9月20日、東京地方裁判所立川支部で、談合罪事件に対する無罪判決が下された(「青梅市談合、元建設業協会長に無罪判決 東京地裁立川支部」毎日新聞2019年9月20日)。 公共調達法制の研究者である筆者は、この事件で専門的見地からの意見書を裁判所に提出し、裁判所の決定により証人として公判廷で証言をした。 意見書作成に当たって、弁護人から事案の概要を聞いた時点で率直に思ったのは「そもそも何で談合罪として事件にしたのか」ということだった。 そもそも業者が「談合」したというが、同会長は指名業者の一部にしか連絡しておらず、それ以外の業者の出方が全くわからない状況にあった。この程度の行為で刑法犯たる「談合」になるのが不思議で仕方がない。 同会長が指名業者数社に連絡したことは事実のようだ。しかし、それは、入札参加者間の受注希望を調整するためではなかった。条件の悪い、割に合わない案件を、入札不調で発注者の青
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