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ブックマーク / brevis.exblog.jp (76)

  • プロジェクトのオーナーシップとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    オーナー(Ower)とは、所有者であり、オーナーシップ(Ownership)とは所有権を意味する。ただ英語の語尾 -shipは、名詞について、それを持つ人の志や、性質や「らしさ」をも示す(例えばリーダーとリーダーシップのように)。だから、オーナーシップとは、所有者らしいふるまい、ということにもなる。 有形のもの、車とか家などのオーナーシップの意味は、誰にも明らかだ。そのものを所有して、自分の意のままにすることができる。無形のもの、例えばライセンスといったものにも、オーナーシップを考えることができる。自分がお金を払い、そこから得られる便益を自分の自由にすることができる。何であれ、それを維持する労力や費用負担し、そこから主たる価値を得るものは、それに対するオーナーシップを持つと言えるだろう。

    プロジェクトのオーナーシップとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
    moccos_info
    moccos_info 2019/02/07
    とても胃が痛くなる序盤のシナリオだ / "オーナーシップの失敗とは、価値のなくなったプロジェクトを、延々と続ける事なのだ"
  • ひとはなぜ、同じ話を繰り返すのか

    10代の頃読んだスタインベックの短編に、同じ話を孫たちに何度も繰り返すお爺さんの物語があった。西部開拓時代の生き残りであるこの老人は、駅馬車がインデアンの攻撃にあった時、どう防ぐかという持論を、たまに会う息子や孫に、繰り返しするのだった。 年寄りはなぜ、誰に何を話したかを、覚えていないのだろう? 10代の頃は、そう思った。さて、それから長い月日がたって、自分が《若い衆》に何か話す側になると、なんだか同じ話を何回もしているような気がする。 とくに、大学で授業を持つようになってからは、その印象が強くなっている。まあ、いたし方ない面もあるが、「この話、前にもしたな」と感じる。それがいやなので、講義内容は毎年少しずつバージョンアップするようにしているが、それでも部分的である。

    ひとはなぜ、同じ話を繰り返すのか
    moccos_info
    moccos_info 2019/01/11
    ”誰だって、自分が聞きたい話に対しては、伝導度が高くなり、聞きたくない情報に対しては低くなる。そして、こちらの話し方にも依存する。だからこそ、「伝え方のテクニック」というものが存在する”
  • マネジメント的な認知症を防ぐ | タイム・コンサルタントの日誌から

    何年か前、まだ肌寒い季節の夕方のことだったと記憶している。車で隣町を移動していると、ふと、助手席にいた連れ合いが、道端を指さして、「あの女の人、さっきもあのあたりを歩いていなかった?」といった。見ると、高齢の女性がぼんやりした様子で立っていたが、パジャマのような衣類の上に、薄いカーディガンを羽織っているだけで、足元はスリッパだった。 わたし達は車を止めて、その女性に声をかけてみることにした。すると、こちらが何か言う前に、女性の方から「あの、○○さんの車じゃありません?」と問いかけられた。

    マネジメント的な認知症を防ぐ | タイム・コンサルタントの日誌から
    moccos_info
    moccos_info 2018/12/14
    "技術的なことについては、論理的に考えるのに、仕事全体の認識となると、とつぜん非科学的になってしまう管理職"
  • なぜエレベーターは(そして仕事も)、一度にまとまって来るのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    デパートに買い物に行った。行きたい階は、上の方だったから(なぜ男性用のフロアはいつも上階にあるのだ)、エスカレーターだと時間がかかって面倒そうだ。エレベーターにしよう、と決めた。ところがエレベーターの所に行って待っていても、なかなか来ない。しまった、これならエスカレーターの方が早かったか、と思う。 とくにイライラしたのは、3台並んでいるエレベーターが、みな同じような階を同じ向きで動いていることだった。自分は1階にいて、6階にいきたいと思っている。ところが数台あるエレベーターは、皆なぜか、8階あたりを上に向かって進行中だ。何だこりゃ。もっとばらけて動いていたら、待たずにすむのに、と思う。

    なぜエレベーターは(そして仕事も)、一度にまとまって来るのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    moccos_info
    moccos_info 2018/12/12
    "今、あちこちの会社がやっている「JIT納品の押しつけ」" トヨタ式を連呼してた後続企業のステレオタイプ
  • どうどう巡りの議論を避けるために | タイム・コンサルタントの日誌から

