めしばな刑事タチバナ 1 (トクマコミックス) ■ これは凄い！ファーストフードうんちくマンガ。 刑事が主人公。彼は食の知識を職に活かして活躍を−しない。 ファストフード系の薀蓄が続々出てくるマンガ。身近な店について 主人公達がやりとりする会話は、どこぞの美食マンガよりも 読んでいて白熱してくる。それをグルメマンガとしてやらなかったのは アイディア。だがおかげで何だか意味のわからない作品に仕上がっている。 これはカルトだ。 牛丼、袋入りラーメン、立ち食いそば。 吉野家、すき家、松屋（の石神井→三鷹）、牛友チェーン、げんき（ ←かめちゃぼ）、アッシュ・ドゥ、牛丼太郎、どん亭。サッポロ一番、チャルメラ、昔ながらの中華そば、出前一丁、チキンラーメン、カムジャ麺、辛ラーメン、チャパゲッティ。梅もと、小諸そば、ゆで太郎、吉そば、かめや、笠置そば。等々が次から次へと画面を賑わす本格的Ｂ級Ｃ級グルメマン

ReMember（1） (モーニングKC) ■ 【オススメ】 主人公は記憶も何もないまま、戦後まもない日本の焼け跡に 立っていた。 ふと気づいた主人公がいたのは焼け跡の中。 戦後まもない昭和20年9月の新橋。 状況を把握できていない彼に、ひとりの破落戸が 襲いかかる−すると彼の身体は自然に反応した。 自身も驚く動き。相手も感心し、心を通いあわせる。 その相手が、出入りのなかで、明治の侠客に逆襲され、 拉致されたことを知り、主人公は友人として立ち上がる。 坎為水、難の連続という最凶の運勢を背負った主人公の物語。 いまのところ物語としては 戦後の混乱の中でヤクザの縄張り争いを描く話なのだが、 主人公はその物語のフレームから外れたところにおり、 その分、作品としての広がりは物語の枠を乗り越えた大きなものを 感じさせる。 この、よくわからないが大風呂敷で魅力を感じさせる、 という作風は著者ならでは

帝一の國 1 (ジャンプコミックス) ■ 【オススメ】 熱いスポコン漫画の異種、もしくは権力抗争のパロディ。 海軍兵訓練学校を母体とした由緒ある中高一貫の進学校、 ここに通う主人公は、生徒会長を目指して邁進する。 学校の生徒会長という座を賭けた権力抗争を描く物語。 コメディとしてではなく、真剣なものとして題材を扱っているところが ユニーク。 権力抗争を高校生というところまで落として描くところがブラックだが、 現実の政治や企業のそれが小学校の学級会並であることを考えれば パロディでもなんでもないのかもしれない。そうした意図よりも、 スポ根ものや、ロールプレイング系、あるいはトーナメントものなどの 一種として楽しむべきか。 端正な絵柄であり自ら吹出すことをしていない 作品であることも好み。 寄付金の多寡が学級長を決める、というどうしようもない裏事情、 そこに反旗を翻す教師とトリックスターとなる

エコー／ゼオン　（１）　 　 (角川コミックス・エース) ■ 【オススメ】 騒動をネタに小金を稼ぐ少女、 その友人で殆ど言葉を発しない少女、 それらの友人で図体のでかい少年。 この３人が常に一緒に行動するにはワケがある。 学校で起こった事件にクビをつっこみ、 カネをもらって真相を探り解決しようとする少女。 一緒にいるのは仲良しの少女だが彼女は口を殆どきかない。 一方に惚れ、一方には幼なじみの腐れ縁、ボディガードも兼ねている 巨漢の少年。この３人は常に行動を共にしている。 そのなかで最も特殊な能力を持っているのは、 普段しゃべらない少女だった。 声マネ、というか音を操る能力を持つ少女を中心とした物語。 それだけでユニークだが、話は校内から始まりつつ、 その少女以外の二人の素性、特にもう一方の少女に話を移し、 さらになぜ彼らが一緒に行動をしているのか、に遡る。 設定と物語の双方をきちんと用意し

