2016年、新しい年があけた。日本経済は景気回復基調にあるものの、力強さに欠け、企業マインドも消費者心理もすっきりしない。将来に対する不安をぬぐい去れないためだ。世界的な競争に打ち勝ち、生き残っていくにはどうしたらいいのか。1歩、前に踏み出す道を考えたい。ズレた自画像ただすまず大事なのは、おのれの姿を正確に知ることだ。というのは、思い描いている日本の自画像がズレているのではないかと考えられるか
![新たな時代の「追いつき追い越せ」へ - 日本経済新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0e3c5e614e8acdad43d69cde8f3e93836e869a85/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2F.resources%2Fk-components%2Frectangle.rev-d54ea30.png)
今回は論文の紹介です。「History Rhymes:The German Precedent for Chinese Seapower」は、現代中国とドイツ帝国の比較論です。著者のJames R.HolmesとTOshi Yoshiharaはアメリカの軍大学の研究者です。 この論文はアメリカの対外政策研究財団「Foreign Policy Research Institute」がだしている雑誌「Orbis」の2010年冬号に収録されているものです。最近一部で話題になっている論文「アメリカはいかにして2015年の海戦に敗北したか」(参考)が同じ巻に収録されています。そちらは2015年にアメリカ海軍が中国に空母を撃沈され、西太平洋の支配権を失う、という衝撃的な想定を提起した論文です。 今回とりあげる「History Rhyme(歴史の韻)」も同様に、アメリカの海洋覇権に挑戦する中国の台頭につ
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