年の初めは今までの悪習慣を断ち切り、新たなチャレンジをするのにいい機会です。 しかし、やろうやろうと思っていても、なかなか重い腰が上がらずに「先延ばし」してしまうことが多々あるはず。 先延ばしは誰もが経験していることですが、中でも特に「ADHD(注意欠如・多動症)」を持つ人はその傾向が強いことで知られています。 では、どうしてADHDの人に先延ばしが起こりやすいのでしょうか? ここではその理由や原因の説明に加え、ADHDの人でも先延ばしをなくすことのできる方法について見ていきます。
聖典の中でしか生きていなかったヘブライ語死海文書、聖書よりも新しい時代のヘブライ語で書かれている書物の一つである。 / credit:wikipediaヘブライ語は大きく分けると、太古の時代に使われていた聖書ヘブライ語と、現代のイスラエルで使われている現代ヘブライ語に分類できます。 聖書ヘブライ語は紀元前のイスラエルの地で使われており、名前の通り旧約聖書にも使われていました。 しかし紀元前4世紀から前2世紀にかけて、イスラエルの住民は主にアラム語とギリシャ語を使い始めるようになり、ヘブライ語は紀元前2世紀ごろには日常語として使われることは無くなったのです。 それでもヘブライ語は聖典の言葉としては引き続き使われており、学者や祈りの言葉として使われていました。 やがて時代が下ると、地中海地域はイスラム世界とキリスト教世界に分かれることとなりました。 そのうちヘブライ語が進化を遂げることになった
「空気に触れる前の尿は無菌だから飲んでも平気」 こんな話を聞いたことがありませんか? かつては飲尿健康法なるブームがあったり、サバイバル番組では尿を飲むことで水分不足を補ったりと、何らかの事情で尿を飲む人たちが話題になった際、そんな理屈が登場しました。 しかしこれは事実なのでしょうか? 本当に空気に触れる前の尿は綺麗なのでしょうか。 尿は血液をろ過して造られるため、健康な人の場合、体外に排泄されるまでは無菌である。この様な考え方は、実際多くの医師の間で長年信じられてきた常識でした。 しかし、米国イリノイ州ロヨラ大学医療センターの泌尿器科医、エリザベス・ミューラー博士らが2014年に発表した研究では、尿には多様な細菌が存在することが明らかとなっています。 実はこうした指摘はミューラー博士以前からも存在していたのですが、その研究は長年に渡り無視されてきたといいます。 排泄される前の尿には、どの
人間と共に生き、我々の生活を支えてくれている動物はたくさんいます。 そんな家畜化した動物の中でその歴史が一番古いのはイヌで、10000年以上前から人間と生活を共にしてきました。 そしてイヌに次いで家畜化の歴史が長いのは、意外なことにウマでもウシでもなく、ネコなのです。 しかし、ご存じの通り勝手気ままなネコは家畜化の度合いも他の動物と少し異なります。 この記事では「家畜化」というのがそもそもどういう現象なのか、家畜化で変わるものを紐解いていくと共に、ネコの特殊な家畜化事情についてご紹介します。 Cats first finagled their way into human hearts and homes thousands of years ago—here’s how https://phys.org/news/2023-08-cats-finagled-human-hearts-ho
計算では上手くいくはずなのに、実験では失敗しています。 韓国の量子エネルギー研究センター(Q-Centre)で行われた研究によって、人類史上初となる常温常圧超伝導の物質「LK-99」の作成に成功したとの報告が行われました。 研究結果が本当ならば、ロスのない送電システムをはじめ、SFのような技術が実現するでしょう。 しかし研究結果の検証が進むにつれて、シミュレーションでは超伝導性の可能性を示すものの、実際にLK‐99を作ってみた実験では超伝導性の再現が不十分という傾向が明らかになってきました。 いったいなぜ計算結果と実験結果が異なるのでしょうか? 今回はLK-99にかかわる複数の研究結果をまとめ、常温常圧超伝導の真偽に迫りたいと思います。 研究内容の詳細は2023年7月23日に『arXiv』にて、1本目と2本目の論文が公開されました。 Korean team claims to have c
布団や洗濯物を天日干しすると、暖かく心地いい香りが漂ってくるでしょう。 よく「お日様の匂い」などと表現されますが、世間ではこれが「直射日光で死んだダニの匂いだ」という噂がまことしやかに広まっています。 しかし本当に「お日様の匂い」の正体はダニの死骸なのでしょうか? 有難いことに、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)が2020年の研究で、その答えを見つけてくれています。 この研究は2020年2月25日付で科学雑誌『Environmental Chemistry』に掲載されたものです。 Why Laundry Smells Better When Hung Outside To Dry https://www.iflscience.com/why-laundry-smells-better-when-hung-outside-to-dry-6851
