政権批判への弾圧が強まり、市民の肉声があまり聞こえてこないロシア。人権団体「OVDインフォ」によると2月24日のウクライナ侵攻以降、反戦デモなどで勾留された人は1万4993人にのぼる(3月20日時点)。それでもツイッターなどのSNS(交流サイト)を使って侵攻反対の声を上げ続ける市民がいる。日本経済新聞SNS取材班はロシア国内からハッシュタグ「#StandWithUkraine(ウクライナと共に
ロシア軍により包囲が続く、ウクライナ東部マリウポリの市議会は、同市の左岸地区の住民の一部がウクライナの国籍証明書を奪われた上で、ロシアへと強制移送されていると伝えた。 20日、マリウポリ市議会がテレグラム・チャンネルにて伝えた。 発表には、「ロシア占領軍は、ウクライナマリウポリの住民を無理矢理ロシアへあるいは一時的被占領下ドネツィク・ルハンシク両州一部地域へと移送している。8時時点で、マリウポリ左岸地区アゾフスタリ通りとウクライナ・コサック社会通りの住民が違法に敵の領土へと追放されたとの情報がある」と書かれている。 市議会は、ロシアに無理矢理移送された人々からはウクライナの身分証明書が剥奪され、代わりに紙切れが配られているが、それは法的には何の意味も持たないものだと指摘した。 また市議会は、ロシア占領軍は、ファシスト的手段を利用し続け、マリウポリ市民を拉致していると伝えた。
プーチン大統領は正気を失ったのではないか──ウクライナ侵攻を受け、そのあまりに不合理な決断に困惑し、そう口にする専門家や政治家もいる。実際、彼はいま何を考えているのだろうか。ロシア思想を専門とするフランスの哲学者、ミシェル・エルチャニノフに、仏誌「ロプス」が見解を聞いた。 プーチンの思想は20年間アップデートされていない ミシェル・エルチャニノフは2015年の著書『ウラジーミル・プーチンの頭のなか』で、いま地球を最も不安にしている男の根底をなすイデオロギーと、その心の原動力を考察したことがある。 最新著の『レーニンは月を歩いた』(未邦訳)のテーマも、プーチンが影響を受けたとされるソ連時代の疑似科学的な思想潮流だ。いまプーチンの頭のなかは、どうなっているのか。 ──プーチンは正気を失っているのではないか。一部ではそんなことも言われていますが、『ウラジーミル・プーチンの頭のなか』という本の著者
IRPIN, Ukraine — The bridge was just a shell of its old self, blown up days earlier by Ukrainian soldiers intent on slowing the Russian advance on the capital, Kyiv, but battered as it was, it offered a lifeline to civilians desperate to flee the fighting. On Sunday, as Ukrainian refugees were milling near the entrance to the structure, calculating their odds of making it safely over the Irpin Riv
ブランコ・ミラノヴィッチ「歴史の終わりの終わり:私たちはこの戦争で何を学んだのだろう?」(2022年3月2日) The end of the end of history What have we learned so far? by Branko Milanovic 戦争は最も恐ろしい出来事だ。絶対に起こってならない。全人類はその努力でもって、戦争を実行不可能に追い込まねばならない。違法化するだけに留まらず、誰しもが実行できない、あるいは始めるインセンティブを持たないようにするような、不可能化が求められている。 しかし残念なことに、我々はまだそこには到達していない。人類はそこまで進化していないのだ。我々は今、非常に残酷なものとなるかもしれない戦争の真っ只中にいる。 戦争はまた、(冷酷に思えるかもしれないが)我々の先入観を見直す機会にもなっている。物事は、突如として鋭く焦点化する。信念は幻
