首長竜(Pliosauroidea:プリオサウルスとPlesiosauria:プレシオサウルスを含む総称)は水に棲む爬虫類で、三畳紀の終わり頃(約1億8000万年前)に出現し、ジュラ紀、白亜紀(約6600万年前まで)を通じて繁栄した種族だ。この仲間は多く、ほとんどはゾウか小型のクジラくらいの大きさになるが、15メートルにもなる種(Liopleurodon)もいた。 筆者にとっては景山民夫が直木賞をとった小説『遠い海から来たCOO』(1988年)に登場する姿がなじみ深いが、恐竜好きにとっては日本で初めて発見された首長竜フタバスズキリュウ(Futabasaurus suzukii、エラスモサウルス科、白亜紀後期)がイメージされるだろう。また、ネス湖の未確認生物「ネッシー」も首長竜のシルエットになっていて有名だ。 「ヒレの動かし方」論争 この首長竜は四肢がウミガメのようなヒレ状に変化し、そのヒレ