SF作品を通して、起こり得るかもしれない未来の可能性を考える博報堂DYグループは、生活者の意識や行動を研究する組織を複数抱えている。なかでも博報堂DYメディアパートナーズは、テレビ局や雑誌などの媒体やプラットフォームおよびスポーツ、エンタテインメントなどのコンテンツホルダーと向き合う会社だ。森永さんが所属するメディア環境研究所では、テクノロジーやビジネスの変化を追いつつ、それに関わる生活者の変化を調査・研究している。 そのメディア環境研究所で上席研究員として働く森永さんが、最初に紹介してくれたのは、意外にもSF(サイエンスフィクション)小説の3冊だった。その理由について、次のようの森永さんは話す。 現在のテクノロジーや社会状況を踏まえて今後どのように世界が変わるのか、SF作家が思考実験したものをエンタテインメントに落とし込んだ結果がSF小説です。私は、現在の当たり前の生活の中でもSFの世界