ウクライナを守るためイギリスから来た義勇兵たち。これから戦闘の前線に向かう(3月5日、リヴィウ) Kai Pfaffenbach- REUTERS <ロシアの侵略と戦うウクライナは、ネオナチに実戦経験とその神話化の機会を提供する。それはかつてナチスの台頭を招いた政治の「残忍化」につながりかねない> ロシアによるウクライナ侵攻が続いている。私は前回の記事で、ウクライナにはネオナチ勢力が存在するのは事実だが、それを根拠としたプーチンの開戦理由は正当化できないことを論じた。その結論は現在でも変わらないが、開戦後にウクライナでネオナチの勢いが増していることについては注意を払うべきかもしれない。 『ニューズウィーク米国版』は3月2日の記事で、ロシアの侵略によって「アゾフ大隊」のようなウクライナのネオナチ準軍事団体のプレゼンスが高まっており、またアメリカなどの極右勢力が現地に集結していることを報告して
山口では一度も脳性麻痺の人に会ったことがなかったんです。だから、初めて見たときはショックが大きくて、これらの人たちを、どう見るのか?を早急に自分の中で整理して、見方を確立しないと、とても写真を撮ることはできませんでした。 それで障害者=脳性麻痺の人たちがどういう問題提起を孕んでいるのかを勉強しようと、脳性麻痺者の施設を、カメラを持ってほっつき歩いたんです。私にとって幸運だったことは、大人の障害者の施設に行くと、その施設を開設した人が、社会を改革しないと彼らの問題は解決しないということを、障害者問題に無知だった私に優しく教えてくれたこと。 脳性麻痺者だけのコミューンを実践している人もまた自分で革命家を名乗っている人で、脳性麻痺者たちだけで革命を起こそうと考えていて、その人の革命理論を丁寧に教えてくれる。私たちの社会はいかにあるべきかなどという、大学で学ぶレベルの内容を、私に教えてくれたんです
降伏論者に見えていない「戦争の本質」 3月8日、ゼレンスキー大統領は英国議会でシェイクスピアのハムレットを引用し、「to be or not to be(生きるべきか死ぬべきか)答えはイエス、生きるべきだ」と演説。どんな犠牲を払ってでも戦い続ける決意を表明した。 米国議会でスピーチするゼレンスキー大統領。各国の議会に出席し支援を呼び掛けている ©️getty このスピーチを称賛した篠田氏のツイートに対し、橋本徹氏は《現実の戦地・政治をリアルに感じ取ることのできない学者の思考・感覚》《文学的表現に拍手喝采とは欺瞞の極み、というか超お花畑》などと批判。篠田氏は橋本氏のような考え方があることを認めつつ、「シェイクスピアの引用は彼らの戦争の本質を的確に表現していた」とも語る。 「戦争は単に人間が亡くなるか否かだけではなくて、国家やその国民である自分の存在をかけた戦いです。そういった意味で、戦争の本
日本では現在ブースター接種とも呼ばれる3回目の新型コロナワクチンの接種が進められています。 イスラエルではすでに4回目の接種が行われており、その結果の一部が報告されています。 残念ながら目覚ましい効果は確認されず、この結果によってワクチン政策は大きな岐路に立たされることとなりそうです。 4回目のmRNAワクチン接種後、抗体はどれくらい増えるか3回目までファイザーのmRNAワクチンを接種した後、4回目にファイザーまたはモデルナのワクチンを接種した場合の抗体価の推移(DOI: 10.1056/NEJMc2202542) 医療従事者を対象にしたイスラエルでの4回目のワクチンの効果と安全性を評価した研究が報告されています。 1250人の医療従事者のうち、ファイザー3回目接種から4ヶ月後以降に154人がファイザーの4回目の接種を受け、120人がモデルナの4回目を接種しました。 図はワクチン接種後のス
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先日、当クリニックが密に連携をとっている高齢者介護施設で新型コロナのクラスターが発生しました。 僕が在宅医療を提供し幸いにも全員回復したのですが、今その怒涛のような2週間を振り返って思うのはやはり「コロナは(少なくともオミクロンは)風邪だった」ということ。 欧米で猛威をふるった新型コロナが実は日本などの東アジアでは桁違いに小さな被害で済んだこと、死者数の少なさや死亡平均年齢の高さなど統計的な観点から今の社会全体を巻き込んでのコロナ感染対策は過剰なのでは?、ということは僕も当初から指摘してきました。しかし、今回私はそうした統計的・マクロ的な見地からだけでなく、コロナの診療現場の実感・ミクロ的視野からも「コロナは風邪」であるということを実感したことになります。 いや、もしかしたら第5波デルタ株までのコロナはもっと重症だったのかもしれません。 僕の診療現場は地方の中山間地、デルタ株の時点までは身