私たちの生活は、朝起きた瞬間から無数の「些細な決断(Trivial Decisions)」に迫られます。 今日着ていく服はどれにしようか。朝食はパンにしようか、ご飯にしようか… などなど。 しかし、何かを比較して選ぶという行為は多少のことでも私たちを疲弊させます。 実はこうした重要でないささいな決断であっても、精神的なストレスを増加させ、1日の認知機能を低下させることが分かっています。 これでは仕事の生産性が落ちたり、創造的なアイデアが浮かびにくくなったりしかねません。 それでは、次々と降りかかってくる「些細な決断」に私たちはどう対処すればよいのでしょうか? 英サウサンプトン大学(University of Southampton)の決断科学の専門家であるヤニフ・ハノッチ(Yaniv Hanoch)氏は、これまでの先行研究を踏まえ、最適なアドバイスを提示しています。
脳を意図的にデトックスできるかもしれません。 米国のボストン大学(Boston University)で行われた研究によって一定の視覚刺激から脳が解放されたとき「脳脊髄液」の量が増加して、脳の老廃物を押し流してくれる可能性が示されました。 脳脊髄液による「脳のお掃除」効果は主に睡眠中に起こると考えられていましたが、今回の発見により、脳の掃除を目覚めている状態でも意図的に起こせる可能性がでてきました。 研究者たちは脳の老廃物を意図的に洗い流す方法が確立できれば、老化やアルツハイマー病など、老廃物の蓄積に起因する脳機能の低下を、防げるようになると述べています。 しかし視覚を刺激するだけで、なぜ脳のお掃除機能がオンになるのでしょうか? 研究内容の詳細は2023年3月30日に『PLOS Biology』にて公開されました。
電気・水道・スマホの通信・サブスクなど、月々の支払いは滞納してしまえば、サービスの提供は強制的に停止することができます。 しかし車のような高額商品のローン滞納では、購入者が支払いの催促や自動車の回収を拒否する場合があり問題となっています。 そこで最近、アメリカの自動車メーカー「フォード・モーター・カンパニー」が自動運転システムの実現に合わせた画期的なシステムを考案しました。 このシムテムはなんと利用者が度重なる催促無視をすると、車が自動でメーカーのもとへ走り去ってしまうのです。 この特許は2023年2月23日、アメリカ合衆国特許商標庁(USPTO)によって認可されています。 Ford patents self-driving car that repossesses itself if the owner fails to keep up with payments – and drive
ウツボカズラは、コップ状の葉の底に溜まった消化液で虫を溶かし、栄養分を吸収する食虫植物です。 ところが、東南アジアの高地に生息するウツボカズラは、餌となる昆虫の数が少ないために動物の排泄物から養分を摂取しているというのです。 「食料がなくて動物の糞を食べているなんて可哀想に…」と思ってしまいますが、実は私たちの想像と状況はまるで違うようです。 豪カーティン大学(Curtin University)、ビクトリア州王立植物園(RBGV)の研究により、フン食のウツボカズラは普通の昆虫食のウツボカズラに比べて、栄養状態が優れていることが判明したのです。 この種は主要な栄養素である「窒素」の獲得量が通常種より2倍以上も多かったとのこと。 研究の詳細は、2022年10月28日付で科学雑誌『Annals of Botany』に掲載されています。 Study: Some Tropical Pitcher
義手の代わりに、短剣やカギ爪、サイコガンを仕込む話をご存じでしょうが、これは決して空想の中の話ではありません。 2018年にローマ・ラ・サピエンツァ大学(Sapienza University)が発表した中世イタリア人の遺骨は、まさにそれに該当していました。 墓地に埋葬されていた男性は、右腕の先の方がなく、代わりにナイフの刃が安置されていたのです。 しかし、ナイフを義手代わりに装着していたとなぜ言えるのか? また、当時の技術でどうやってナイフを装着していたのか? 以下で見ていきましょう。 本研究は、2018年に学術誌『Journal of Anthropological Sciences』に掲載されたものです。
がん消滅の秘訣は「半殺し」にありました。 アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)で行われた研究によれば、マウスの体から切り取った、がん細胞のDNAをズタズタにして(半殺しにして)、再び腫瘍に戻したところ、免疫療法の治療効果が大幅に上昇したとのこと。 新たに開発された「半殺し」法は、黒色腫と乳がんに対しても効果を発揮し、免疫療法の併用によってマウスの40%において腫瘍が完全に消滅しました。 しかし、いったいどうして一部の細胞を「半殺し」にして戻すだけで、免疫システムは腫瘍全体を攻撃し始めたのでしょうか? 研究内容の詳細は10月19日に『Science Signaling』に公開されています。 Chemotherapy-Injured Tumor Cells Boost Anticancer Effectiveness of Immune Checkpoint Inhibition ht
