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ブックマーク / www.webchikuma.jp (13)

  • 第10回 「自分の言葉で話す」って難しい|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(2/2)

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの連載第10回。自分で考えているつもりになってませんか? この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 「自分の言葉で話す」のは、大人も難しい 私たちは大人になる過程で多くの他人と出会い、彼らからたくさんの言葉をもらいます。でも、出会いが多ければ自分の言葉で話せるようになるかと言えば、残念ながらそんなに簡単にはいきません。大人にとっても、自分の言葉で話すのはとても難しいことです。 この前、三者面談をしていたら、ある中学生のお母さんが「そんなことをしたら、お父さんに怒られるよ!」と子どもに言いました。このとき私は思わずおやっと首を傾(かし)げてしまいました。な

    第10回 「自分の言葉で話す」って難しい|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(2/2)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/03/26
    “言葉はそれ自体が傷跡であり、私たちは痛みを介さずに自分の言葉を紡(つむ)ぎ出すことなど到底できないという事実です。だから、その意味では「誰も傷つかない世界」を目指すなんて虚偽でしかありません。”
  • ウクライナ戦争が問う我々の人間性|ちくま新書|小泉 悠|webちくま

    ちくま新書『ウクライナ戦争』の著者・小泉悠氏が、戦争について、人間について、悪について、子供たちについて、その質を率直に語った貴重なエッセイ。PR誌「ちくま」1月号より緊急転載いたします。 戦争という現象にはいろいろな顔がある。直接の戦争経験を持たず、軍事オタクとして生きてきた筆者が戦争と聞いてまず思い浮かべてきたのは、「戦闘」だった。巨大な軍隊同士が火力や機動力を発揮して敵の殲滅を目指す暴力闘争。これは間違いなく戦争の一つの顔ではある。 しかし、12年前に子供を持ってから、戦争の別の側面を意識するようになった。子供という、この弱くて壊れやすいものを抱えながら生きていくということは、平時の社会においてもなかなかに緊張を強いられるものがある。すぐに熱を出す、とんでもないことで怪我をする、迷子になる。そういう子供との暮らしに、爆弾が降ってくるのが戦争である。あるいは、子供にべさせるものがな

    ウクライナ戦争が問う我々の人間性|ちくま新書|小泉 悠|webちくま
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2022/12/28
    “そうした悪を孕んだ存在であることから目を背けず、どうにか押さえつけながら生きていく有様を、「人間性」と呼ぶのではないだろうか”
  • パンデミック以降のいまを生きるための思想|筑摩選書|玉手 慎太郎|webちくま

    パンデミックによる行動制限、メタボ対策、あるいは健康増進のためのナッジの導入など。健康にかかわる社会のしくみは、人々の自由をどのように変えるのでしょうか。選択すべきは国家による介入でしょうか、それとも個人の自律でしょうか。現代世界に広がる倫理的難問をじっくり考える『公衆衛生の倫理学――国家は健康にどこまで介入すべきか』より、「まえがき」を公開します。 宮崎駿監督によるアニメ映画『風の谷のナウシカ』をご存知だろうか。そこに描かれる架空の世界では、過去の大きな戦争によって文明がほとんど崩壊しており、大地には有毒なガス(瘴気)を発する菌類の森(腐海)が広がっている。わずかに生き残った人類は、この森の外で細々と暮らすことを強いられている。特殊なマスクがなければ、その森の中では五分と生きられない。主人公の少女ナウシカは、そのような厳しい世界をたくましく生き抜き、自然と人間の共存の道を探っていく。 2

    パンデミック以降のいまを生きるための思想|筑摩選書|玉手 慎太郎|webちくま
  • 第9回 「将来の夢」は何ですか?|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの連載第9回。誰もが子どものころ聞かれたことがある「将来の夢」の話です。 この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 あなたはきっと「将来の夢は何ですか?」と何度も尋ねられたことがあるでしょう。この質問は学校でたびたび回答する機会があるし、家族や親戚の集まりなんかで大人たちから唐突に尋ねられることもあると思います。 そんなときに、将来なりたい何かがあって、明確に答えられる人はうらやましいです。だって、将来の職業にしたいと思えるほど大切にしていることがあるなんてすごいことだし、しかも、あなたはそれに向けてがんばることができるのですから。 でも、私がみんなと同

    第9回 「将来の夢」は何ですか?|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま
  • 第12回 善が偽装(ぎそう)された世界に生まれたあなたへ|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(1/2)

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの連載第12回。あらかじめ悪いことができないように設計された社会に生きている私たち。それはいいことなのでしょうか? この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 自動的にいい子になる社会 それにしても、みんなはしょうもない世界に生まれてきました。人類の歴史の中で、これほどに、あらかじめ悪いことができないように設計された社会はなかったはずです。 未成年者が酒やタバコを手に入れようと思っても、年齢認証システムなどにより購入することが難しくなりました。近所の気になる危険な場所は、あらかじめ立ち入ることができないように鉄条網(てつじょうもう)で囲まれています。友達

