震災対応ワーキンググループ 観測サブワーキンググループ モニタリング提言案(Wordファイル) はじめに 2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震と津波により福島第一原子力発電所(以下、原発と略記)の冷却機能が停止し、炉心溶融、水素爆発、格納容器の損傷などを引き起こし、ヨウ素-131、セシウム-137などの放射性物質が大気および海洋に放出された。現在、その放出は収まりつつあるが、海洋においてはこれまで非常に高い放射線量が観測されている。東京電力の公表データによれば、海洋への高濃度汚染水の放出は現在までに3回読み取れ(3月25-26日、3月29日-4月1日、4月3-5日)、福島第一原発南放水口付近での測定最高値は180 Bq/mlに達している(図1)。また、南放水口付近でのヨウ素-131/セシウム-137比は低下しつつあるが、半減期から予想されるよりは低下が遅く、4月末においても若干