今回はまず手前味噌で新著の紹介をさせていただきたいと思います。 ロシアという国について、一般の読者に分かりやすく説明するような本を、というお話をPHP研究所さんからいただいたのはたしか一昨年くらいのこと。ただ、新しく本を書いている余裕はとてもないので、編集者の方に聞き書きをしてもらって「語り下ろし本」にする、ということになりました。 それから昨年秋くらいまで掛けて数回聞き書きをしてもらい、本書の完成に至りました…と言いたいところだったのですが、ここで番狂わせが二つありました。 第一に、本のゲラが出来上がったところでロシアが戦争を始めてしまい、果たしてこの本の位置付けをどうしたらいいものか頭を抱えてしまったことです。政治や軍事について書いた部分は事実ベースで修正が必要になりましたし、そうではない、ロシアの社会やロシア人についての描き方もこのままではダメだろう、という想いがありました。 第二の