1970年代に製造されたグッチのビットモカシンです。オレンジブラウンのアッパーは、トム・フォード時代からグッチを知った人には信じられない色合いでしょう。ヒールの高さは3cmと高め。因みに2008年春時点での定番品は、この時代のこのモデルをベースに現代風にしたものです。 今回は、甲にこれ見よがしの金属飾りが堂々と付く「ビットモカシン」を探っていこうと思います。前回のコブラヴァンプとは、同じスリッポンでありながら見た目はあまりに、あまりに対照的。メンズのドレスシューズ全体から見ても一二を争う華美なデザインですが、ミーハーなブランド好き男性のみならず、おカタい靴好き野郎でも何故か一度は恋焦がれてしまう「魔性の靴」でもあります。通常のファッション誌ではまず語られない、この靴の真の歴史的意義や魅力について、じっくり迫ってみましょう! ビットモカシンとは、甲の部分に馬具の轡はみ(Horse Bit)を