無国籍で重度の障害のある18歳の少年が名古屋・大須の路上で、車いすから転落死した。骨が正常に発達せず、身長1メートル弱、20キロ。小さな体はわずかな衝撃も受け止められず、頭を打ったらしい。4月、施設を出て自立生活を始めたばかりだった。 亡くなったのは、エンリケス・マルビンさん(18)。9月18日、友人と遊びに来て「次の店を探してくる」と1人で飲食店を出た後、路上に倒れていた。 名古屋市によると、1997年1月生まれ。母は不法滞在のフィリピン人だったらしい。同5月、息子を残し、姿を消した。乳児院を経て、今年3月まで同市西区の医療型入所施設で育った。父の記録はない。 先天性の骨形成不全症で骨が弱かった。くしゃみをするだけで肋骨(ろっこつ)が折れ、手を振れば、腕の骨が折れた。10代半ばまで、1人で行動する範囲は施設と隣接する特別支援学校、100メートル先のコンビニエンスストアまでだった。 施設の