地獄のアリス 1 (愛蔵版コミックス) ■ 【オススメ】 荒廃した街にひとり＋αで生きる少年。 キャラバンは砂漠で悪党に襲われる。 ひとり残った女性に男どもが群がるとき、遠くから現れたのは 少女−の姿をした人造人間。戦闘用ではない、 と油断した男たちだったが、次々と射撃されていく。 セルロイドの少女を使って遠くから距離を測りスナイプしていたのは少年。 彼は廃墟の街でひとり、いや、その人造人間と二人で住んでいた。 助けられたキャラバンの女性はコミューンへ誘うが、 少年は流れ者だからと言って断る。が、彼の生業だった悪党退治は、 砂漠に彼らが出現しなくなり、食うにも困ってしまう。そこに 再び、件のキャラバンの女性が現れた。 荒廃した社会の中、ひとりで暮らす少年の物語− と思いきや、コミューンに参加することになる。 少年は狙撃の腕は良いが、距離がないとダメで、接近戦には弱い。 加えて、同伴している

生きろ！ モリタ (F COMICS) ■ 【オススメ】 主人公に舞い降りた天使。 そんなＳＭ物語。傑作。 自分は一人だと思っていた男性。26歳。定職なしのフリーター。 趣味はドＭ。拘束好き、支配されたいタイプ。彼女いない歴＝年齢。 彼が女性のＳを探すメッセージを投稿すると、そこに返信があった。 だが、待ち合わせに現れたのは16歳の女子高生だった。 カツアゲにでもあうのか、笑われるのか、遊びなのか−しかし 彼女は結構本気で、しかもツボをついたサディスティックかげん。 Ｓに振舞う彼女はイキイキとし、そんな彼女に主人公は興奮してくる。 これは恋、なのかもしれない。 しかし彼女は16歳、ラブホテルにまで入るがどうやら処女、 でも彼氏はいるらしい。 後ろ向きな主人公の手綱を自由に曳き回す自然体なヒロイン、 それに引きづられるのが嬉しい主人公、という 変態カップル物語。変態は変態なのだが、 ヒロイン

2010年の総レビュー数は800冊弱（780〜790程度）。その中から、当ブログがオススメする一巻本をご紹介。 1. 新川直司／さよならフットボール ：完結している作品は仕上がりも評価されて不利なこともあるのだが、この作品は一巻の時の期待通りに出来上がった。少女が少年とスポーツで伍していけるギリギリの時期を描く青春マンガ。この手の作品は一巻完結や上下巻ものでは多いのだが、ここまで小気味よい切り取り方で輝きをもった作品はそうはない。 2. 白井弓子／WOMBS ：異種を宿すことで能力が生まれる、という設定で、妊婦を軍事力に使うＳＦ。物語と世界を共に構築する、アイディアのあるＳＦらしいＳＦであり、そのレベルの高さを評価したい。 3. 東村アキコ／主に泣いてます ：評価の高い作品が多い著者だがこのブログとしてオススメするのは本作。絶世の美女が美女すぎて周りも本人も不幸になる、という設定のもと綴ら

ききみみ図鑑 (ビームコミックス) ■ 【オススメ】 音をうまく処理した、 このレーベルらしい、漫画好きが好みそうな短篇集。 短篇集。テーマは連なるが繋がりは緩く、登場人物も内容もかぶらない。 そのテーマは、音である。しかし音の出ない紙媒体で扱うには限界がある。 それを理解したうえでどう処理するか、で仕上がりが決まるわけだが、 本作の出来はなかなか。 音を描かない、という「ＢＥＣＫ」的な発想の作品と、 音を可視化して描く、という発想の作品と。 目の前にあるものだけではない、それ以外も描けるという 絵の持つ自由度を活用し、効果的に見せる。 上手なメリハリのつけ方で、一つのカットではない、全体の流れで 魅せるものであるマンガという媒体の持つ力を見事に生かしている。 物語自体もそれなりに良いが、それ以上に、 構成が素晴らしい作品である。 評価：Ａ 評価は、Ａ：傑作、Ｂ：佳作、Ｃ：無印、Ｄ：薦めな

