAWAや飲料メーカー・ト
【竹内誠人】ライトノベル市場の最前線で、若い世代に圧倒的人気のシリーズ「ソードアート・オンライン(SAO)」。オリコン発表のラノベ年間売り上げランキングで、2年連続首位を走り続ける。作者の川原礫(れき)は、これまでに発表した小説「アクセル・ワールド」と合わせた累計発行部数が1250万と、ラノベの世界でも群を抜く。その素顔は、いたって謙虚でストイック。創作の裏側を聞いた。 「SAO」の舞台は、完全な仮想空間の実現化が可能となった2022年。同名のオンラインRPGゲームの仮想世界を楽しむ主人公は、ゲームを攻略しないと現実に戻れないと知り、戦いに身を投じていく。 着想は、もともと好きだったオンラインゲーム。ゲームに没頭する傍ら、自身の運営するホームページで小説を発表した。「当時は物語を書くのに全く迷いがなかった」。ひたすら書き続けるうちに、ネットの掲示板に感想が集まり始めた。2008年にラノベ新
書店には百田尚樹さんのデビュー作「永遠の0」が並ぶ=東京・紀伊国屋書店新宿南店本屋大賞を受賞した百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」が並ぶ書店=東京・紀伊国屋書店新宿南店 【中村真理子、山田優】近頃、エンターテインメント小説に、愛国心をくすぐる作品が目立つ。なぜ、読者の心をつかむのか。 安倍晋三首相も「面白い」と太鼓判を押す今年の本屋大賞受賞作、百田尚樹「海賊とよばれた男」は「日本人の誇りを失うな」と訴えかけ130万部超のベストセラーに。 エンタメ小説の新人賞、江戸川乱歩賞は今年、最終候補5作のうち2作が太平洋戦争末期の日本軍を素材にしたミステリーだった。同賞事務局である講談社の担当者は「偶然、重なっただけだと思う」という。 優れたエンタメ小説を選ぶ山本周五郎賞。先月の選考会で、受賞を逃した山田宗樹「百年法」について選考委員の石田衣良さんは「右傾エンタメのパターンを踏んでいて残念」と
庄司卓「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】」(朝日ノベルズ) 「風の白猿神(ハヌマーン)」や「蓬莱学園の革命!」「E.G.コンバット」「星くず英雄伝」などなど、ライトノベルには人気作でありながら、続編が出版されずに未完となっているシリーズが、意外と多い。 庄司卓「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」も、そんな作品の一つ。千年後の世界に誘われたすご腕ゲーマー女子高生の山本洋子が、最新鋭の戦艦に乗り込み、科学の進歩によって死者が出なくなり、なかばスポーツと化した未来の宇宙戦争で大活躍するSFコメディーだ。1993年に始まり、アニメ化もされたヒット作だが、2000年を最後に最終エピソードを残して長編の刊行が中断していた。 読者の多くが完結を諦めかけていた本作だったが、10年に朝日ノベルズから新装版である「完全版」として再開。このたび、最終12巻が刊行され、ついに完結を果たした。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く