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ブックマーク / www.ele-king.net (12)

  • exclusive JEFF MILLS ✖︎ JUN TOGAWA | ele-king

    子どものころTVを観ていたら「宇宙、発売!」というコマーシャルが目に入った。それは日清品が売り出すカップヌードルのことで、びっくりした僕は発売初日に買いに行った。ただのラーメンだとは気づかずに夢中になってべ、空っぽになった容器を逆さまにして「宇宙船!」とか言ってみた。カップヌードルが発売された2年前、人類は初めて月面に降り立った。アポロ11号が月に降り立つプロセスは世界中でTV中継され、日でもその夜は大人も子どももTV画面をじっと見守った。翌年明けには日初の人工衛星が打ち上げられ、春からの大阪万博には「月の石」がやってきた。秋にはイギリスのTVドラマ「謎の円盤UFO」が始まり、小学生の子どもが「宇宙」を意識しないのは無理な年となった。アポロが月に着陸した前の年、『2001年宇宙の旅』が1週間で打ち切りになったとはとても思えない騒ぎだった。 ジェフ・ミルズが2008年から継続的に続

    exclusive JEFF MILLS ✖︎ JUN TOGAWA | ele-king
    mkzk
    mkzk 2024/03/27
  • R.I.P. Damo Suzuki | ele-king

    「今」だけを生ききった旅人 松山晋也 昨日(2024年2月10日)の深夜にダモ鈴木さんの訃報をツイッターで知った時、まっさきに思ったのは、やっぱりダモさんの最新インタヴューもとっておくべきだったな、ということだった。2020年秋に私の編集・監修で出た『カン大全――永遠の未来派』には、人の回顧録『I Am Damo Suzuki』の紹介記事(崎山和弥)と、セレクテッド・ディスコグラフィ(小柳カヲル)、そして私が96年にやったインタヴュー原稿を掲載したが、総ページ数に制限があったため、最新情報までは載せられなかった。まあ、ガン治療で大変そうだと聞いていた上、インタヴューしても肝心なポイント(言葉)はだいたい予想できるという思いもあったわけだが。 ダモさんには過去4回インタヴューした。「日でのちゃんとしたインタヴューは初めて」だと言っていた最初の取材はたぶん88年だったと思う。70年代後半か

    R.I.P. Damo Suzuki | ele-king
  • R.I.P. Yukihiro Takahashi | ele-king

    高橋幸宏が亡くなった。今はただただ悲しい。寂しい。もちろん私はいちファン、いちリスナーでしかない。氏と交流のあった方の悲しみは、もっともっと深いだろう。坂龍一のあのグレーのツイートのように。 しかしわれわれファンも皆、深い喪失感に襲われているはずだ。あの高橋幸宏がこの世から旅立った。これから高橋幸宏のいない世界なのだ。悲しくてやりきれない。なぜだろう。答えは簡単だ。ある意味、高橋幸宏こそテクノポップだった。もちろんYMOは3人揃ってこそYMOだが、テクノポップとしてのYMOを象徴したのは高橋幸宏だったのではないかと私は思うのだ。彼のドラムはYMOの脈動だし、彼のヴォーカルはYMOのトレードマークだったし、彼のスタイリングはYMOの美意識だった。 脈動。トレードマーク。美意識。ここから導きだされることは簡単だ。憧れだ。端的にいおう。皆、あなたのようになりたかった(でも誰もなれない。当たり前

    R.I.P. Yukihiro Takahashi | ele-king
  • R.I.P. Manuel Göttsching | ele-king

    ベルリン市内の、わりと街中の古いアパートメントの一室だったマニュエル・ゲッチングの家を訪れたのは、1995年7月のことだった。「外が騒がしくて申し訳ないね。ちょうどこの週末はラヴパレードをやっているから。ふだんのベルリンはもっと静かなんだけどね」と彼は苦笑しながら、日から取材にやって来た数名を部屋に迎えい入れてくれた。「いや、ぼくらはそのラヴパレードのためにベルリンに来たんです」と正直に即答できなかったのは、それをあまり良きモノとは捉えていないのであろうゲッチングの表情を見てしまったからである。言うまでもなく当時彼の作品を強烈に欲していたのは、ラヴパレードの根幹にあるハウス/テクノの聴衆だったのだけれど。 すでにこの頃、ハウス/テクノの文脈で再評価された70年代以降のドイツのロックはいろいろあった。『フューチャー・デイズ』や『ゼロ・セット』、クラスターやハルモニア、初期のポポル・ヴーやタ

