ルビ(ふりがな・よみがな)の付いた文章を、子どもたちと日本語の初学者に贈りたい。日本語の漢字は、読むのが難しいという事実を再確認したい。 おはようございます。初めてお目にかかります。わたくし、黄君(おうくん)と申します。 (畠中恵(はたけなか・めぐみ)『つくもがみ貸します』角川書店2007年155頁) ※「黄君」にルビが付いていた。うれしい。これなら、「コウクン」? 「きぎみ」? と首をひねらなくてもよい。読者に対して親切というものです。若い読者層を想定している作品なのでしょう。 題名の「つくもがみ」をかな表記しています。「付喪神」と漢字表記していません。「フソウシン」と音読みし、「つくもがみ」と訓読みするのでしょう。 手もとの辞書では、「つくもがみ」を引くと、「九十九髪」は載っていました。「付喪神」は、載っていません。 付喪神が描かれた『百鬼夜行絵巻』は、中央公論社刊の日本絵巻大成25『