昭和20年代には寄生虫の保卵率は全国民の70~80%もあり、寄生虫症は結核と並んで「国民病」と言われていました。しかし、昭和50年代には、化学肥料の普及と下水道など衛生環境の整備が進んだことに加え、集団検便や集団駆虫の普及により寄生虫の感染率は1%以下に激減しました。 しかし、寄生虫は完全に無くなったという状況にはありません。現在、東京都内でもギョウ虫卵保有者は、保育園・幼稚園の園児や小学校の学童を中心に1%台の割合で発見されています。 学校保健法に基づき幼稚園及び小学校の低学年(1年生~3年生)に対し4月から6月の間に行われる定期健診に「寄生虫卵保有の有無」の検査項目が含まれていて、発見されます。 小学校等で発見される寄生虫卵のうち、ぎょう虫卵の割合が最も多くなっています。