オレオは世界的に有名なサンド・クッキーであり、100カ国以上で購入できます。 そのまま食べるだけでなく、クッキーを2枚に分離したり、ミルクに浸して食べたりと、幅広い楽しみ方があります。 そんなオレオに対して、「クッキーとクリームをきれいに分離させたい」と感じたことがあるかもしれません。 Youtubeの科学実験チャンネル「The Action Lab」は、真空チャンバーにオレオを入れて、きれいに分離させる方法を紹介しました。 How to Perfectly Separate Each Layer of an Oreo Cookie With a Vacuum Chamber https://laughingsquid.com/how-to-separate-oreo-cookie-layers/ Perfect Oreo Separation Using a Vacuum Chamber
アイシングは筋肉の再生を「遅延」していた筋肉の損傷や断裂は、比較的軽いものから重度のものまで様々。 しかし、その程度にかかわらず、今ではアイシングが応急処置の常識となっています。 アイシングは、損傷部の炎症反応を抑える目的がありますが、実際のところ、その科学的な効果はあまり分かっていません。 また近年の研究で、損傷後につづく炎症は、正常な回復プロセスであって、筋組織の再生に重要であることが明らかになりつつあります。 そこで研究チームは、マウスを用いた筋損傷後のアイシング効果を調査しました。 負荷レベルが高い「遠心性収縮」とは / Credit: jp.depositphotos まず、モデルマウスに対し、電気刺激を使った「遠心性収縮」による重度の肉離れを起こさせ、損傷部の筋サンプルを採取します。 筋肉の収縮には、筋組織が縮む「求心性」と、引き延ばされる「遠心性」があります。 例えば、ダンベ
ネコを飼い主なら、彼らが狭い箱や隙間を好む妙な習性があるのをご存知でしょう。 ところが、さらに奇妙なことに、ネコは床に描かれただけの四角い枠でも座り込むというのです。 今回、ニューヨーク市立大学の科学的な実験により、ネコは錯覚を認識でき、二次元の四角形でも好んで居座ることが示されました。 研究は、4月30日付けで『Applied Animal Behaviour Science』に掲載されています。 Groundbreaking Cat Science Shows They Love to Sit in Illusory Boxes, Too https://www.sciencealert.com/cats-don-t-just-like-to-sit-in-real-boxes-they-ll-choose-to-sit-in-illusions-of-boxes-too If I f
ついに夢世界とのコンタクトに成功しました。 アメリカ、ドイツ、フランス、オランダの研究チームは、睡眠中の被験者とコミュニケーションを取る夢実験をそれぞれ実施。 その中で、夢に侵入することで、被験者とリアルタイムで対話することに成功したとのことです。 実験は、明晰夢(夢の中にいることを自覚し、自らの意思で行動できる夢)をコントロールできる被験者を対象としています。 研究は、2月18日付けで『Current Biology』に掲載されました。 Lucid dreamers can hear and answer questions while still asleep, scientists find https://www.livescience.com/real-time-communication-while-dreaming.html Lucid Dreamers Can Commun
犬の世界では神話のように小人と巨人が入り乱れています。 犬は地球上に生息する動物種の中で、単一種としては最も大きな外観の違いを「犬種」の形でもっていいるからです。 この奇妙な世界は人間による品種改良の結果作られました。 そこで気になるのは、犬はこの現実をどう思っているかです。 時には自分の十倍も大きく、あるいは十倍も小さく、顔の形も毛色もスタイルも異なる他の犬種を、犬たちは自分と同じ「犬」とカテゴライズして認識しているのでしょうか? それとも大型の犬はウシや馬に、小型の犬はネコに近い生き物だと勘違いしているのでしょうか。 『Animal Cognition』に掲載された論文が、その答えを教えてくれるかもしれません。
初期人類の初めての料理は、直火焼きではなく温泉を使った煮込みかもしれません。 9月15日付けで科学雑誌『PNAS』に掲載された論文によれば、170万年前の人類遺跡のすぐ近くに、熱水を噴出する温泉の形跡が発見されたとのこと。 初期人類による最初の火の使用痕跡は最古のもので150万年前とされています。つまり、もし初期人類が近所に噴出する熱水を調理に利用していた場合、最古の料理は人工的な火起こしによる「直火焼き」ではなく自然環境を利用した「煮込み」となるのです。 研究を主導したマサチューセッツ工科大学(略称: MIT)の研究者たちは、今回の発見を契機に、世界中の初期人類遺跡の近くに温泉があったかどうかを調べるプロジェクトを立ち上げるとのこと。 初期人類も現代人と同じように温泉を有効活用していたのかもしれません。
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