Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 法政大学の研究チームが発表した「猫と共に探求する新たな睡眠価値の創出」は、寝床がいつも変わる猫の横で寝る睡眠手法を検証した論文だ。猫の横に寝袋を敷き24日間一緒に寝た際に、身体的・心理的にどう影響するかを従来のベッドや布団で寝る睡眠スタイルと比較し考察した。 猫の睡眠場所は、お気に入りの場所がある程度決まっているが、複数の要因(触感、温度、灯、賑わい、狭さ、気分など)でさまざまな場所を都度選択する。この予想できない多様性を利用して、被験者の飼い猫5匹と24日間一緒に寝る実験を行った。5匹のうち、毎晩1匹を任意に選択し、その猫のすぐ隣に寝袋を敷いて寝床とする。 睡眠中はFitbitを装着し、
多くの品種があるイエネコが、どのように世界に広がったのかを知るDNAの「目印」を、京都大などのグループが見つけた。英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。 イエネコはネズミ対策のため約1万年前に中東で家畜化され、現在は世界で約100品種に分かれたと言われる。一部のネコは航海で北米に渡ったり、仏教徒が経典を守るため東アジアに連れて行ったりしたとされるが、詳細はよくわかっていない。 研究グループは、哺乳類のDNAの中に、進化の過程でウイルスから取り込まれた部分が約1割含まれていることに着目。イエネコのDNA中にあるウイルス由来の5カ所を「目印」に特定した。日本の三毛猫、中東のペルシャなど19品種で「目印」の有無を調べたところ、欧米のネコは半数で見つかったが、中東を除くアジアのネコは4%にとどまった。中東から東西に広がる際、西に移動したネコのDNAにウイルスが取り込まれたことを裏
昔からネコは、幸運や商売繁盛を呼び込む「福ネコ」としてかわいがられ、魔除けや疫病払いの効果があるとされてきた。一方で、「妊婦がネコを触ると流産する」とする警告もある。ほとんどは、ペットの癒し効果とか、迷信として片付けられてきた。しかし、この2~3年、欧米の研究者からネコのもつ不思議な力の源泉が、病原体の原虫にあるのでは、とする説が提唱されるようになった。 行動を変えるドーパミン仮説 まずこの仮説のさわりを紹介しよう。動物に寄生する微生物の一種にトキソプラズマという原虫がいる。人をはじめさまざまな動物に寄生するが、最終的にはネコ科の動物が宿主になる。むろん、飼いネコも宿主になり得る。 健康なネズミはネコの尿の臭いには敏感で、ネコの出没する場所は避けて行動する。天敵のネコに食べられないような回避行動を身につけたのだ。ところが、ネコのフンを食べることなどでトキソプラズマに感染したネズミは、行動が
【ワシントン=山田哲朗】米ミネソタ州のメイヨー・クリニックの研究者らが、蛍光たんぱく質の遺伝子を組み込んだ「光る猫」を誕生させた。学術誌「ネイチャー・メソッズ」電子版で発表した。 研究チームは、猫の後天性免疫不全症候群(AIDS)を遺伝子レベルで予防する研究の過程で、猫の卵母細胞に、ウイルスを使って緑色蛍光たんぱく質(GFP)の遺伝子を挿入した。 3匹の子猫が無事に成長し、暗闇で特定の波長の光を当てると、GFPが発現している全身が緑色に光った。 GFPは、ノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が光るクラゲから抽出するのに初めて成功。生命科学では、狙った物質を追跡しやすくするためGFP遺伝子を組み込むことが多く、すでに光るハエやマウス、豚などが生まれている。
2009年7月に発表された研究によると、空腹の飼いネコは、人をいらだたせる鳴き声と、抵抗しがたい低いうなり音を組み合わせて使うことが明らかになった。 (Photograph by Willard Culver) 飼いネコは、空腹でエサが欲しいときに、うるさい鳴き声と、飼い主が抵抗できないうなり声を組み合わせて使うことが新しい研究から明らかになった。 このような組み合わせは、飼い主がネコを無視したり追い出したりせずに、いつもエサの容器をいっぱいにしておこうとする理由を説明できるかもしれないと、研究チームのリーダーでイギリスのサセックス大学で哺乳類のコミュニケーションを専攻するカレン・マコーム氏は指摘する。 一部のネコは空腹のときに、通常の楽しげなノドを鳴らす音に、人間の赤ん坊が苦痛を表す泣き声に相当する周波数の鳴き声を混合するという。「ネコは、ただニャーニャー鳴くだけではなく、このような
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く