ライアー×ライアー (1)(デザートKC) ■ 【オススメ】 簡単に言ってしまえば、弟が姉に恋をする物語。しかし中身はなかなかに複雑で。 仕掛けの効いたコメディ。 大学生のヒロインには弟がいる。同い年で数ヶ月違い。つまり、親の連れ子で、 血は繋がっていない。この弟が女性入れ食い状態で、その余波で ヒロインは恋に恋したこともなく、当然彼氏がいたこともない。 そんな彼女が流れで女子高生のコスプレをして渋谷の街にいたときに、 偶然弟と出会ってしまう。格好への照れくささ恥ずかしさから別人のフリをしたが、 その結果、彼は彼女に興味を持ってしまう。実は姉だというのに、猛然とアプローチ してくる彼。からかっているのかと思えば、どうも本気であるらしい。 そんな、なりすました嘘が取り返しがつかなくなるという、ひょうたんからコマな 展開で加速度ついて転がっていく物語。ヒロインはヒロインで別に気になる 人ができ

PUNK 1 (ジェッツコミックス) ■ 【オススメ】 たしかにこれはパンクだ。 凄さを認めないわけにはいかない。 話は実録もののよう始まる。作家である主人公、 長岡謙一郎の自宅へ、ファンらしき人物が押しかけてくる。 それは巨体でけったいな日本語をしゃべる外国人女性。 彼女の意味のわからない会話に付き合わされ、 挙句、部屋に乗り込まれる。 ここまでも十分不条理に見えるが、著者ならではの 展開を見せるのはここからである。 気絶、夢オチを経て、リアリティのない不条理 な状況から、世界を破壊しイリュージョンから脱出する革命へと、 物語は飛躍する。 例によって意味はわからないが、今回の作品は意味ありげに見える。 主人公が長「岡」謙一郎なので、パラレルな世界、と 考えるべきかもしれないが、そういう次元で読むべき話でもなさそうだ。 題名どおりパンキッシュな一作。 ■続刊購入する？→ 【買う方向】 評価

オーミ先生の微熱 1 (ビッグコミックス) ■ 【オススメ】 へたれ同性愛新米教師を中心とした学園コメディ。 親友に想いを告げられぬまま、高校を卒業し数年。主人公は母校に教師として戻ってきた。受け持つクラスには、好きだった親友そっくりの男子がいて、彼は心乱される。 主人公が悶々とする展開で、しかもその悩みを友人の女性が皆知っていて、見抜いていちいち指摘する。 物分りの良すぎる友人が話を受ける流れはまとまり良いが、しかしその小休止により物語の流れは 分断されドライブ感がない。そんな風に序盤はぐるぐる同じところを回るだけにみえるが、 しだいに登場人物が絡まり合い、それぞれの思惑があちらこちらを向いていることで、 回転は遠心力がつき、大きくなり、俄然面白くなって行く。 主人公が悶々とする相手は、当然ストレートで、新任の女教師に興味がある。が、彼女が狙っているのは主人公。主人公の恋の相手を想う女の

花に染む 1 (クイーンズコミックス) ■ 【オススメ】 彼に憧れて始めた弓道、しかし幼なじみは遠くへと 去る。「駅から５分 」のアナザーストーリー。 神社の子だが長男と次男では扱いが違う。その次男はしかし馬に乗り 弓を引く様は格好良く、その姿を見てから幼なじみは恋におちた。 いや、恋愛というよりも、人として、憧れ、惚れた。 そして自身も弓道を志す。一緒に弓道部として活動していたが、 ある日、神社に火が。宝物殿を気にした長男、そして次男も 向かうところをヒロインは必死で止めた。結局一家で彼だけが助かり、親戚のもとへと預けられ、遠くの街へ去った。その花染町で、時を経て、二人は また出会う。 「駅から５分」の続編、ということだが、ここから読んでも 問題ない。こちらは連作短編ではなく長編の作り。 物語性が強く、実験的な香りはしないが、 漫画の絵は物語をトレースするだけのものではない、 ということ

