デジカメの普及と高性能化で、写真はずいぶん撮りやすくなった。特に、普通の生活する人々の表情やしぐさなどを撮るスナップ写真は技術的に簡単になった。しかし、写真を撮ること、さらにその写真を発表することは、以前よりも格段に難しくなっている。 私はメカとしてのカメラも出来上がった写真そのものも好きだが、今のところ写真を使って他人に向けて表現したいテーマがあるわけではない。ただ、社会的なコンテクストの中での人の表情や動き、あるいは生活の様子などを画像としてコレクションすることには意欲がある。敢えて作家でいうと、ウォーカー・エバンスの写真が好きだ(近所のアート専門の古本屋で買った「THE LOST WORK」という写真集がいい)。 カメラを持って歩いていると、撮りたいものがたくさん目に入る日もある(一方、ぜんぜん撮りたくならない日もあり、共に原因が分からない)。 しかし、普通の人の表情やしぐさを撮る上