(中)編 3 自衛隊と個別的自衛権行使の容認は9条2項と整合しない「解釈改憲」に支えられてきた、という問題 4 従来の政府見解に依拠した反対派の主張は「ご都合主義的」ではないのか、という問題 5 従来の政府解釈の妥当性が長年、批判を受けてきた、という問題「憲法上許されるのは個別的自衛権の行使だけで、集団的自衛権の行使は一切認められない」とする政府の憲法解釈は、安倍内閣が昨年7月1日に変更するまで、歴代政府に継承されてきた(以下「旧解釈」という)。この安保法案の国会審議中、反対派メディアには憲法学者だけでなく元内閣法制局長官も次々と登場し、この解釈変更がいかに不当かを語ってきた。他方で、この内閣法制局が編み出した旧解釈が冷戦終結後四半世紀にわたり、有力な保守系政治家や学者などから批判されてきたという事実は、ほとんど指摘されなかった。 1991年、湾岸戦争からまもなく、海部政権下で自民党の小沢