    第12回 善が偽装(ぎそう)された世界に生まれたあなたへ|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(1/2)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2021/12/13
    “人を気遣い、配慮すればするほど、自分に避けがたく悪が忍び寄ることを全身で感じながら、自分の善意にことごとく挫折(ざせつ)しながら、それでも強く生き延びてください。”
  • 『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|読書猿|webちくま

    現代文の名参考書として知られる、遠藤嘉基/渡辺実 著『着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕』が、10月11日にちくま学芸文庫より文庫化して刊行されました。文庫化発表直後から大反響となり、またたく間に3万部を突破。大きな反響の火付け役は、ベストセラー『独学大全』(ダイヤモンド社)で10ページ以上にわたり書を紹介した読書猿さんでした。書の解説も手掛けられた読書猿さんに、『現代文解釈の基礎』への熱い思いと、復刊までの道のりをインタビューしました。 聞き手:斎藤哲也さん(ライター・編集者)&筑摩書房編集部 ▼復活劇の舞台裏 ――今回、ちくま学芸文庫から『現代文解釈の基礎』が復刊されることになりました。読書猿さんのツイートが弾みとなって、ちくま学芸文庫としては異例の初版部数であるばかりか、発売前に重版が決まったとうかがっています。 読書猿さんは、『独学大全』にある国語の独学法を指南するパート

    『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|読書猿|webちくま
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2021/10/31
    “一歩コミュニティの外に出て、コンテクストが共通しない人たちと集団や社会をつくっていくときには、コンテクストフリーな言語能力が必要になる”
  • 親と子で落ち着ける時間がとれなくなる|弱き者が見殺しにされる国|石井 光太|webちくま

    mmsuzuki
    mmsuzuki 2021/08/24
    “スマートフォンで家庭と病棟をつないで交流をしてもらう。ただ、利用時間は患者一人につき一日三分でした。”
  • コロナ禍でも利用される「暮し」への祈り|筑摩選書|青柳 美帆子|webちくま

    WEBメディアの編集を通して現代の暮らしを見つめてきた青柳美帆子さんに、大塚英志著『「暮し」のファシズム』を書評していただきました。コロナ禍における「自粛」と戦時下の生活の共通点とは――。(PR誌「ちくま」2021年4月号より転載) 大塚英志の『「暮し」のファシズム』は、webちくまに緊急事態宣言下の2020年5月に掲載された特集「『ていねいな暮らし』の戦時下起源と『女文字』の男たち」をもとに、戦時下のプロパガンダによって作り上げられた「生活」をつまびらかにするスリリングなだ。 1940年代前半、戦争に突き進んでいった日は、「新体制運動」を開始。全面戦争が可能になる国家を作り上げるため、国民の生活を更新することを目指すようになった。 推し進められた戦時下プロパガンダには「男文字」と「女文字」があったと大塚は言う。戦争を知らない現代の私たちは、戦争の"前線"を直に描いたものを想起しがちだ

    コロナ禍でも利用される「暮し」への祈り|筑摩選書|青柳 美帆子|webちくま
  • 【第123回】感染症文学を読むなら、いましかない|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま

    ただいま話題のあのニュースや流行の出来事を、毎月3冊の関連を選んで論じます。書評として読んでもよし、時評として読んでもよし。「を読まないと分からないことがある」ことがよく分かる、目から鱗がはらはら落ちます。PR誌「ちくま」2020年7月号より転載。 新型コロナウイルス感染症の拡大による政府の緊急事態宣言は五月二五日、いちおう解除された。とはいえ暮らしが元に戻ったわけではない。そんな中、あえて文学方面に目をやると、新潮文庫のアルベール・カミュ『ペスト』が二月から売れはじめ、四月には一〇〇万部を突破したというニュースが特筆されよう。 なにしろ人類は感染症とともに歩んできたのだ。パンデミック下の世界を描いた作品は多々あって、古いところではボッカチオ『デカメロン』(一三五三年)が有名だ。一四世紀のフィレンツェで、ペストが蔓延する市中から郊外に逃れた一〇人の男女が、一人一〇話ずつ全一〇〇話の物語

    【第123回】感染症文学を読むなら、いましかない|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2020/08/03
    “家も金も仕事も失った人々は〈ペストそのものではなく、ペストが引き起こした災いのせいで絶命したと言っていいだろう〉”
  • パンデミックの夜に|特別掲載・大疫病の年に|重田 園江|webちくま