    1.「どうどう巡りの議論」、その症状と原因 前回は、ビジネス上の『議論』の価値について,少し考えてみた(「議論の品質を問う」 https://brevis.exblog.jp/27375732/2018-07-04)。ところで、わたし達が仕事において行う議論は、しばしば、どうどう巡りに陥る傾向があるように思われる。これが、ビジネスにおける議論や会議を、「時間のムダだ」と感じる原因の一つなのだろう。具体的に、どんなことが起きやすいか、考えてみよう。 「やっぱり、××なんじゃないの?」−−たとえば、これがよくある症状の一つである。あるテーマが議題にあがる。「○○という課題があるが、××かもしれないな」という風にはじまる。そして皆で、さんざん議論する。そのあげく、派生して出てきたいろいろな意見は結局、全部否定され、最初の××という意見へ回帰してしまう。じゃ、あの議論は何だったんだ? と大方の人間

    どうどう巡りの議論を避けるために | タイム・コンサルタントの日誌から
  • エンジニアリングと技術とインテグレーションと | タイム・コンサルタントの日誌から

    以前、「英国史上、最も偉大な技術リーダーに学ぶべきこと」https://brevis.exblog.jp/24622591/(2016-08-28)と題する記事で、イザムバード・ブルーネルのこと書いた。19世紀前半のイギリスで活躍した、傑出した技術者だ。たまたまロンドンに来る用事があったので、ブルーネルが作ったパディントン駅を見た。とても美しく、かつ機能的な、優れた建物である。改良の手は入れているだろうが、建築物としての骨格は、おそらく最初のままだと思われる。実物を見て、あらためてブルーネルという人の天才的なセンスを感じた。 そのパディントン駅から多少歩いた公園・ハイドパークの南側に、「アルバート記念碑」が立っている。大英帝国の最盛期を作ったビクトリア女王が、亡き夫君のアルバート公を記念して建造を命じた、巨大なモニュメントだ。こちらはネオ・バロック様式で、すごく美的だと思うかどうかは、見る

    エンジニアリングと技術とインテグレーションと | タイム・コンサルタントの日誌から
    moccos_info
    moccos_info 2018/07/09
    "強引に縮めて表現するなら、「科学の発見・発明を、具体的な形に構築し実現する仕事」" エンジニアリング
  • わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    旅先ではいつも、その土地のものをべるのが習慣だ。だが、ときおり、外国で日料理屋に入ることもある。そして、たまに面らうような体験もする。いつだったか、アメリカの日料理屋で事を頼んだら、まっさきに味噌汁だけが出てきた。ふつうの街にある店で、来客はアメリカ人が多い。どうやら彼らの概念では、味噌汁はスープだから(Miso soupとよばれる)、真っ先に出すのが当然だということらしい。味噌汁を飲み終えたら、メインのおかずとご飯が出てきて、妙な気分だった。 汁物をsoupと訳するのは、もちろん正しい訳だ。だが日語で言う汁物と、英語スープは微妙に違う。たとえば英語では、スープべる(eat)という。日人で、「味噌汁をべる」という人は滅多にいるまい。ふつうは飲む、を使う。そして、当たり前だが、ご飯と一緒にいただくものだ。

    わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/12/18
    "翻訳は近似でしかない"
  • プロジェクト計画のロジックとは何か 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回の記事「ダイレクト・ガントチャート方式の問題点」http://brevis.exblog.jp/26231556/ で、世間ではそもそも「WBS」とか「Activity」という概念のレベルで、誤解や混乱があると書いた。 たとえば、WBS=「ガントチャートの線表に引いた線の集合」だ、と理解している人達を、よく見かける。ためしにネットで、「WBS スケジュール」の2キーワードで検索をかけてみると、よくわかる。上位の検索結果に、こういう説明が出てきたりする:

    プロジェクト計画のロジックとは何か 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (2) | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/12/18
    “本格的なやり方を知った上で、小さな場合には適時省略する、のは構わない。だが、本式のやり方を知らないのでは危うい” 全体像を知った上での簡略化、あちこちで出てくる話だ…
  • ダイレクト・ガントチャート方式の問題点 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (1) | タイム・コンサルタントの日誌から

