東大教授の正統性をかけた安藤忠雄「ザハ案」と槇文彦「良識案」の闘い 建築&住宅ジャーナリスト 細野透 2015年 8月25日 (前々回と前回から続く) 東京大学工学部建築学科「建築意匠担当教授」 建築家の安藤忠雄氏が強く推薦した新国立競技場の「ザハ・ハディド案」と、日本建築界の良心と目される建築家の槇文彦氏が提案した神宮外苑の環境を守ろうとする「良識案」の闘いは、政府が7月15日にザハ案を白紙撤回したことによってひとまず決着がつきました。 政府はその後、「新国立競技場の整備計画を再検討する関係閣僚会議」(議長は遠藤利明五輪担当大臣)および「技術提案等審査委員会」(委員長は村上周三東京大学名誉教授)を設置。9月上旬に事業者(設計者・施工者)の公募を開始し、2016年1月に決定する予定です。 今回は、工費が2500億円を超えただけではなく、余りに巨大すぎるために神宮外苑の環境を破壊するとして