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  • Les Rallizes Dénudés | ele-king

    昨秋オフィシャル・サイトの開設とともに、水谷孝が亡くなっていたことが判明し話題となった裸のラリーズ。今年春にはアーカイヴ音源集『The OZ Tapes』がリリースされたことも記憶に新しいが、このカルト的な人気を誇るバンドはこのおよそ50年のあいだ、公式のアルバムとしては1991年にCDで3枚をリリースしたのみ。それら『'67-'69 STUDIO et LIVE』『MIZUTANI -Les Rallizes Denudes-』『'77 LIVE』の3作が、LAのレーベル〈Temporal Drift〉より一挙リイシューされる(日を含むアジア地域における制作と流通は〈Tuff Beats〉)。リマスタリングを担当するのは、元メンバーである久保田麻琴。フォーマットはデジタル、CD、ヴァイナルの3形態。〈Tuff Beats〉による日盤CDは、日10月12日に発売される(LPは12月7

    Les Rallizes Dénudés | ele-king
  • Can | ele-king

    「クラウトロックという言葉は使わないで欲しい」——これがダニエル・ミラーからの唯一の要望だった。いまから2年ほど前、日でのCANの再発に併せてライナー執筆および別冊を作る際に、全カタログをライセンス契約しているロンドンの〈ミュート〉レーベルの創始者は、イギリス人によるドイツ人への侮蔑と悪意がまったくなかったとは言いがたいこのタームを使うことに物言いをつけたのだった。 このタームには、もうひとつの問題がある。たとえばクラフトワークとアモン・デュールを同じ括りでまとめてしまうことは、ボブ・ディランもガンズ・アンド・ローゼズも同じアメリカン・ロックと束ねてしまうことのように、作品性を鑑みれば決して適切な要約とは言えない。しかしまあ、70年代の日のメディアでは、ジャーマン・ロックという、だだっぴろい意味を持つ言葉を使って区分けされていたわけで、そのことを思えばジュリアン・コープが普及させたこの

    Can | ele-king
  • Burial | ele-king

    文:小林拓音 周知のようにブリアル*は2007年の『非真実(Untrue)』を最後に、アルバム単位でのリリースを止めている。なのでこの新作「反夜明け(Antidawn)」はおよそ14年ぶりの長尺作品ということになるわけだが……2ステップのリズムを期待していたリスナーは大いに肩透かしをうことになるだろう。作にわかりやすいビートはない。もちろん、これまでも彼はシングルでノンビートの曲を発表してきた。今回はその全面展開と言える。 厳密には、冒頭 “Strange Neighbourhood” の序盤、聴こえるか聴こえないかぎりぎりの音量で4つ打ちのキックが仕込まれている。それは “New Love” の中盤でも再利用されているが、そちらではより聴取しやすいヴォリュームで一瞬ハットのような音がビートを刻んでもいる。あいまいで、小さく、すぐに消えてしまう躍動。間違ってもフロアで機能させるためのも

    Burial | ele-king
  • interview with Boris | ele-king

    幕開けとともに閉塞感が増しつつある2022年の世相を尻目にボリスは加速度を高めていく。起点となったのは2020年の夏あたり、最初の緊急事態宣言が明けたころ、主戦場ともいえるライヴ活動に生じた空白を逆手に、ボリスは音楽プラットフォーム経由で多くの作品を世に問いはじめる。新作はもちろん、旧作の新解釈やデジタル化にリマスター、ライヴやデモなどのオクラだし音源などなど、ザッと見積もって40あまりにおよぶ濃密な作品群は、アンダーグラウンド・シーンの牽引車たる風格にあふれるばかりか、ドゥーム、スラッジ、シューゲイズ・メタルの代表格として各界から引く手あまたな存在感を裏打ちする多様性と、なによりも生成~変化しつづける速度感にみちていた。 なぜにボリスの更新履歴はとどまるところを知らないのか。そのヒントはルーツにある轟音主義に回帰した2020年の『NO』と、対照的な静謐さと覚醒感をもつ2022年の『W』—