著作が3500万部を売り上げ、地球で最も影響力のある知識人の一人となる以前に、ユヴァル・ノア・ハラリは、あまり研究されてこなかった軍事史に関する大著を発表していた。『騎士道時代の特殊作戦』(未邦訳)は、11〜16世紀に実行された暗殺、拉致、背信、サボタージュを総括した一冊だ。 それから15年、ロシアによるウクライナ侵攻がこの本の再読を促している(本書はイスラエル人とパレスチナ人の何度目かの対立の最中に書かれた)。その理由は明白だ。軍事史を理解することは、「ワグナー・グループ(ロシアの民間軍事会社)」の傭兵やラムザン・カディロフの「チェチェンの犬ども」(殺戮私兵団)の展開を、より良く理解するのに役立つかもしれないからだ。 そして今、ハラリは人類の歴史の行方がウクライナにかかっており、だからこそ決してプーチンに勝利を許してはならないと訴える。 プーチンは欧州を一つにした ──21世紀の戦争は、
ロシア軍の侵攻に対し、団結して抵抗するウクライナの人々の勇姿は、世界を動かしている。 ウクライナの哲学者・作家であるヴォロディミル・イェルモレンコは、ウクライナには自由と民主主義を追求してきた歴史があり、専制の長かったロシアとはまったく違うアイデンティティを持つと、カタールメディア「アルジャジーラ」で述べる。 侵攻で強まったウクライナのアイデンティティ 2月24日、ロシアがウクライナへの大規模な侵攻を開始した。クレムリンは「解放軍」としてウクライナに入ったと主張する一方、ロシア軍はウクライナの市民を容赦なく標的にしている。国中の住宅地、学校、病院、商業施設を爆撃し、避難のための人道的回廊を開くという合意にすら違反してきた。 また、ロシア軍はチェルノブイリとザポリージャ原子力発電所を攻撃し、ヨーロッパを原発事故の脅威に晒している。プーチンは、これらすべてをプロパガンダで正当化しようとし、ウク
Parley Policy Initiative is keeping a record of ceasefire negotiations between Ukraine and Russia. This article will be updated with developments as they occur. The negotiating room, as prepared by Belarusian officials for the initial round of negotiations on 28 February 2022 (via Belarus MFA) 10 September: The G20 members complete negotiations on the language related to the Russia-Ukraine War for
ウクライナ避難民1千万人に 戦禍拡大、全人口の4人に1人―国連 2022年03月21日00時54分 19日、ウクライナ南東部ザポロジエで、マリウポリから逃れてきた人々(ロイター時事) 【ワルシャワ時事】グランディ国連難民高等弁務官は20日、ロシアの侵攻に伴うウクライナ国内外での避難民が1000万人を超えたとツイッターで明らかにした。侵攻前のウクライナの人口は約4200万人だったとされ、約4人に1人が避難を強いられたことになる。 <ウクライナ情勢 最新ニュース> 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナ国外に逃れた人の数は19日現在で約339万人。西隣のポーランドが205万人と最多で、ルーマニア52万人、モルドバ36万人と続く。 グランディ氏は「ウクライナでの戦争は壊滅的だ。自宅を追われた民間人が味わった苦しみの責任は、世界中どこでも、戦争を仕掛ける人たちにある」と糾弾した
空中発射型の新型ミサイル「キンジャル」を搭載したロシアの戦闘機ミグ31=シリアのフメイミム基地で2021年6月25日、ロシア国防省提供・AP ロシア国防省が19日、ウクライナ西部にあるミサイル貯蔵施設を露軍の空中発射型の新型ミサイル「キンジャル」で破壊したとの発表内容について、疑義が浮上している。同省がソーシャルメディアで公開した着弾の様子を捉えたとする動画を米メディアなどが検証したところ、撮影地点はウクライナ東部の農業地帯とみられることが明らかになった。毎日新聞も同じ手法で確認した。 キンジャルは速度マッハ10、射程2000キロ以上の戦闘機搭載型兵器で、米国のミサイル防衛システムでも迎撃は困難とされる。露国防省の発表によると、新型兵器で攻撃したのは西部デリャチンのミサイル貯蔵施設で、実戦使用は初めてとみられている。
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