    このほど、自分で「マイ・ベスト・セレクション」なるを編んでみた。過去17年間に書いてサイトに公開した数百の記事の中から、自分が気に入っているベスト12を選んで、ePub形式の電子書籍をつくってみたのだ。まあ書籍といっても、素人のつくった手製(手編み?)ので、いってみればβバージョンではある。ベスト・セレクションの中には、アクセス数の多かった記事も入れたが、目立たないけど愛着のある記事も選んだ。多少は文章に手を入れたつつも、なるべく発表当時のスタイルを残している。 ところで、わたしのサイトには、アクセス数で言うとダントツ1位の記事がある。「Excelで工程表を書いてはいけない」(http://brevis.exblog.jp/9052344/)という、2008年11月24日の記事だ。もう9年前の記事だが、いまだに毎週のBlog記事ランキングのトップに位置し続けている。 そして、実を言うと

    ダイレクト・ガントチャート方式の問題点 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (1) | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/12/04
    やはり描画ツールとしては使うのか…そうだよなあ
  • 能力評価のレベル0からレベル2まで 〜 組織を作る概念のシステムとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    生まれて初めて乗った飛行機は、アエロフロートだった。大学院の修士課程をでる前の3月、わたしは一人で卒業旅行にでかけた。まだ旧ソ連の時代だ。旅行の行き先はドイツスペイン、そして英国。モスクワ経由でフランクフルトに向かい、ドイツ中部の家々の屋根の色を見下ろしたときの印象は、今でも鮮明だ。ドイツでは父の元・部下で、当時フランクフルト近郊の現地法人で働いていたNさんに、いろいろとお世話になった。スペインでは、マドリードにあった父の会社の取引先の方が一緒に夜、事をしてくださった。今考えると、いくら取引先のキーマンの息子だとは言っても、取るに足りぬ生意気な若造のお相手をしてくれた訳だ。まことに頭が下がる。 行く先々で聞かれた質問が一つあった。「なぜ、お父さんの会社に行かないのですか?」という質問だ。ドイツでもスペインでも現地の人に聞かれた。わたしにはむしろ、「へえー、ヨーロッパ人って、そういう考え

    能力評価のレベル0からレベル2まで 〜 組織を作る概念のシステムとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
    moccos_info
    moccos_info 2017/10/12
    “日本の教育制度(と称しているもの)は、じつは選抜のシステムである”
  • マネジメントのレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から

    九州・佐賀県の唐津市。玄界灘に面した市のはずれに、名護屋という場所がある。Google Mapの航空写真で見ると、緑の多い、人家の少ないのどかな土地だ。かつてここに、一里四方の広さを持ち、10万人以上が居住する一大都市が、ごく短期間だが存在していたことを知る人は少ない。 その都市をつくるよう命じたのは、太閤秀吉である。彼が晩年、大陸支配をねらった戦争(後に文禄の役とよばれることになる)をはじめるにあたり、出陣の基地としてこの名護屋港を選んだのだ。彼は全国の諸侯・武将に、この辺鄙な港へ集結し、各人の負担をもって、都の聚楽第に遜色がないほど豪壮な城と館を築くよう言い渡した。そして数万の人力を投入し、半年ほどの短期間のうちに完成させた。 全国の大名武将たちは、たとえ些細な手落ちでも関白に訴えられ、無能者として俸禄を没収されかねないので、「自ら家臣を率いて森や遠方の山に出かけ、材木を切ったり、城壁

    マネジメントのレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/09/26
    “リーダーの行動の予見可能性と、決断の一貫性は、ついて行く人間にとって死活的に重要”
  • 物語の力と、その危険性 | タイム・コンサルタントの日誌から

    職人のヨナが目を上げると、見知らぬ旅人が立っていた。旅人の服は奇妙なことに、上から下まで縫い目が一つもない。ヨナがこの道だと答えると、旅人は謝礼を手渡し、消えるように去る。見ると銀貨十枚だった。思いがけぬ臨時収入を得たヨナは、仕事を切り上げ、滅多にいけぬ上等な酒場に行くが、汚れた仕事着のままの彼は、すぐ店を叩き出されてしまう。 ヨナは仕方なく古着屋に入り、仕事着の代わりを探す。すると古着屋が出してきたのは、たった今旅人から買ったという、縫い目のない衣だった。ただならぬ予感を感じながらその衣をまとい、酒場で泥酔したあと道にへたりこむヨナに、真っ暗な闇の中で神の声が幻聴のように聞こえてくる。

