新型コロナウイルスの感染者数が増加を続けているため、政府は東京や大阪などに発令した緊急事態宣言を延長するとともに、対象に愛知、福岡両県を追加した。背景には、感染力が強く、重症化に至る確率の高い「英国株」と呼ばれる変異株の拡散があるとされている。診療の第一線からは「国民へのワクチン接種が行き渡るまでは、早期治療による重症化の防止に力を入れるしかない」として、一般の内科医が使い慣れた薬を用いての早期治療の重要性を訴える声が上がっている。 ◇早期発見・治療が鉄則 現在の新型コロナウイルス治療の中心は肺炎が重症化した段階以降が中心だ。人工呼吸器などで呼吸を管理しながら肺炎の治療を進める一方で、免疫の過剰反応であるサイトカインストームや血栓形成などの誘発を防ぐのが基本になっている。ただ、感染が確認されても軽症段階までに投与する抗ウイルス薬などは存在していないため、症状の推移を見守るしかないのが実状だ