みんな！　エスパーだよ！（1） (ヤングマガジンコミックス) ■ 【オススメ】 題名のとおり、超能力者マンガを読んでいる、 つもりだったのだが、アレ？なんか、 エロネタばっかりだぞ・・・。 田舎の高校生である主人公。ぱっとしないが別に普通、 イジメもせずイジメられもせず、勉強も運動も中くらい、 特にどうという才能もない。そんな彼に数日前から異変が 起きた。チューニングをあわせるようにすると 、他人の心の声が聞こえるのだった。 普通と思っていた自分が超能力を手に入れた、 もう普通ではないんだ、と喜ぶ主人公。 それをどう使おうか、と考えたのだが、 しかし、田舎では活かす術もない。 社会のため人のために使おう、と思うのだが、 どうにもこうにも。しかも、他にもエスパーがいることを 発見。だが彼らは、自分のエロい願望を満たすために しか能力を考えていないような人たちなのだった。 エスパーものかと思っ

ウツボラ(1) (F×COMICS) ■ 【オススメ】 美少女が死に、彼女にそっくりな双子の妹が現れる。 しかし果たしてそれは本人の言うとおり妹なのか、 美少女は本当に死んだのか。興味を惹くミステリ。 著名な小説家は久しぶりの連載を手がけている。 彼のもとに電話が一本。相手は警察。 着信履歴にあった番号をかけたという刑事に 告げられたのは、ある女性の死だった。 その美少女は、ビルから飛び降りた。 顔は判別できない。身元を確認できるものもない。 携帯電話にあった連絡先は、小説家と、 そしてもう一人。双子の妹だと名乗る女性は、 双子だけに、死んだ少女にそっくりだった。 そして小説家は彼女に接近を試み、 相手も同様に近寄っていく。繋ぐものは、小説。 盗作めいた事態。担当編集者は気づいている。 少女のほうはそれがそもそもの目的だったのか。 事件を捜査する警察は、死んだ美少女が果たして 死んだことに

生活【完全版】 (KCデラックス) ■ 【オススメ】 未完だった作品を一冊完全版として刊行。 著者のエッセイ漫画を読んでちょっと違うと思った人にこそ 手にとって欲しい。 エッセイ漫画風の作品で人気となった著者だが、 欝で後ろ向きな主人公＝僕が案外とんとん拍子な人生を 送ることになったことで微妙な空気感を漂わせる昨今、 身辺ものではない完全にフィクションな作品が 登場した。これがなかなか雰囲気がある。 2008年1月に青林工藝舎から１巻が刊行された作品で、 既にレビューをし、オススメにしている。 その作品が完全版として講談社より一巻完結本になって登場。 一巻部分も当然収録されており、先の単行本は単なるコレクターズアイテムに。完全版だが781円と先の1000円する本より安いということは相当数刷っているのか。なお、既刊作品の追加収録再編集ものであることを表４できちんと説明してあるのは単行本の作り

うさくんの脳みそやわらかい (DCEX) (電撃コミックス EX) ■ 【オススメ】 ほのぼのとした絵で展開する下ネタ満載の漫才。 ほのぼのとした絵で展開するのは下ネタ満載のアタマのオカシイ漫才、という　うさくん節炸裂の一冊。 にゃん天堂を舞台にしょーもない新ゲームの試作をめぐる社員と社長のやりとりは、冒頭でエロ本を読んでいる割に社長が実は常識的で、ボケる社員に毎回ツッコミをいれるオーソドックスな漫才である。冬コミ大作戦も同様の漫才なのだが、こちらの場合はなんでコンビ、いや友人を解消しないのかと思うとんでもキャラが一方に。ああ、でもゲーム会社の話もなんでクビにしないんだって話ではあるか。 この２つのシリーズに、その他は単発ものを加えて構成した一冊。 同じシリーズなのにまとめておらずバラバラと出てくるが、メリハリが出ていて 逆にこの並びで良いのかもしれない。 漫才として普通に演じても面白そう

