「昔の人は何を食べていたのだろう?」 ふと、そう思うことはないだろうか? 美味しいもので溢れている現代において、敢えて昭和初期のレシピを再現している人がいる。一体、どんなきっかけで、どんな料理を再現して、味はどうなのか……? 早速、お話を伺うことにした。 お会いしたのはブログ「温故知新で食べてみた」の作者の山本直味さん。山本さんは、昭和初期の新聞や雑誌に掲載されているレシピを、そのまま再現して食べている。2006年に始めて以来、実際に作った料理は少しずつ増えていき、既に200種類を超えているのだ。 ――昭和初期のレシピを再現しようと思ったきっかけは何ですか? 「元々、漫画家志望で、昭和初期の人々の暮らしに興味があったので、図書館で漫画を描くために必要な資料を探していたんです。すると、昭和7年に発行された『洋食の作り方三百選』という本に出会いまして、ペラペラめくってみたら、見たことがないよう