7年半続いたWinny裁判を経て、開発者の金子勇氏らが立ち上げたベンチャー企業の株式会社Skeed。P2Pによるデータ転送技術に加えて、TCPの限界を打ち破る高速転送プロトコル「SkeedSilverBullet」を開発した。TCPが設計された当時と、クラウドコンピューティングが本格的に広まろうとしている現代とでは異なる課題が見えてきている。特に遠距離感でのファイル転送で、速度が十分に出ないのだ。地球全体が1つのコンピュータになるのだとしたら、最後のバスはデータセンター間をつなぐ転送部分。このクラウド時代のボトルネック、データセンター間通信の課題に挑戦するSkeed社の技術について、金子氏に加え、同社取締役で技術開発担当の栁澤建太郎氏にプロトコル実装の詳細に付いて聞いた。 TCPではなぜ遠距離や大容量ファイルの転送効率が落ちるのか? TCPの背後にどういう設計思想や実装があり、どこでどう