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ブックマーク / blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance (15)

  • 北朝鮮情勢:意図せざる不注意な戦争を避けるために : 海国防衛ジャーナル

    北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって我が国周辺の危機レベルが上がっていると見る雰囲気があります。現時点で米海軍の展開にそこまでの緊急性は見られず、今すぐに戦争が起きるという状況ではありません。北朝鮮が対米核抑止態勢を追及する限り、日米韓に対する軍事的脅威が増大し続けるのは間違いありませんが、それがすなわち"危機"を押し上げるわけでもないので、ここに来て突然戦争の兆候が高まったかのような見方にはやや違和感があります。 しかしながら、「戦争が起きるなんてありえない」とタカを括るのも危ない考えです。確かに、世界大戦規模のものを想像するなら、めったに発生するものではないでしょう。しかし、19世紀、20世紀と比べてみても、2001年以降の約10年で戦争が減っているわけではないんですよね。大規模なものだけでもアフガニスタン、イラク、ダルフール、東ティモール、イスラエルとパレスチナ・レバノン、グルジア、リ

    北朝鮮情勢:意図せざる不注意な戦争を避けるために : 海国防衛ジャーナル
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2017/04/14
    “危機が増大するにつれ、意思決定者たちは次第に自分たちの選択肢の範囲がいっそう限定されるようになると感じる。一方で、意思決定者たちは、相手の選択肢は広がっているとみなす。”
  • 南シナ海の「現状」はすでに変更されている 〜プロスペクト理論から〜 : 海国防衛ジャーナル

    以前、プロスペクト理論について紹介しました。 (2014/11/14)プロスペクト理論:現状維持の「現状」ってどこ? 抽象的な説明で分かりにくいところもあったと思います。そこで、米海軍が南シナ海において「航行の自由作戦(Freedom Of Navigation OPeration:FONOP)」を実施したこの機会に、南シナ海問題という具体的な事例を当てはめてみると、より分かりやすいかな、ということで改稿・加筆してみました。 南シナ海の参照基準点はすでに変更されている 意思決定者は置かれた条件によって絶対的な価値に対して主観的な評価をします。この評価の基準となるのが、参照基準点です。国際政治で現状維持というときの「現状」とは、すなわち参照基準点のことです。 現状=参照基準点は刻々と変化します。意思決定者の現状に関する主観的な理解(獲得/損失どちらのドメインにいるのか)だけでなく、欲求や期待

    南シナ海の「現状」はすでに変更されている 〜プロスペクト理論から〜 : 海国防衛ジャーナル
  • 日本に核武装は必要か(4)〜核抑止論からみる日本の核武装論〜 : 海国防衛ジャーナル

    核兵器は過剰な兵器核兵器の持つ巨大な破壊力は、軍事的な手段と国家が追及する事実上すべての政治的目的の間に不均等をもたらした。この目的と手段の乖離は、ほとんどの状況で究極の兵器の使用に麻痺状態を生み出した。1945年以来、核兵器は使用されていないため、核兵器が役に立つとみなす考えには限界がある。それは単にあまりにも強力で、あまりにも採算がとれないものなのである。 国際政治学者ジョセフ・ナイは上記引用のように述べ、核兵器の登場によって、戦争が他の手段による政治の延長であったクラウセヴィッツの世界はもはや過ぎ去ったと指摘しました。また、核兵器は5つの大きな政治的影響をもたらしたとナイは言います(ナイ前掲書170ページ); 限定戦争の概念の復活大戦争に代わって危機が重要となった抑止戦略がカギを握る核戦争の回避核兵器は戦時には使用不可能とみなされるようになった 軍事力は何らかの目的を達成するための手

    日本に核武装は必要か(4)〜核抑止論からみる日本の核武装論〜 : 海国防衛ジャーナル
  • オススメ本:『南シナ海 中国海洋覇権の野望』 : 海国防衛ジャーナル

    日は、ロバート・カプランの『南シナ海 中国海洋覇権の野望』をご紹介します。表題通り、尖閣諸島がある東シナ海とならび、いやそれ以上に熱い舞台となっている南シナ海がテーマになっています。 南シナ海は、中国、フィリピン、ベトナム、台湾、マレーシア、ブルネイが領有権を主張し合う複雑な海です。スプラトリー (南沙) 諸島とパラセル (西沙) 諸島といった小島や環礁をめぐって、各国の主張は入り乱れています。 (南シナ海で各国が領有を主張する範囲) とりわけ、ベトナムとフィリピンが中国と激しくぶつかりあっており、すでに死傷者が出る事態にまでエスカレートしています。 書は、“カプランらしい”アプローチで、南シナ海問題を分析したものです。“らしい”というのは、彼のよく用いる、世界観を形づくる歴史や地理を背景に、各国の軍事力・経済力を織り交ぜながら現状を分析し、将来を展望していく手法です。結果として、読み