    物語の力と、その危険性 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/08/01
    “スポーツ紙は(はっきりいって)報道よりも、ファンに対する読み物、物語の提供を重んじる”日本、スポーツ紙とそれに対応するTV局しかないw / 勧善懲悪により実質俺善懲悪が大量生産されるもこのへんかなあ
  • 職人の国の生産性を上げる、最良の方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    3月に新潟に行った際、宝山酒造(http://takarayama-sake.co.jp)という会社を訪問した。規模としては零細に近い造り酒屋だ。一応、工場見学、というか、仕込みと醸造の場所を見学させてもらった。平屋の木造で、いかにもゆかしい「酒蔵」である。それから、こうした見学のつねとして、畳敷きの小上がりの部屋に案内され、いくつか試飲させていただく。わたしはお酒に弱いたちで、日酒の目利きなどでは全然ないが、それでもなかなか美味しいと感じた。 試飲させてもらいながら、酒造の来歴の説明をうかがう。どこから杜氏を呼び、どんな努力の結果、満足のいくお酒ができるようになったか。また同じ酒蔵の製品でも、高級な純米大吟醸から普及版の醸造酒まで、どんな特色と違いを出しているか。小さな会社でも企業努力の種類は大手と共通している。たしかに大吟醸の虹色めいた香りの広がりから、醸造酒の新潟らしいきりっとした

    職人の国の生産性を上げる、最良の方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/07/25
    “だが、有能な商売人が足りない。これがわたし達の社会の病である。足で稼ぐセールスマンは多くても、知恵のある有能な商売人が不足なのだ”
  • ビジネス・マネージャーとは何をする人か | タイム・コンサルタントの日誌から

    数年前、製造業に働く方から相談を受けた。その企業では、西南アジアの某国でプロジェクトをはじめるという。プロマネ以下、何人かのチームでその国に乗り込み、現地企業と共同で新しい製品の製造ラインを作る仕事だ。そこで、何かアドバイスがあれば頂戴したいという話だった。 もちろん、わたしはその会社の製品について何も知らないから、技術的アドバイスなどしようもない。できるのはマネジメント的なアドバイス、つまりプロジェクト・マネジメント面での助言ということだろう。そこで、チーム編成やプロジェクト期間などについて少したずねた後で、わたしは申し上げた。

    ビジネス・マネージャーとは何をする人か | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/07/12
    “スーパーマンがいなくても仕事がある程度成り立つためには、仕事の仕組み(システム化)が必要なのだ”
  • 欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    知り合いの人が最近、車を買った。人もうらやむドイツの有名な高級車である。ディーラーで購入を決め、さてオプションを選ぶ段になって、驚いたという。種々の選択肢から自由に選べないのだ。いくつかのオプション群がお仕着せのセットになっていて、そのどれかを買うしかない。高い値段を払ったのに、顧客の自由な選択権がないのだ。 「ドイツの提唱するIndustry 4.0の目標の一つが『マス・カスタマイゼーション』となっていますけど、当然だと思いました。」とその人は語った。「だって全然、お客の個別の注文に応じられる状態になってないんですから。日の製造業の方がはるかに先を進んでいますよ。」 マス・カスタマイゼーションとは、大量に生産しつつも、個別の要望に応じたカスタマイゼーションができる生産形態のことを指す。日ではどの自動車メーカーでも、色や内装や電装品まで多数あるオプションを、個別に自由に選べて、それでき

    欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(2) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(1) | タイム・コンサルタントの日誌から

    「フィンランドの大学では、受講している科目は何度でも試験を受け直せる、ってホントですか?」−−先月、ヘルシンキで会ったA先生に、わたしはたずねてみた。答えは、”yes”だった。毎月、試験日がある。事前に登録しておけば、会場で、複数の科目の試験を受けられる。そうして、自分が納得いく成績を取れるまで、何度でも繰り返しチャレンジすることができるのだそうだ。ただし教授の側は毎月、試験問題を出す訳だから、大変だろう。それでも、納得できるまで学べる。随分と教育を重視した制度だ。 そもそもフィンランドの大学は、4年で卒業する制度ではないらしい(年限は一応10年以内とか)。学費は交通費も文房具代まで含めて、無料である(小学校から大学まで)。だったら皆が大学に殺到するかというと、そうでもないようだ。卒業はそれなりに難しい。また、大学以外にポリテクニックなど職業訓練校の存在もある。フィンランドの教育制度は近年

    欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(1) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なぜなぜ分析」は、品質管理や労働安全管理などの分野で、よく用いられる手法だ。発生した問題事象の根原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく。この問いかけを“5回はくりかえせ”と、よく指導しているため、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになった。 図は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の著書から一例をとって、図示したものだ。工場内のある生産機械が故障してとまったとき、「なぜ機械は止まったか?」の問いに、「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」と答えただけでは、じゃあヒューズを交換して再起動すればいい、という答えしか出てこない。 しかし、なぜオーバーロードがかかったのか?→ (2)軸受部の潤滑が十分でないからだ、とほりさげ、 さらに (3)潤滑ポンプが十分組

    なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/06/12
    “「人間はミスをおかす存在である」「品質は個人レベルの努力ではなくシステムで担保する」という前提がない組織で、ナイフを振り回したって、弱い個人が傷つくだけ”
  • 研究開発戦略へのシステムズ・アプローチと、モノづくり大国の貧困 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日は、ものづくり大国だ」という言い方を、よく耳にする。モノづくり大国とはどういう意味なのか、わたしは正確な定義を知らない。GDPの中で製造業の占める割合が、すでに1割台に落ちている国に、ほんとに適切な形容なのかとも思う。だが、あまり正確に定義できる概念ではないのかもしれない。モノづくりが盛んで秀でているなら、「日技術大国だ」という言い方だって、同じくらいしても良さそうだ。しかし、なぜかそちらはあまり聞かない。そういう実感があまりないのだろうか? むろん日技術者のレベルは高い。そのことは、いろいろな国で仕事をしてきたエンジニアリング会社の人間として、証言できる。それでも「技術大国」という気がしないのは、なぜだろうか。技術大国という言葉でふさわしいのは、現在、どこの国だろうか。技術大国という以上は、少なくとも、技術者の待遇がよく社会的にも尊敬されていることが、必要条件だろうが。 1

    研究開発戦略へのシステムズ・アプローチと、モノづくり大国の貧困 | タイム・コンサルタントの日誌から
    moccos_info
    moccos_info 2017/05/26
    “高効率の太陽電池用の素子の開発は、大切だ。だが、それが電力網全体に重大な役割をはたすには、蓄電・変電・送電などの補助的要素の開発が必要になる。単発的な要素技術だけでは、世の中へのインパクトは小さい”
  • 中堅エンジニアのための経営戦略入門(2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    製品やサービスの開発という視点からビジネスを考えるときには、4つの大きな要素があります。市場、競争、組織体制、技術の4つです。この4つは、企業の持つ能力の4つの面を表している、とも言えますね。つまり、販売能力、競争力、供給能力、技術開発力の4つです。 製品やサービスを開発するときには、これら4つの要素を独立にバラバラに検討するのではなく、合わせ技として、スパイラルを形成するような仕組みを考えることがポイントです。 ところでこの4つの要素は、最初の2つが企業にとっての外部環境を表し、残る2つが内部環境を表すと言い換えることもできます。ここで似たようなものとして想起されるのが、SWOT分析でしょう。よく経営コンサルタントは、最初に訪問したクライアントに対し、SWOT分析という道具立てを導入に使います。SWOTとは、strength, weakness, opportunities, threa

    中堅エンジニアのための経営戦略入門(2) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 中堅エンジニアのための経営戦略入門 | タイム・コンサルタントの日誌から

    Kさん、お久しぶりです。ご無沙汰しておりましたが、何年ぶりかで社に戻られたとのこと。お元気そうで何よりです。 普通の人なら「社にご栄転」おめでとうございます、という言葉遣いをするところでしょうが、それでは工場より社の方が「上」である、という意味になりますね。わたしは社も工場も企業組織の一部であって、それぞれ役割が違うだけだと考えているので、あえてそうは申し上げません。それに、社への異動が栄転なら、以前Kさんが工場に移動されたのは左遷だったということになってしまい、ますます不適当ではありませんか。 まあそんな事はともあれ、社の製品企画部門に移られて、あらためて「製品戦略とはいったい何か? 何をどう考えるべきか?」という、真ん中直球の問いが頭の中に生まれた、というあたりが、とてもKさんらしいと感じました。たしかにおっしゃる通り、戦略立案が社の重要な機能であることは多くの人が感じて

    中堅エンジニアのための経営戦略入門 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    moccos_info 2017/05/08
    "(1) コストリーダーシップ戦略 (2) 差別化戦略 (3) 集中戦略" "同時に全部を取ることはできません。どれかを選ぶ必要があるのです。「戦略とは、意志を持って何かを捨てることである」"