    interview with Boris | ele-king
  • R.I.P Florian Schneider | ele-king

    談:ダニエル・ミラー クラフトワークがいなければ、いま巷で聞かれるようなタッチのサウンドや音楽はなかっただろうし、彼らなしにはMUTEも存在しなかったでしょう。彼らは単に私にインスピレーションを与えただけでなく、エレクトロニック・ミュージックを生み出すプロセスそれ自体を理解させてくれたのです。 私はここ数年、フローリアンと数多く会うことが出来てすごく幸運でした。彼と最後に会ったのはデュッセルドルフで、彼が持っているスタジオ近辺を熱心にしかも面白おかしく案内してくれたのでした。例えば彼が見せてくれたのは戦前に作られた電子機器で、それは当時ひと山幾らといったガラクタのなかから買ったそうなのですが、結局一度もちゃんと動かなかったそうです。 また私がフローリアンからオリジナルのクラフトワークのヴォコーダーを購入したのも、とても幸運な出来事でした。実は、そのヴォコーダーはイーベイを通して購入したので

    R.I.P Florian Schneider | ele-king
  • 元ちとせ | ele-king

    ──坂慎太郎、ティム・ヘッカー、坂龍一らの参加したリミックス盤を紐解く 文:松村正人 Nov 28,2019 UP 私は元ちとせのリミックス・シリーズをはじめて知ったのはいまから数ヶ月前、坂慎太郎による“朝花節”のリミックスを耳にしたときだった、そのときの衝撃は筆舌に尽くしがたい。というのも、私は奄美のうまれなので元ちとせのすごさは“ワダツミの木”ではじめて彼女を知ったみなさんよりはずっと古い。たしか90年代なかばだったか、シマの母が電話で瀬戸内町から出てきた中学だか高校生だかが奄美民謡大賞の新人賞を獲ったといっていたのである。奄美民謡大賞とは奄美のオピニオン紙「南海日日新聞」主催のシマ唄の大会で、その第一回の大賞を闘牛のアンセム“ワイド節”の作者坪山豊氏が受賞したことからも、その格式と伝統はご理解いただけようが、元ちとせは新人賞の翌々年あたりに大賞も受けたはずである。すなわちポップ

    元ちとせ | ele-king
  • Brian Eno | ele-king

    昨日、ブライアン・イーノが唐突に新曲を発表している。いや、じつはぜんぜん唐突ではない。タイトルは“Everything's On The Up With The Tories”で、「トーリーなら万事順調」という意味。「トーリー」とは保守党のことで、明日12日にイギリスでおこなわれる総選挙が明確に意識された曲だ。現時点ではジョンソン率いる保守党がリードしており、同党が第一党になるのはほぼ確実なようなのだけれど、過半数を獲得する(=期限内にEUを離脱する)かどうかはわからない情況のよう。ブレグジットだけではなく、医療や気候変動も大きな争点になっている。 同曲は軽快なポップ・ソングに仕上がっており(オアシスばりの韻の踏み方にもびっくり)、イーノ人も歌っている。やや意訳気味にいくつか歌詞を抜き出すと、「金持ちと貧乏人の格差もばっちり」「NHS(イギリスの医療サーヴィス)をカウボーイに売り払ってく

    Brian Eno | ele-king
  • interview with Irmin Schmidt | ele-king

    プログレッシヴ・ロックというジャンルに限らず、ロックの歴史において最も偉大なるバンドの一つに数えられてきたカン。彼らがケルンで誕生したのは、ちょうど半世紀前のことだった。70年代末に消滅するまでの間に彼らが発表した作品群は、70年代のパンク、80年代のニュー・ウェイヴやノイズ、更に90年代以降のポスト・ロックなど後続の若いミュージシャンたちに延々と影響を与え続け、現在に至っている。70年代英国のメディアによる「カンは50年先を行っている」という賛辞が真実だったことを、今、誰もが認めているはずだ。 というわけで、結成50周年を祝しておこなった、カンのリーダー格イルミン・シュミットへの電話インタヴュー。 カンがシングル盤としてリリースした楽曲だけを23曲集めた編集盤『The Singles』が先日、英ミュートからリリースされたばかりだが、その前の4月には、ロンドンのバービカン・ホールで〈The

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