今国会が二十二日に閉幕する。森友、加計問題など安倍政権の不祥事が相次ぎ、与野党が激しく対立したあおりで、審議時間が限られ、国民生活に影響する法案成立が見送られた。与党は重要視するカジノを中核とする統合型リゾート施設(IR)整備法や働き方関連法などの採決を強行する一方、野党が提出した原発ゼロ基本法案などは一度も審議しなかった。 (木谷孝洋) 政府提出法案で成立しなかったのは、成年後見制度適正化法案や洋上風力発電促進法案など五本。政府提出法案の成立率は92・3%だった。議員立法では超党派で検討していたチケット高額転売禁止法案が先送りされた。 成年後見制度適正化法案は、知的障害や認知症などで制度を利用した人が、一律に公務員や教員、保育士などになれない欠格条項を廃止。個別の状況ごとに審査し、不当差別を解消するのが目的だ。洋上風力発電促進法案は、洋上風力発電の普及を広げるのが狙い。いずれも内閣委員会