北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の元事務局長、蓮池透さんの講演が11日、横浜市内で開かれた。「拉致問題と日朝交渉」と題し、市民団体「日朝国交正常化をすすめる県民の会」(伊藤成彦共同代表)が招いた。 蓮池さんは「横田めぐみさんの父滋さんが最近インタビューで『経済制裁よりも対話を』と答えている」と指摘。民主党政権が対話再開の糸口を見いだせない現状に「東日本大震災で北朝鮮から義援金が届いた際のお礼外交や、金正日(キムジョンイル)総書記の死去で弔問外交がなぜできないのか。残念だ」とした。 北朝鮮が拉致を認め、国交正常化交渉の再開を約束した日朝平壌宣言から今年9月で10年を迎える。膠着(こうちゃく)状況の打開には「やみくもな制裁は相手を硬化させるだけ。過去の清算の仕方を具体的に提示するなどして、信頼関係を取り戻すこと」と強調。「長い歴史を振り返り、両国が犯した罪を共に反省し合い、互いに譲歩すべき