シンガポールで開かれた米朝首脳会談から1ヵ月が経過したが、北朝鮮が非核化の方向に動く兆しは見られない。それどころか「最悪のシナリオ」に向かっている可能性もある──。米国と朝鮮半島の動向を見つめてきた花澤キャスターが、歴史的会談を克明に検証する。 かつて米大統領のこんな外交があっただろうか 事態は悪い方向に進んでいる。このままいけば、アメリカは北朝鮮の核保有を受け入れるか、圧力政策に戻るのかという選択になる。そして圧力がうまく高められずに軍事攻撃に踏み切るのか、という選択も突きつけられることになる。首脳会談は失敗と言わざるを得ない。 6月12日におこなわれた歴史的な米朝首脳会談の結果は、まさに衝撃的だった。これほど中身のない合意が出てこようとは……。 キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が大きな方針転換をする可能性もゼロではないが、現実には評価できるほどの成果を出すのは難しいだろう、そ