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ブックマーク / www.cinra.net (9)

  • 「……状況は暗い」。ブライアン・イーノを突き動かすものとは何か。いま、自ら歌い訴えることを明かす | CINRA

    知的な作品はペシミズム(悲観主義)と手を組みたがる。考えれば考えるほど暗い結論に達してしまうのは正直なところだろうし、ありもしない希望を謳うよりも誠実だといえる。 ニューウェイブサウンドの先駆者であり、アフロビートやダブをいち早くロックサウンドに取り入れ、さらには「アンビエント・ミュージック」を提唱したことで注目されたブライアン・イーノが特異だったのは、しかし、彼の作品が知的であるにもかかわらず未来に対して楽観的だったことも大きい。 彼の音楽を聴いていると人類の一員であることに喜びが感じられ、「午後の空気」や「匂い」を楽しむ余裕を持つことができた。「落ち着く」ことで得られることがあると、彼の音楽はいつも教えてくれた。そのブライアン・イーノが2016年にリリースした『The Ship』はそれまでのどの作品とも異なり、異様に暗く、不安のなかを突き進んでいくサウンドスケープだった。『The Sh

    「……状況は暗い」。ブライアン・イーノを突き動かすものとは何か。いま、自ら歌い訴えることを明かす | CINRA
  • 「終わらない苦しみもある」。宇佐見りんが語る、『くるまの娘』で描いた「家族のかたち」 | CINRA

    「家族」というつながりは独特な関係性だ。自らの意志に関係なく、否が応でも暮らしや考え方に影響を与えてくる。それなのに「家族」は簡単にやめることができない。喜びや幸せだった記憶と、苦しみや悲しみの歴史をごちゃ混ぜにしたまま続いていってしまうのが家族である。 父、母、子どもの3人という一見ステレオタイプな構成の家族にも、外からは見えない多面的な苦しさやその家庭固有の問題が存在する。そんな現実を見出し、描き出したのが、小説『くるまの娘』だ。 物語の主人公は17歳の女性、かんこ。真面目なのにときどき家族に暴力を振るったり暴言を吐いたりしてしまう父、脳梗塞で倒れてから感情のコントロールが利かなくなった母との3人暮らしだ。兄と弟は、そんな家庭に嫌気がさし、気がついたら家から出ていっていた。そんな家族が父方の祖母の死をきっかけに久しぶりに集まる。父の実家への長い道中、車中泊で旅をするのだが……。 作者は

    「終わらない苦しみもある」。宇佐見りんが語る、『くるまの娘』で描いた「家族のかたち」 | CINRA
  • 音楽の現場から隔離されたアンビエントな日々。パソコン音楽クラブと三田格がいま肌で感じること | CINRA

    少しずつであるが、いま、確実に音楽の現場に人と活気が戻りつつある。大きなフェスは再開を控え、来日公演も無事に開催されている。かつて失われた「日常」が息を吹き返していることに喜びを感じる一方、この2年あまりのことを思い出そうとしても、記憶は彼方でぼんやりと揺れて像を結ばないことに気づく。不安、落胆、悲しみ、怒り……感情はあんなに激しく揺れ動いていたはずなのに。 2021年10月にリリースされたパソコン音楽クラブの3rdフルアルバム『See-Voice』をいま聴くと、不思議な気持ちになる。リリース当時は不安な気持ちになったことを思い出しながら、遠い過去の出来事を思い返すときのような感情が湧き上がるのだ。それは水のなかにいるかのようなサウンドテクスチャーのせいかもしれないし、2人が影響を受けた過去のさまざまな音楽のムードが色濃く匂い立っているからかもしれない。 稿は、『AMBIENT defi

    音楽の現場から隔離されたアンビエントな日々。パソコン音楽クラブと三田格がいま肌で感じること | CINRA
  • シティボーイズが語る「歳をとったコメディアンは、もはや老害」 | CINRA

    大竹まこと、きたろう、斉木しげるから成るシティボーイズは、後世に多大なる影響を与えながらも、若手が簡単には真似できないオリジナルな世界を体現してきた、唯一無二のコントユニットだ。例えば『キングオブコント』のような番組を見ると、シティボーイズから触発されたであろう部分が散見されると同時に、未だに誰も彼らと同じ地平には立てていないことが分かる。そのナンセンスでシュールな芸風は他の追随を許さなかったのである。 そんな彼らが五反田団主宰の前田司郎を作・演出に迎えた公演『シティボーイズ ファイナルpart.1「燃えるゴミ」』のDVDが、10月28日に発売される。公演名に「ファイナル」と銘打ち、ひとつの区切りを迎えた彼らの足跡を、三人の発言を交えながら振り返ってみよう。 演劇につまらなさを感じ、コントの世界に飛び込んだ シティボーイズの結成は1979年。当初、彼らは劇団「表現劇場」の一員として、俳優の