    オススメ本:『南シナ海 中国海洋覇権の野望』 : 海国防衛ジャーナル
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2014/11/01
    人道・平和主義者たちは聞きたくないかもしれないが、「自由」を守る最適な方法は、西洋の民主的な価値観よりも、バランス・オブ・パワーなのだ。そしてこれこそが、二一世紀の南シナ海が私たちに与えてくれる教訓と
  • 尖閣諸島:「日米安保第5条適用対象」と「日米安保第5条発動」のスキマ : 海国防衛ジャーナル

    来日中のオバマ大統領が、尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象であることを明言しました。 「尖閣に安保適用」大統領明言=集団自衛権容認も支持−日米首脳会談(2014/4/24 時事通信) 安倍晋三首相は24日午前、オバマ米大統領と東京・元赤坂の迎賓館で約1時間40分会談した。アジア太平洋の平和と繁栄に貢献するため、日米同盟が主導的役割を果たすことを確認。この後に発表される共同声明に、中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島について明記されることになり、大統領は記者会見で「日米安保条約第5条の適用対象となる」と、米国が対日防衛義務を負うことを表明した。大統領が尖閣への安保条約適用を明言したのは初めて。 これまでにも米政府閣僚級から同様の発言は繰り返されてきましたし、2012年末には米国防権限法で尖閣諸島が日米安保条約第5条に基づく責任を再確認すると宣言する条項が明記されており、すでに尖閣諸

    尖閣諸島:「日米安保第5条適用対象」と「日米安保第5条発動」のスキマ : 海国防衛ジャーナル
  • 尖閣諸島はデザートではなく前菜 : 海国防衛ジャーナル

    米海軍大学校のジェームズ・ホームズ教授が『Foreign Policy』に面白い論考を寄せています。 China Might Actually Seize Japan's Southern Islands(2014/4/8 Foreign Policy) 要約しようかと思っていたら、戦略学の奥山真司博士がすでに取り上げておられました。 ジェームス・ホームズ:「中国に沖縄取られたら」論①(2014/4/11 地政学を英国で学んだ) 内容は、「中国にとって、尖閣諸島は“デザート”ではなく“前菜”に過ぎない。狙いは琉球諸島である。仮に琉球諸島を中国が奪取すれば中国の戦略的優位性が高まり、反対に海洋コントロール権を失ったアメリカは西太平洋における支配に終焉を告げる」というものです。 ホームズの「尖閣や台湾は前菜」論は、かねてからの持論ですね。2011年にも同じような論考を『The Diplomat

    尖閣諸島はデザートではなく前菜 : 海国防衛ジャーナル
  • プロに学ぶ現代のプロパガンダ・テクニック:『国際メディア情報戦』 : 海国防衛ジャーナル

    「過去の偉大な哲学は、それらが真理であるから成功したのではなくて、それらが真理であると信じられたから成功したのである」。国際政治の泰斗ハンス・J・モーゲンソーは宣伝戦についてこう述べています。 人は信じたいものしか信じません。自分にとって信じたくないものが客観的事実であった場合でさえ、それを受け入れるのは難しいものです。真理や事実はひとつでも、正義はいくつもあると言われる所以です。だからこそ情報戦は難しく、プロパガンダは現代も有効なのです。 日と領土や歴史をめぐって揉めている隣国は、意欲的にプロパガンダに取り組んでいます。中国は「三戦」という3つの原則を掲げて国際情報戦を遂行していますし、韓国も現大統領自身が行く先々で日のマイナスイメージを植え付けようと努めています。 我が国もこれに対抗する必要がありますが、その際、客観的事実を強調すれば必ず勝てるわけではありません。というのも、係争相

    プロに学ぶ現代のプロパガンダ・テクニック:『国際メディア情報戦』 : 海国防衛ジャーナル
  • クリミアをめぐって激化する正義と正義の戦い : 海国防衛ジャーナル

