2021年6月、キユーピーが発表したある商品が注目を浴びた。同年6月下旬から全国に出荷するとアナウンスされたその商品は業務用。しかし当のキユーピーが「想像以上で驚いた」と表現するほど敏感に反応したのは、卵アレルギーに悩まされる消費者たちだった。 そう、ある商品の正体は、卵を使わずにスクランブルエッグを再現したプラントベースの加工食品。名前を「HOBOTAMA(ほぼたま)」という。20年から大豆などを使ったプラントベースの「植物肉」が本格的なブームになり、その流れが食卓への登場頻度が高い卵に押し寄せた格好となる。 想定されている販路はホテルや飲食店、学校・事業所の給食用などで、東京オリンピック・パラリンピックのために来日した関係者を迎え入れるハイクラスのホテルが既に採用した。消費者にもっと身近な販路としてはファストフードチェーン店があり、キユーピーから提供されたサンプルを使って、メニュー開発
高い技術力を持っていても倒産する製造業は少なくない。奈良県生駒市でチタン製品の開発・製造をしてきた昭和も例外ではなかった。業界でも有名な「チタンの昭和」と呼ばれた企業は、なぜ事業停止に至ったのか。 チタン製品の開発・製造で定評のある昭和(奈良県生駒市)が自己破産した事実について、関係者の多くが同じような感想を述べた。 厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響による解雇・雇い止め(見込みを含む)の人数は累計11万人を超えた。業種別では製造業が最も多く、約2万5000人に及ぶ。 製造業では企業の新規設備投資が避けられる傾向もあり、受注減に悩む企業も少なくない。中には事業停止に陥るところもある。 高度な加工・製造技術を持ち、顧客からの評価も高かった昭和も、そうした企業の1つだ。 同社はピーク時の2009年1月期に約17億円の売上高を計上したが、その後は低迷。21年6月15日に事
ビジネスパーソンとしてどう成長していくか――。特に若い世代では大きな関心事です。では、注目を集める成長企業の経営者は、30代までに何を学び、どんな経験を積んできたのでしょうか。本インタビューシリーズでは、若手ビジネスパーソンにも知られる起業家・経営者に「自分のいまを形づくった若い頃の経験、努力、失敗」などを振り返っていただきます。また、本シリーズと連動して日経ビジネスでは、若手読者向けにこうした起業家・経営者の経験やビジネススキルをオンラインで学ぶ日経ビジネスLIVEを展開しています(日経ビジネス電子版有料読者は受講料無料です)。ウェビナーの日時・プログラムの詳細はこちらをご覧ください。 軽井沢のペンション跡地に開いた喫茶店から、高品質で持続的に生産できる環境を整える「スペシャルティコーヒー」を日本に広めた先駆者として知られるのが、丸山珈琲(長野県軽井沢町)の丸山健太郎社長。コーヒー豆の卸
続きを読む 「日本はもっと素晴らしい国のはず」 「日本はもっと素晴らしい国のはず」 筆者も5月下旬から6月にかけて赴任先のニューヨークから日本に一時帰国し、14日間の自主隔離期間を過ごした(関連記事)。このときにも「海外から来た人=コロナウイルスを運んでくる人」という差別を日本国内で少なからず感じた。日本に一時帰国する前にワクチンも接種し、飛行機に乗る前と後に検査を受け、陰性の結果を得ているにもかかわらず、だ。科学的に見れば、ワクチン接種も検査も受けていない日本在住者よりも安全性が高いと言えるのだが……。 米国ではワクチン接種の普及が急速に進む5~6月ごろまで、飲食店を閉鎖したり店内飲食の人数を制限したりするなど日本に比べて厳しい新型コロナ対策を実施してきた。接種人口が増えて規制が緩和され始めてからは、例えば野球場では接種者と非接種者の観戦エリアを分けるなど、「接種」が一つの基準になってい
決済事業者はユーザー獲得などに費やした先行投資を回収する必要があるが、「有料になるならやめる」(中小小売店の関係者)との声が漏れる。加盟店を引き留められるのだろうか。 決済手数料とは、電子マネーやクレジットカード、スマホ決済サービスを提供する事業者が、導入した加盟店から得る手数料だ。 例えば、Suicaなど交通系電子マネーは3.25%(米Squareの場合)、楽天ペイは3.24%。今年有料化を予定するLINE Payは10月から2.45%、メルペイは7月から2.6%となる。PayPayは10月に有料化を検討し、料率は未定としている。 クレジットカードは導入店舗ごとに与信を判断するため、1~6%程度と幅がある。経済産業省が18年4月にまとめた「キャッシュレス・ビジョン」によれば、中央値は3.00%となっている。 19年の消費増税に伴う「キャッシュレス決済・ポイント還元事業」では、キャッシュレ
「太りすぎです」 医者は厳かな表情でそう言った。一瞬「そんなもん医者じゃなくてもわかるわい」と突っ込もうと思ったが、場が凍ると後の展開がキツいので思いとどまった。ナイス判断。続く医者の言葉は「HbA1cの数値9.8は今すぐ入院してもおかしくないくらいです」。 ということで、忙しがって外食に頼っている場合じゃなくなった。仕方なく自炊である。そして炭水化物を、豆腐か厚揚げに置き換える生活が始まった。八宝菜みたいな野菜多めの餡かけや、出汁を利かせた鶏挽肉と菜の花の銀餡なんかを作って、焼いた厚揚げを焼きそばに見立てて餡かけにしたり、木綿豆腐をご飯代わりにした親子丼なんかを作って、日々過ごしている。 幸いなことに長い独居生活のおかげで、料理はそこそこできる。しかし、それゆえに自分の作る料理の味に飽きて、何か違う味のものが食いたくなるのだ。長年かけて染みついた手癖というか、自己流のやり方が何を作っても