LOVE SYNC DREAM(ラブシンクドリーム) 1 (リュウコミックス) ■ 【オススメ】 ハイブラウなパロディＳＦ。 渋谷で少女は空から落ちてきた怪しく固いタマゴ、Ｅート卵をアタマにぶつける。それでも割れない卵を触るとボタンがあってスイッチが。すると爆発、大きな穴が。同時期イラクの遺跡でも同じ現象が発生し、そして少女はその地に飛ばされていた。そして日本のゴスロリ少女と、日本好きでオタクなインド人考古学者は、更に宇宙の果てへと移動する。 フランスのバンドデシネの原作者、ジャンダヴィッド・モルヴァン のプロット・シナリオをもとに藤原カムイが描く作品。冒頭部では、 相変わらず綺麗だが、中身があるのかないのかよく解らん話であるなと思っていたが、セリフのダジャレからネタは広がり、気がつけば壮大なパロディに。 現代に「アリス」を下敷きに何かやるなら、これくらいやらないと、 と凡作映画『アリス

怪獣のテイル 1 (ヤングジャンプコミックス) ■ 【オススメ】 擬似ホームドラマの進化系。 娘は宇宙から降ってきた怪獣！ 何者かになりたかったが何者でもない自分に気づきニート生活中の 青年、そんな世界を変える何かを待っていた。大きな隕石を見た彼は、 来れ宇宙怪獣、世界に破滅を、などと言ってみる。すると、 本当に何かが落ちてきた。これは怪獣の卵だ！と舞い上がった彼が タマゴに触るとそれは割れて、中から怪獣が！・・・いや、女の子が ・・・ 男のもとに宇宙から女の子がやってきました−という話に一瞬みえるが、 いや、著者がそんな話に落とすわけはなかった。裸の女の子が、 主人公をおとーさんと呼ぶのだが、だっこを迫る彼女のおしりには怪獣らしい シッポがついていた。日本語を理解し喋り、刷り込み効果か主人公を 親として甘える女の子怪獣、という設定で描く話は、擬似ホームドラマコメディとして展開していく。な

R-中学生（1） (ヤンマガKCスペシャル) ■ 【オススメ】 青春真っ只中の中学生が考えることは、 少しオカシイ。 少年はニオイフェチ。異臭に恍惚とするフェティシズム。 特に女子の残した汚物に性的興奮を覚えるのだった。 級長は副級長の黒いブラにドキドキ。エロでバカなキャラで通販でＡＶ買っている男子や、ちっちゃいことを気にしている女子、カッコいい野球部の主将だが実は弾けたいと思っている子と、彼のバカなところを見せつけられてもかわいいからと付き合うのを止めない彼女。そんな、色々な中学生を描く話。 基本は中学生らしいエロ周辺の話、とはいえ一歩踏み出しての性体験は登場人物の誰にもまだない。そのあたりの寸止め加減は寧ろエロさをより醸し出す。しかも皆、キャラクターづけされた性格とは別のものをもっており、それをふと出す意外性で話をかき回す面白さ。一巻最終話ではオールキャスト、プラスαで新たな人物も交え

うそつきリリィ 1 (マーガレットコミックス) ■ 【オススメ】 美少女だけど実態は女装男子。 そしてヒロインは、この人物の彼女。 テンポよく展開するオススメコメディ。 ヒロインは好みの美男子に告白される。 喜んだ彼女だったが、一体彼は誰だろう、 名前は聞き覚えがあるのだが−と友人に告げたところで 判明した。それは学校で有名な人物。 入学以来ずっと女装で通学し続けているという女装野郎だった。 女装癖がありしかも美少女、という彼。 その設定を、女の子になりたいとか男の子が好きではなく、 女の子大好きで男子が嫌いとしたところが巧い。 彼の理想の女の子がヒロインである、 という基本線があるので、 軸のぶれないコメディとなっている。 最初の読切は出オチ話だが、 彼女の瞳に映る自分が嫌いな 彼はとっさに頭突きを食らわしてしまいキスができない、 というネタを繰り出してきた２回目に、 作品の面白さを確信