    ロシアのプーチン大統領が、クリミア自治共和国のロシア併合を表明する演説を行いました。 冷戦〜ソ連崩壊〜ポスト冷戦を経たプーチン大統領の心情、というよりもロシアという国家の感情のようなものがうかがえる演説だと思います。国際社会の多数を納得させられるかどうか、という点についての評価は受け取る側の立場によって異なるでしょうが、切々とクリミア併合に至ったロシアの「正義」が語られており、彼らの世界観を知るうえで非常に参考になりますね。 さて、演説の中でプーチン大統領はクリミア併合が国際法に違反しない点を高らかに宣言しています。そしてやはりと言いましょうか、コソボの事例を引き合いに出してきました。クリミアを舞台にしたロシアと米欧の対立は、三戦(世論戦・心理戦・法律戦)の様相を呈しています。 コソボについての経緯は稿では割愛しますが、「コソボとクリミアは同じケースであり、コソボでNATOに認められた行

    クリミアをめぐって激化する正義と正義の戦い : 海国防衛ジャーナル
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2014/03/25
    “シリアでは保護する責任原則が機能するべきですが、私たち国際社会はそれぞれの事情からこれを見殺しにしてしまっています。”
  • 戦争がなくならない理由 : 海国防衛ジャーナル

    ウクライナにおける危機の発生は、戦争なんてめったなことでは起こらない、とタカをくくっていると危ないんだな、と改めて確認させられますね。確かに、世界大戦規模のものを想像するなら、めったに発生するものではないでしょう。しかし、19世紀、20世紀と比べてみても、2001年以降の約10年で戦争が減っているわけではないんです。大規模なものだけでもアフガニスタン、イラク、ダルフール、東ティモール、イスラエルとパレスチナ・レバノン、グルジア、リビア、シリアなどで戦争が起きています。むしろこのペースで行くと、「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀よりも戦争の数だけ見れば21世紀の方が上回るかもしれません(2度の世界大戦を経験した20世紀と単純比較はできませんが)。 数え切れないほどの戦禍を経験しておいて、なぜいまだに戦争がなくならないのでしょうか。理由のひとつは、戦争が起きる「動機」が昔からほとんど変わっていな

    戦争がなくならない理由 : 海国防衛ジャーナル
  • 尖閣諸島問題:日本からエスカレーションを仕掛ける愚かさ : 海国防衛ジャーナル

    先日、尖閣諸島問題に関して記事を書いたところ、様々な反響をいただきました。 (2012/7/16) 尖閣諸島はどのように防衛されるのか 稿では上記過去記事を読んでいただいたことを前提に話を進めていきます。 尖閣諸島問題は領土という絶対性をもつものが議論の対象であるためか、勇ましい意見をお持ちの方が多いようです。過去記事では、魚釣島へ人員を配備する軍事的効果の薄さや海上保安庁という安全装置の意味、実効支配していることの重要性について説明した上で、「相手の挑発に乗るべきではない」という論旨を述べたところ、勇ましい系の方々にはあまり賛同いただけなかったようです。もちろん、何においても異論があるのが当然ですからそれは良しとして、稿では「日からエスカレーションを仕掛ける愚かさ」について説明し、愛国心あふれる諸氏からの支持を張り切って失ってみたいと思います。 こちらの有利な立場を理解するケネス・

    尖閣諸島問題:日本からエスカレーションを仕掛ける愚かさ : 海国防衛ジャーナル
  • 中国海軍が東アジアのチョーク・ポイントをパトロール : 海国防衛ジャーナル

    過去記事「中国海軍がスンダ海峡を抜けてインド洋へ」で取り上げた、3隻の中国海軍艦艇が南シナ海と東シナ海のチョーク・ポイントを巡って帰港した模様です。 Chinese Naval Patrol Prompts Conflicting Regional Response(The Wall Street Journal 2014/2/19) ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国海軍南海艦隊所属の071型玉昭級揚陸艦「長白山」、052B型旅洋I級駆逐艦「武漢」、052C型旅洋II級駆逐艦「海口」の3隻が、1月20日に海南省三亜を出港。西沙諸島や南沙諸島のある海域を通過し、敵による海上封鎖を突破する訓練等を重ねながら、スンダ海峡を29日に通過し、インド洋へ入りました。 スンダ海峡付近では海賊対処や捜索救難(SAR)訓練を行い、その後、ロンボク海峡、マカッサル海峡を通過し、西太平洋にて実弾射