昨年末、『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』の初刷りが出た時点では、第3波の到来が言われ始めたものの、現状のような急拡大は予想されていませんでした。 本書の主張は「感染症の対策はその社会の状況に大きく依存する」(170ページ)です。感染が拡大していなければ徐々に緩め、急拡大しそうならば思い切って強化する。社会も、個人も、煽らず、冷静に、たんたんと対応することが重要、と峰宗太郎先生は訴えています。 さて、現状はどうでしょう。どのくらいの対策、心構えが必要なのか。ネット越しで峰先生に伺ってみました。(編集Y) 編集Y:緊急事態宣言が出ても新規感染者数がまだ減らず、重苦しい状況が続いています。Twitterを見ていたら、食事中の会話を避けるために、「今こそひとりメシ」というか『孤独のグルメ』しよう、というツイートがありまして。例によって私、こちらのマンガの初版以来のファンでもちろん松
電力不足が深刻さを増している。最大の要因であるLNG(液化天然ガス)の不足はなぜ起きたのか。その背景には、電力自由化や再生可能エネルギーの拡大といった電力システムの変化がある。発電事業者が適正なLNG調達量を判断しにくくなっていたのだ。 今回の電力のひっ迫には大きく2つの要因がある。本誌で既報の通り、寒波による冷え込みで電力需要が増加したこと。加えて、火力発電燃料のLNGの不足である(「電力市場の異常な高騰はまだまだ続く? LNG供給に乱れ」)。 確かに寒波は厳しいもので、電力需要は全国で増加している。ただ、ここまでの需給ひっ迫とJEPX(日本卸電力取引所)価格の高騰を招いた最大の要因はLNGの不足の方だ。中国と韓国によるLNG輸入量の増加、産ガス国での生産設備トラブル、新型コロナ影響によるパナマ運河の通関手続き遅延などが絡み合っている。 ここで一つ、疑問が湧く。いくらLNGの需給がタイト
15歳のときに家族とジャマイカから米国にやってきた黒人の移民。多感な時期に出合った米国は「自由の国」そのものに見えた。そんな米国やアフリカなどに潜む社会問題を取り上げたドキュメンタリー映画を制作して米アカデミー賞を受賞したこともある。今回の選挙では現職の黒人女性に負けたが、政治家としてより自由な理想社会を目指すのが夢だ。 「米国では個人の健康を守る手段は個人が選ぶもの。それを連邦政府や州が規制することはあってはならない」 迷惑な人「コロナウイルス・カレンとケン」 一部の国民がマスク拒否を「個人の権利」と主張する国、米国──。11月初旬から新型コロナウイルスの「第3波」とみられる感染拡大に襲われ、ユタ州やケンタッキー州などの医療施設が再びパンク状態に陥りつつある。 1日当たりの新規感染者数は20日、1週間前の20%近くの増加となる19万人を超えた。これは第2波で記録した国内最大値の2倍以上に
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏(地域医療機能推進機構理事長)は10月14日、横浜市で開催されたBioJapan2020というバイオ産業のイベントで基調講演を行った。日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策は「準備不足の状態で始まったが、医療関係者、保健所スタッフ、一般市民の協力のおかげで何とかここまでしのいできた」と語った。 講演で尾身氏が特に時間をかけて説明したのはPCR検査に関してだ。「今よりもっとPCR検査を充実させるべきだというコンセンサスはできている。ただし、増やしたキャパシティーをどういう目的で使うのかという点にはコンセンサスができていない。費用負担の問題や、感染者が見つかった場合にどうするかなど、国民的なコンセンサスを得るべきだ」と指摘した。 PCR検査に関して尾身氏が強調したのは、「PCR検査を増やした結果、感染を抑えられたという証拠が
多くのアジア系移民が米国で成功を収めてきた。統計的にもアジア系移民は他の人種グループより高い教育を受け、より豊かな傾向があるという。だが依然として、東アジア系が米国の組織のリーダーとして注目される事例は極めてまれだ。とりわけ大企業や大学では、アジア系の中ではインド出身の人物がトップに出世しているケースが目に付くが、東アジアの日本・中国・韓国出身者は存在感がない。中国出身である米マサチューセッツ工科大学(MIT)のジャクソン・ルー助教授が慎重に分析したところ、いわゆる「差別」や「格差」とは違ったところに、大きな要因があったという。5カ国語を話すというルー助教授に、日本語で聞いた。 ルーさん、今日は日本語での対応をありがとうございます。中国出身ですね。 ジャクソン・ルー米マサチューセッツ工科大学(MIT)助教授(以下、ルー):はい、実は学生時代に日本語を専攻し、早稲田大学に留学したことがあるの
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