「『ビートルズ名曲冒頭の音の謎』を数学者が解明」という記事が昨年11月「WIRED VISION」に出た。 ダルハウジー大学(カナダ)の数学者ジェイソン・ブラウン博士が、ビートルズ「A Hard Day's Night」のイントロで鳴る、長年謎とされてきたあの印象的な不協和音を、フーリエ変換と画期的な波形編集ソフト「ダイレクト・ノート・アクセス」を駆使して解析したという内容である。 ところが博士の解析に、翻訳者でライターの高森郁哉氏が同日(!)同じ「WIRED VISION」に「ナイストライだが、たぶん不正解」という反論を出したのだった。 たかがコードひとつが世界的な話題になるなんてビートルズなればこそだが、ふたつの記事が出たのと前後して、新書のほうでも、ビートルズの謎をひもとく本が2冊出版された。 川瀬泰雄『真実のビートルズ・サウンド』(学研新書)と中山康樹『ビートルズの謎』(講談社現代
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