取材・文 前川あずさ 6月1日と2日の2日間、埼玉県立不動岡高校の文化祭の一画で「igokuフェス@ふどうおか」が展開されていた。昨年12月にいわきでの「いごくツアー」に参加した高校生たちが、自分たちの体験を共有する場として企画したものだ。高校の文化祭と、いごく。果たしてどんな空間になったのだろうか。 死をゆるく考えるための仕掛けたち 校舎へ入って、「高校の文化祭」の空気に気圧されながら廊下を進む。色とりどり、丁寧に演出された数々の教室を観察しつつ、メイド服姿の男の子とすれ違ったところで、廊下の突き当たりに鮮やかな「入館体験」の文字を見つけた。 おばけやしき、ではない。廊下に面した壁には大きく「igokuフェス@ふどうおか」と出ている。教室のドアにはそれぞれ、この世、とあの世、と書かれたのれん。「あの世」ののれんの方をくぐって、中へ入るようになっていた。 “「死」とは?そして「生」とは?”