患者に投与された後、使い切れずに廃棄された抗がん剤が全体で年間730億円余りにのぼるという専門家の推計がまとまりました。厚生労働省は、医療費の削減に向けて、使い切れなかった分を別の患者に投与するための安全基準を今年度中に取りまとめる方針です。 その結果、全国で1年間に廃棄される抗がん剤の割合は、全体の9.8%、金額にしておよそ738億円にのぼるという推計がまとまりました。このうちの8割にあたる、およそ601億円分は、病床数が200床以上の病院で廃棄されたということです。 岩本隆特任教授は「安全性を確保するガイドラインをしっかり作ったうえで、抗がん剤の処方が多い病院を中心に、残った薬を捨てずに次の患者に使うようにすれば、国の医療費を年間で500億円ほど削減できるのではないか」と話しています。 厚生労働省は、自民党の行政改革推進本部からも同様の指摘が出ていることを踏まえ、医療費の削減に向けて、