    中国海軍が東アジアのチョーク・ポイントをパトロール : 海国防衛ジャーナル
  • 米専門機関による中国海軍の現状評価  : 海国防衛ジャーナル

    前記事と同じく、米中経済安全保障検討委員会において、今度は海軍の専門分析機関である米海軍情報局(ONI)のJesse L. Karotkin上級研究員が中国海軍の現状を評価しています。 [PDF] TRENDS IN CHINA’S NAVAL MODERNIZATION US CHINA ECONOMIC AND SECURITY REVIEW COMMISSION TESTIMONY, Hearing: China’s Military Modernization and its Implications for the United States, January 30, 2014. 中国空軍と第二砲兵の評価と同じく、中国海軍の概観を把握しやすい内容で、これまた入門編として優れたテキストです。現在の中国海軍を知る際の基礎用語が並んでいる感じですね^^ 型番や年月日などに多少の間違いが

    米専門機関による中国海軍の現状評価  : 海国防衛ジャーナル
  • 日本と中国は衝突する宿命にある 〜だってお隣さんだもの〜 : 海国防衛ジャーナル

    書店に並ぶ雑誌や書籍を見ると、最近は中国脅威論にまつわるものが多いですね。個人的にも、中国海軍の情報をチェックしていると、当に凄まじい“台頭”だと感じますし、隣国の国民として脅威を感じるのは当然だと思っています。と同時に、関心のある情報を集めていると、どうしても俯瞰的視点をなくしがちですし、自分で自分の危機感を過剰に煽ってしまっていることがあるので、そこは気を付けないといけませんね。これに関して、国際政治学者の高坂正堯は次のようなことを指摘しています。 われわれはまず、われわれの直面している状況が、これまでに例のないものであることを強調しすぎないようにする必要があるかもしれない。これまで人びとは、困難な状況に直面したときにはほとんどいつも、それがこれまでに例のないものであると主張してきた。そしてそれはほとんどの場合、みずからをなぐさめる言葉に過ぎなかったのである(強調筆者)。 この言葉は

    日本と中国は衝突する宿命にある 〜だってお隣さんだもの〜 : 海国防衛ジャーナル
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2014/02/05
    “中国がシーパワー的理性を備えるにいたったのは、このエネルギー問題に対処するための合理的判断を迫られたからなのです。”
  • 中国 南シナ海の3分の2にわたる海域の支配強化へ : 海国防衛ジャーナル

    昨年、東シナ海に防空識別圏(ADIZ)を設定した中国は、南シナ海でも同様の措置をとるのではないかと目されていました。しかし、東シナ海で思いの外大きな反発を国際的に受けたことを考慮しているのか、現時点で南シナ海にADIZを設定したとの発表はありません。 そんな中、中国政府は、南シナ海において外国の漁船や調査船が活動するには事前に中国の地方当局に承認を得るよう新しい規則を施行しました。南シナ海で中国と海洋主権を争う周辺国との軋轢が深まることが予想されます。 China Orders Foreign Fishing Vessels Out of Most of the South China Sea(Washington Free Beacon) 新規則は、昨年11月に海南省人民政府によって発表されたもので、今月1日に施行されたようです。海南省の行政区域を通過するすべての外国漁船は中国当局の承認

    中国 南シナ海の3分の2にわたる海域の支配強化へ : 海国防衛ジャーナル
  • シリアへの軍事行動開始目前 限定的な攻撃の目的は : 海国防衛ジャーナル

    シリアの首都ダマスカス郊外で毒ガスと見られる化学兵器が使用されたことによって、ついに欧米諸国がシリアへ軍事介入する模様ですね。29日にも攻撃が開始されると報道されています。 27日の英BBCによると、米英仏軍の展開状況は以下の通りです。 (BBCより) アメリカ 駆逐艦グレーブリー、ラメージ、バリー、マハン(それぞれトマホークを最大90発搭載)。空母ニミッツ、ハリー・トルーマン。トルコ内のインキルリーク、イズミル空軍基地も使用可能。上図には潜水艦のマークも? イギリス トラファルガー級原潜×1(トマホーク搭載)。RFTG(Response Force Task Group)が地中海・ペルシア湾岸方面の年次配備で展開中。RFTGは、ヘリ空母・イラストリアス、そしてモントローズとウェストミンスターの2隻のフリゲートを含む。キプロスの空軍基地を使用可能。 フランス 空母・シャルル・ドゴールはツー

    シリアへの軍事行動開始目前 限定的な攻撃の目的は : 海国防衛ジャーナル
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