暴露本が前倒しで発売された5日、各地の書店でハードカバーが売り切れに Shannon Stapleton-REUTERS <年明けに発売された話題の暴露本に新事実はないが、トランプ政権のあまりにも酷い実態がこれで露わになった> ドナルド・トランプ米大統領とホワイトハウスの内情を暴くノンフィクション『Fire and Fury』は、発売前に一部がメディアで紹介されて話題になっていた。 ホワイトハウスは出版の差し止めを請求したが、出版社のHenry Holt and Co.はそれに応じず、発売日を前倒しして5日に発売した。トランプ大統領の過剰反応がかえって読者の好奇心をそそったのだろう、発売日に全米の書店でハードカバーが売り切れ、アマゾンでもハードカバーは在庫切れ、キンドル版とオーディオブック版ではベストセラー1位になっている。 じつは、著者のマイケル・ウルフ自身も、トランプに負けじとお騒がせ
安田:セドラチェクさんとの対談で特に強く記憶に残ったのは、GDPの話です。「安田さん、あなたは自分の所得が去年と比べて何%伸びたか正確に把握してますか」と聞かれて、「あ、言われてみると全然知らないな」と。 おそらく皆さんも、自分の所得が何%伸びたかなんて、ふだんはほとんど意識していないでしょう。その一方で、GDPの成長率についてはメディアなどを通じて細かく知っていて、コンマ数パーセントの違いにすら敏感に反応してしまう。これって冷静に考えるとちょっとおかしなことなんです。 「GDPが増えてうれしい」というのは、景気がよくなって自分のボーナスが増えたり、不況を理由に解雇されにくくなったりするというように、間接的になにかいいことが起きて、「したがって、私自身の生活にもいいことがあるに違いない」ということでしょう。 だけど、そういった間接的なものを取り払って、本来はいちばん関心があるはずの、自分自
人類史上経験のない超高齢化の波を前に、どう舵を取ればいいのか。医学から地理学まで学際的文明論で知られる米国の研究者ジャレド・ダイアモンド(80)は、近著『昨日までの世界 文明の源流と人類の未来』で「ヒントは伝統的社会にある」と提言する。 「現代の高齢者を取り巻く状況は、伝統的社会とくらべて、悪化した部分の方が多い」とダイアモンドは言う。「高齢者が社会に提供できていた価値の大半が失われ、健康なのに哀れな老後を過ごす人が多くなった」からだ。 伝統的社会とは、何千年も前から存在してきた狩猟採集や農耕を生業にした小集団のこと。ダイアモンドは、南米やニューギニアに今も点在するこれらの社会の調査を続けてきた。 文字のなかった社会では高齢者は「生き字引」だったが、現代では文字が知識を蓄積してくれるため、高齢者の記憶や知恵に頼る必要がなくなったという。 また、技術の進化が遅かった時代は、高齢者の持つスキル
アンヤ・フッソ(87)<右> 担当ソーシャルワーカーのマレ・ローセンベリと。ローセンベリのことを「心のマレさん」と呼び、彼女主宰のデイケアを心待ちにしている。 Photo : Ota Hiroyuki 現地に行く前は「フィンランドの高齢者は厳しい自然の中、孤高を貫き、孤独死も恐れない」と勝手に思い描いていた。しかし、取材を始めるとあてが外れた。一人暮らしの高齢者たちの話を聞くと「子どもには頼りたくないが、孤独にも耐えがたい」という、日本人とさして変わらない実像が見えてきた。 アンヤ・フッソ(87)は一昨年、63年連れ添った夫のラウリを心臓病で失った。残されたアンヤは途方に暮れた。北欧の長い冬の夜、1人でテレビを見ていると、涙がこぼれてくる。今にも部屋の扉が開き、ラウリがひょっこりと現れそうな幻覚にもとらわれた。 そんな彼女が心を開くきっかけとなったのが、ヘルシンキ市の「コントゥラ多目的サー
アンヤ・フッソ(87)<右> 担当ソーシャルワーカーのマレ・ローセンベリと。ローセンベリのことを「心のマレさん」と呼び、彼女主宰のデイケアを心待ちにしている。 Photo : Ota Hiroyuki 現地に行く前は「フィンランドの高齢者は厳しい自然の中、孤高を貫き、孤独死も恐れない」と勝手に思い描いていた。しかし、取材を始めるとあてが外れた。一人暮らしの高齢者たちの話を聞くと「子どもには頼りたくないが、孤独にも耐えがたい」という、日本人とさして変わらない実像が見えてきた。 アンヤ・フッソ(87)は一昨年、63年連れ添った夫のラウリを心臓病で失った。残されたアンヤは途方に暮れた。北欧の長い冬の夜、1人でテレビを見ていると、涙がこぼれてくる。今にも部屋の扉が開き、ラウリがひょっこりと現れそうな幻覚にもとらわれた。 そんな彼女が心を開くきっかけとなったのが、ヘルシンキ市の「コントゥラ多目的サー
米フェイスブックが政治プロパガンダの道具になっているとの批判に対し、共同創業者マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は自らが担う使命は党派を超えていると主張。トランプ米大統領がフェイスブックは偏向していると批判した後、同CEOは「われわれはあらゆる人々に声を与え、全てのアイデアのためのプラットフォームをつくりたいと考えている」と9月に記した。 ザッカーバーグCEOは述べていないが、フェイスブックは政党や政治指導者と積極的に協力している。不正確な情報や極端なイデオロギーを拡散させる「トロール部隊」の助けも時には借りて、反対勢力を抑圧するためにフェイスブックを活用する政党や政治指導者も含まれる。会員制交流サイト(SNS)の世界では、「トロール」あるいは「トローリング」とは挑発的な書き込みを意味する。 こうしたフェイスブックのイニシアチブを主導しているのは、あまり知られていないグローバル
<2年ぶりの南北会談はまたも問題先送りで終わるだろう。北朝鮮がアメリカに届く核ミサイルを完成させる前に、核関連施設を破壊すべきだ> 1月9日、韓国と北朝鮮による2年ぶりの南北高官級会談が行われているが、結果は今までと同じことになるだろう。北朝鮮の無法なふるまいに対し、韓国が多額の援助で報いるのはほぼ確実だ。かくして、国連安保理がようやく合意した制裁強化は効力を失う。一方の北朝鮮は、核弾頭を搭載した移動発射式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を複数配備するという目標に向けて着実に歩みを進めていくだろう。 北朝鮮の過去6回の核実験はいずれも、アメリカにとって攻撃に踏み切る絶好のチャンスだった。イスラエルが1981年にイラク、2007年にシリアの核関連施設を爆撃した時のように。いかなる兵器も持たせるべきでない危険な政権が、よりによって核兵器を保有するのを阻止するために、断固として攻撃すべきだった。
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