ReMember(1) (モーニングKC) ■ 【オススメ】 主人公は記憶も何もないまま、戦後まもない日本の焼け跡に 立っていた。 ふと気づいた主人公がいたのは焼け跡の中。 戦後まもない昭和20年9月の新橋。 状況を把握できていない彼に、ひとりの破落戸が 襲いかかる−すると彼の身体は自然に反応した。 自身も驚く動き。相手も感心し、心を通いあわせる。 その相手が、出入りのなかで、明治の侠客に逆襲され、 拉致されたことを知り、主人公は友人として立ち上がる。 坎為水、難の連続という最凶の運勢を背負った主人公の物語。 いまのところ物語としては 戦後の混乱の中でヤクザの縄張り争いを描く話なのだが、 主人公はその物語のフレームから外れたところにおり、 その分、作品としての広がりは物語の枠を乗り越えた大きなものを 感じさせる。 この、よくわからないが大風呂敷で魅力を感じさせる、 という作風は著者ならでは