1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス 国際関係、国内政治で起きているさまざまな出来事を、通説に捉われず批判的思考を持ち、人間の合理的行動や、その背景の歴史、文化、構造、慣習などさまざまな枠組を使い分析する。 バックナンバー一覧 ロシアは、ウクライナに対して事実上の「無条件降伏」と「非武装中立」を求め続けてきた。少し妥協の姿勢が見えてきたという情報もあるが、基本的には非常に強硬な態度は変わっていない。しかし、実はロシアは頭を抱えているのではないか。まったく先の見えない、「進むも地獄、引くも地獄」な状況に陥っているからだ(本連載第298回)。今回の侵攻でのロシアの当初の望