米連邦最高裁は1日、トランプ前大統領が主張する大統領の「免責特権」について幅広く認める判断を示した。11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏にとっては追い風だ。一方でトランプ氏が大統領に復帰した場合、法を軽視した「暴走」につながりかねないとの懸念も出ている。 保守派判事6人の多数派意見による最高裁判断に対し、リベラル派判事や有識者らから懸念や批判の声が上がった。 「大統領と彼が仕える国民との関係は、取り返しのつかないほど変化した。あらゆる公権力の行使において、大統領は今や法の上に立つキングだ」 最高裁のリベラル派判事3人はいずれも判断に反対した。その一人、ソトマイヨール判事は反対意見で、保守派判事らの多数派意見を厳しく批判した。「大統領の周囲に法のない地帯を作り出した」とも表現し、多数派判事らの主張は「大統領職と民主主義に悲惨な結果をもたらす」と警告した。 同じリベラル派のジャクソン判