    新種のウイルスという見えない恐怖や先の見えない不安、そして氾濫する真偽不明な情報……。そうした奔流のただなかで、私たちは何を、どう考えるべきなのか。「分けるべきものを分け、結びつけるべきものを結びつける」──そうした思想史家の視点から、いま世界で起こっていることを理解するための糸口について、ご寄稿いただきました。ぜひご一読ください。 情報の氾濫と錬金術師 パンデミックをめぐって大量の言説が出回っている。情報の大波に、まさに溺れかけている人も多いだろう。新しい現象が起きたときというのは、確実なものと不確実なものを誰も明確に分けることができない。こうした振り分けは、未来においてはじめてある程度可能なことだ。時間を飛び越えられない人間存在の限界からすると、たとえば冷静に判断し「正しくおそれる」という台詞は、現状では空疎に響く。「正しく」がどうすることか明確に分からないなか、むしろ人々の不安を煽る

    パンデミックの夜に|特別掲載・大疫病の年に|重田 園江|webちくま
  • 【特別掲載】大疫病の年に|特別掲載・大疫病の年に|マイク・デイヴィス,重田 園江|webちくま(1/2)

    2019年末、中国・武漢に発したとされる新型コロナウィルスは、第二次大戦後最悪ともいわれるペースで世界各地に感染を広げています。なぜ現代世界は新種のウィルスにかくも脆弱になってしまったのか。世界でいま何が起こっていて、これから何が私たちを待ち受けているのか。『感染爆発』などの著作があるアメリカの社会学者マイク・デイヴィスがその核心に肉薄した最重要論考を、Jacobin誌の許可を得て特別に掲載します。 コロナウィルスが世界を駆けめぐっている。われわれの治療能力は言うに及ばず、検査能力すら追いつかないスピードで。いつか出現すると危惧されてきたこの怪物ウィルスは、とうとうすぐそこ、玄関口までやってきた[i]。このようなバイオ危機に対してグローバル資主義は全く無力なので、国際的規模のきちんとした公的保健インフラを要求していかなければならない。 コロナウィルスは古い映画のようだ。1994年のリチャ

    【特別掲載】大疫病の年に|特別掲載・大疫病の年に|マイク・デイヴィス,重田 園江|webちくま(1/2)
  • 「令和」について、安倍晋三は何を語ったか|ちくま新書|大塚 英志|webちくま

    令和の時代が始まりました。 『感情天皇論』刊行によせて、平成31年4月1日に執筆された論考を、PR誌「ちくま」より転載します。 新元号が決まるまでの間、「安」の文字を含む元号を水族館のアシカが練習するという奇態なニュースが流れたほどに、安倍元年の予感なのか(待望なのか)、そういう釈然としない空気の醸成があったので、さて、「令和」という元号が報じられると、香山リカが「『思いのほかまともじゃん!』と感じられ、安堵」とついツイートした気持ちはわからなくもないが、「令和」の意図するものについて安倍の平成31年4月1日の首相談話の発表会見の「ことば」に沿って短くだが考えておく。 その発言と続く質疑のやりとりは以下の通りだ。 まず安倍は「談話」として、出典となる万葉集を引用しつつ「令和」を「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味」だと定義する。そして万葉集を「天皇」から「農民」までが広

    「令和」について、安倍晋三は何を語ったか|ちくま新書|大塚 英志|webちくま
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2019/05/03
    皇太子は、新元号の報告に、にこやかに「わかりましたとうなずいた」と報じられた。まるで彼もまたSNSのフォロワーのように、令和に「いいね」とクリックしたかのように見えてしまった。
  • 【第49回】人が死ぬこと|遠い地平、低い視点|橋本 治|webちくま

    西城秀樹が死んだ。六十三歳だった――というニュースを聞いたら、朝丘雪路が死んだ、星由里子が死んだというニュースも続いて、テレビの『徹子の部屋』は追悼番組が立て続けになった。なんでこんなに人が死ぬんだろうと思ったら、平成三十年の五月は、平成が終わる「最後の一年」に突入した時期だった。今上天皇の退位はあらかじめ決まっていて、なんとなく平成は自動的に終わるもんだと思っていたけれど、人が立て続けに死んで行くニュースに接して、改めて「あ、一つの時代が終わるんだ」と思った。 七年前、東日大震災が起こった二〇一一年にも人が死んだ。有名人が立て続けに死んだというのではなくて、年老いた親の世代が死んで行った。私の父親が死んだ。友人の父親、あるいは母親が死んだ。やたらと葬式の通知、年賀状辞退の通知が届いた。「なんか、今年葬式多くない?」と友達に言ったら、「多いよね」という答が返って来た。 意外と人は「時代の

    【第49回】人が死ぬこと|遠い地平、低い視点|橋本 治|webちくま
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2019/01/30
    “平成がスタートした時、西城秀樹は三十三歳だった。それから三十年たっても、彼はさして変わらない。彼だけではない。彼と共に「新御三家」と言われた野口五郎と郷ひろみも、六十を過ぎて老いてはいない。”
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