フランスで、わたしの作品をつかったペンダントトップがつくられていた。まったく知らなかったもので、著作権についてはまだ交渉中の部分もあるのだけれど、もののできはとてもよい。大きさは2.5cm程度である。背景が黄色いので写真ではわかりにくいが、トリケラトプスが金で、ほかは銀である。 それにしても、「ティーバッグのトナカイ」は妙に人気があるなあ。某氏曰く、「前川氏の裏の代表作」だそうである。
フランスで、わたしの作品をつかったペンダントトップがつくられていた。まったく知らなかったもので、著作権についてはまだ交渉中の部分もあるのだけれど、もののできはとてもよい。大きさは2.5cm程度である。背景が黄色いので写真ではわかりにくいが、トリケラトプスが金で、ほかは銀である。 それにしても、「ティーバッグのトナカイ」は妙に人気があるなあ。某氏曰く、「前川氏の裏の代表作」だそうである。
『解読! アルキメデス写本』(ウィリアム・ノエル/リヴェル・ネッツ著、吉田晋治著)という傑作ノンフィクションで、「ストマキオン」なるものを知った。 ストマキオンというのは、古代ギリシアの、いくつかに分割された正方形からさまざまな図形をつくる遊びである。そもそもは「腹痛」の意味で、それほど難しいということだそうだ。 このストマキオンが、数学史を塗り替える発見につながる可能性も持っているらしい。最新の画像技術で解析されたアルキメデスの写本の解読により、ストマキオンに関するアルキメデスの主題が、正方形に並べる解の個数らしいことがわかってきたのだ。古代には、組み合わせ論はほとんどなかったとされてきたので、これは大きな発見なのである。数学遊戯を楽しむ素人考えでは、この種のパズルにおいて「数え上げ」は当然のことなので、天才アルキメデスの関心がそこに向かうのは必然とも思われるが、アルキメデスのストマキオ
先日の研究集会の折り、「マラルディの角度」の関連で、お茶の水女子大学名誉教授の細矢治夫さんから、面白い話を聞いた。それが別のものに結びついた(?)、という話である。 マラルディの角度というのは、度で言えば、約109.47度、正四面体の中心と頂点を結んだ線分のなす角度のことである。17-18世紀のマラルディという数学者が、ミツバチの巣や菱形十二面体などに現れる角度として示したものだ。わたしも、最近の立方体折り紙作品で使いまくっている。 細矢先生の話は以下のようなものだ。 二次元の図形・正三角形では、各辺の中心(各頂点でも同じ)から三角形の中心に集まる線分の角度は、120度になる。これは、cosθ=-1/2となるθである。三次元の図形・正四面体では、各面の中心(各頂点でも同じ)からの四面体の中心への線分がなす角度はマラルディの角度になる。cosθ=-1/3となるθである。そして、四次元の正五胞
まったく違う文章を書いていて、『本格折り紙』の誤植に気がついた。 69ページ「立ち姿の鶴」 誤:角度を規格化することは、作品を明解にする近道のひとつです。 正:角度を規格化することは、作品を明快にする近道のひとつです。 85ページ「馬」 誤:明解な構成ですが、基準のA点を見つけるのには、ちょっとした工夫が必要です。 正:明快な構成ですが、基準のA点を見つけるのには、ちょっとした工夫が必要です。 わたしの頭にあったのはクリアという意味だが、いままで意識の上にあがらなかった間違いだった。ワープロが明快と変換していれば、それはそれで、そのままだったようにも思う。洒落の「洒」の字を、ずっと「酒(サケ)」という字だと思っていて、そうでないことを知ったときに愕然としたことなども思い出した。 さて。 「明快」は「さっぱりして心持ちのよいこと。筋道が明らかですっきりしていること」(広辞苑 第五版)で、「明
以前から思っていたのだが、リプトン紅茶の「ピラミッド型ティーバッグ」は、ピラミッド型(四角錐)ではなく正四面体である。とは言っても、角錐全般や三角形のこともピラミッドと称されることがあるので、目くじらをたてるほどではない。連結した球をお月見の団子のような(20個だけれど)正四面体状に積み上げるパズルや、台形2面・三角形2面・正方形1面からなる五面体ふたつから正四面体をつくるパズルも「ピラミッドパズル」という商品名である。 ひとは立体図形そのものをイメージすることはなく、それを平面図形で代用する場合がほとんどなのだろう、ピラミッドは、四角錐というより三角形のイメージなのである。ピラミッドと言えば、金字塔という言葉が本来は「金の字に似た塔」でピラミッドを意味することを知ったときは、なるほどであった。 四面体として最も身近な品物は牛乳のテトラパックだったが、これは最近あまりみかけなくなった。そし
このブログ、突然、建築散歩になっている。 「かたち好事家」として惹かれる建築をつくっている建築家に、伊東豊雄さんがいる。写真は、TOD'S表参道という商業ビルで、冬枯れの樹と壁面の意匠の対比が、なかなかよい風に撮れた。(2008.1撮影)まあ、カメラアングルを選ばないと、かっこいい建築も電信柱と電線に埋もれた景色になるのがトーキョーという街なので、ある種、美化した画(え)だけれど。 『けんちく世界をめぐる10の冒険』(伊東豊雄建築塾)という本も面白い。表紙のアイコンが内容を説明している装丁も見事。版型が正方形というのも、折紙者的にはうらやましい。
箏曲家・葛原勾当(1812-1882)の折った折り紙作品が発見され、いま、岡村昌夫さんが調べている、とのことだ。 葛原勾当に関しては、まったく知らなかったのだが、太宰治が『盲人独笑』でとりあげており、実に興味深いひとである。点字が一般化する以前、様々な盲人用の文字を考案したひとでもあり、その中には、紙の端を折ることで文字を表す「折紙文字」なるものもあるという。(折紙文字が葛原勾当の考案なのかは、詳細不明でした。4/4)(参考:国立民族学博物館企画展『さわる文字、さわる世界』) 蛇足ながら、勾当(こうとう)というのは、検校、別当、座頭といった、盲人の官名のひとつで、名前ではない。 葛原勾当日記を、私に知らせてくれた人は、劇作家伊馬鵜平君である。(略)折紙細工に長じ、炬燵の中にて、弟子たちの習う琴の音を聴き正しつつ、鼠、雉、蟹、法師、海老など、むずかしき形をこっそり紙折って作り、それがまた不思
北村薫さんの、文芸に関する謎を解くシリーズの新刊『中野のお父さんと五つの謎』の中の一編に、笠原邦彦さんの『おりがみ新世界』や、『千羽鶴折形』の解説本がでてきて、意想外な登場ながらもうなずきながら読んだのだが、落ち着いて考えると、北村さんが折り紙まで守備範囲にしているのが、まずは驚きである。 なお、作中、『千羽鶴折形』に関して秋里籬島の名が出てこないのは、作中で取り上げられる本が、すばる書房『おりがみ2 千羽鶴折形 江戸の古典 魯縞庵・作』(笠原、1976)で、これは主に折りかたの解説の本だからである。わたしもこれで『千羽鶴折形』全49種を折った。なつかしい本だ。同書の狂歌など含めての解説は、岡村昌夫さんの『つなぎ折鶴の世界―連鶴の古典『秘伝千羽鶴折形』』が詳しい。 小津夜景さんのエッセイ『ロゴスと巻貝』が面白かったので、小津さんの『いつかたこぶねになる日』も読んだところ(文庫にもなっていた
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