鹿児島大(鹿児島市)は21日、大学院理工学研究科の60代男性教授が、研究室の助手学生に支払われた給与の3割以上に当たる約163万円を回収し、研究室費に流用していたと発表した。大学はアカデミックハラスメントとして停職2カ月の懲戒処分にする方針。 鹿児島大の島秀典理事は「教授と学生の力関係を利用した重大なアカハラ。全国で研究費の流用があってから、再三の注意喚起をしていたにもかかわらず遺憾」とした。 大学によると、教授は2005年度からの6年間、研究室で教育や研究の補助をしていた学生計10人に大学が支払った給与から回収。これをプールし、研究室の学生が学会に行く際の旅費などに充てていた。 メールや口頭で学生に要求し、抵抗した場合にはしつこく催促。学生の親族が大学に通報して発覚した。教授は事実関係を認め「大変ご迷惑をかけた」と話し、大学に全額弁済したという。