    シティボーイズが語る「歳をとったコメディアンは、もはや老害」 | CINRA
  • tofubeatsが明かす突発性難聴の日々。上京や結婚などの変化、自らを探りつづけた4年 | CINRA

    tofubeatsによる4年ぶりのフルアルバム『REFLECTION』は、ゲストシンガーを呼ばず、ほぼ一人きりでつくり上げた前作『RUN』(2018年)から一転、中村佳穂をはじめ、地元神戸を拠点とするヒップホップユニットNeibissや、Kotetsu Shoichiro、UG Noodleら多数のアーティストと積極的にコラボレーションを行っている。「反射」や「反映」を意味するタイトルを冠した作だが、自らを「他者」という鏡に映し出すことによって、その輪郭を知ろうとするtofubeatsの行為は、コロナ禍で自分自身と一人向き合うことに疲弊してしまった私たちの心を「反映(reflect)」しているかのようだ。 思えばtofubeatsの楽曲は、“朝が来るまで終わる事のないダンスを”が「アンチ風営法ソング」として使用されたり、“陰謀論”リリースのタイミングで緊急事態宣言が発令され、その後コロナ

    tofubeatsが明かす突発性難聴の日々。上京や結婚などの変化、自らを探りつづけた4年 | CINRA
  • 2003年生まれのLAUSBUBが語る 人生を変えたテクノとの出会い | CINRA

    2021年初頭、SNSで拡散された高校生2人組によるテクノミュージック“Telefon”のサウンドクオリティーに度肝を抜かされた人は多いだろう。 ドイツ語で「いたずらっ子」を意味するユニット名「LAUSBUB」と名乗る、北海道は札幌在住の岩井莉子(Gt,Syn,DJ)と高橋芽以(Vo,Gt)による2人組。ユニットを結成したのも、格的に打ち込みをはじめたのもまだ1年と少し前という事実にも驚かされるが、すでにSoundCloudにアップされている3曲は、いずれもYellow Magic OrchestraやBuffalo Daughter、Corneliusなどに影響を受けたポップでミニマルな音楽性に、デジタルネイティブならではのアイデアやユーモアがふんだんに盛り込まれている。 コロナ禍で家にいる時間が増え、できなくなったバンド活動の代わりにはじめたというLAUSBUB。iPadにバンドルさ

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  • ご飯が美味しくて幸せならいい 曽我部恵一の楽しさ追求の生き方 | CINRA

    今年の春、曽我部恵一は下北沢に「カレーの店・八月」をオープンさせた。なぜ、ミュージシャンがカレー屋を? 不思議に思う人もいるだろうが、じつは彼、約15年前から同じ下北沢でカフェも運営しており、場づくりにおいてはすでに長い蓄積がある。 それ以外にもソロ転向後、ほどなくして自身のレーベルを設立するなど、インディペンデントを機軸とした活動を展開してきた曽我部。ときには音楽、ときには飲店と、形態にとらわれない表現を続けている。その背景に見えてくるのは、「好きなことを思うがままにやる」という、シンプルな生き様だ。 空間を豊かにするLIXILの壁材商品「エコカラット」のプロジェクトLIXIL「PEOPLE & WALLS MAGAZINE」とCINRA.NETのコラボレーションにより、空間と人との関係にフォーカスし、インタビューを行っていくこの連載。最終回となる第7回目は、そのときどきの感情を大切に

    ご飯が美味しくて幸せならいい 曽我部恵一の楽しさ追求の生き方 | CINRA
  • Mr.とphaの「つながりながら、ひきこもりたい」理想の生き方対談 | CINRA

    人が通り過ぎてしまいそうな身近なモチーフや風景を丹念に表現することで、世界の見え方をゆるやかに変えてしまう人たちがいる。アーティストのMr.と著述家のpha。一風変わった名前を持つこの二人は、これまでの「アートらしさ」や「普通の生活」を相対化することで、社会のなかにそんな新しい視点を作ってきた実践者だ。 アーティスト・村上隆の一番弟子でもあるMr.は、美大受験失敗後の葛藤のなか、まだアートの対象と認知されていなかったアニメキャラクターや、雑然とした自室を作品に昇華。いまや世界的な表現者となった。一方phaは、京都大学卒業後に就職するも、型通りの就業生活に馴染めず退職。シェアハウス「ギークハウス」を立ち上げつつ、収入にも場所にも常識にもとらわれない、新たな生き方を綴ったエッセイで人気を得ている。 今回、現在開催中の『ヨコハマトリエンナーレ2017』へのMr.の参加を機に、そんな両者の対談を行

    Mr.とphaの「つながりながら、ひきこもりたい」理想の生き方対談 | CINRA
    mkzk
    mkzk 2019/02/16
  • 実は大ピンチだった曽我部恵一、レーベル休止も考えた制作を語る | CINRA

    サニーデイ・サービスには、ちょっと不思議なところがある。なんと言えばいいのか、たとえば彼らは、上手くやりたいと思っても、決して順風満帆とはいかない。渋谷系の人たちに憧れはしたけれど、自分たちはそうはなれなかったし、メンバーの関係性も上手くいかず、一度は解散してしまった。そんな彼らだから、復活してすごくいい時間が流れたと思った矢先、また今回、どうにもならない状況になったりする。この8月にリリースされたアルバム『DANCE TO YOU』は、曽我部恵一が、自分のレーベルをストップすることを考えるほどに、危うい制作だったそうだ。 しかし、冒頭で「不思議」と書いたのにはワケがある。サニーデイは、ちょっと上手くいかないところから、結果的には粘りに粘って素晴らしい作品を生み出してしまう、不思議な歴史があるのだ。今年で20周年を迎えた名盤『東京』も、そして今回の『DANCE TO YOU』も、まさにそう

    実は大ピンチだった曽我部恵一、レーベル休止も考えた制作を語る | CINRA
    mkzk
    mkzk 2016/08/10
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