三井物産、三菱商事の歴史に残る、巨額減損となってしまった。 3月23日、三井物産が2016年3月期決算について、資源案件を中心に計2600億円の減損計上を発表。翌24日には三菱商事も計4300億円の減損を明らかにした。これで三井物産は700億円の最終赤字、三菱商事は1500億円の最終赤字に転落する見込み。共に連結での最終赤字は創業以来初だ。 三井物産の松原圭吾CFOは「中国の景気減速を震源とした混乱は非常に激しいインパクト」と切り出した。資源の最大需要家である新興国の変調で、原油相場は足元1バレル=40ドル程度で低迷。鉄鉱石や銅などの金属価格も、2011年をピークに右肩下がりが続く。 今回個別案件で最も痛手となったのは、両社が出資するチリの銅事業アングロ・アメリカン・スール(AAS)だ。中長期の銅価格見通しを引き下げたことで、三菱商事が2800億円、三井物産が900億円の減損を迫られた。