12月9日、中国にとって、主だった長期的な地域戦略を前進させるための機は熟したと言える。その中心には、日米間にくさびを打ち込み、日本を孤立化させることも含まれている。写真は昨年8月、尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖で撮影(2013年 ロイター/Chris Meyers) 中国が尖閣諸島(中国名・釣魚島)の上空を含む空域に防空識別圏を設定し、東シナ海は冷戦時代を彷彿(ほうふつ)とさせる衝突の局面に突入した。日米両政府は中国側の主張を認めず、米軍機と自衛隊機が中国への通告なしに同空域を飛行、中国軍は戦闘機で緊急発進(スクランブル)をかけたと発表している。 しかし、これは中国の度を越した行動が裏目に出ているという単純な図式ではない。また、メディアが報じるような中国側の予期せぬ突然の行動という訳でもない。むしろ、中国の長年にわたる地域戦略の意思表示が始まったに過ぎないことを意味している。そして中国は、
![コラム:序章にすぎない中国防空圏設定](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9a6c25c5347c56e0e3be9fede408320e68caf550/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fjp.reuters.com%2Fpf%2Fresources%2Fimages%2Freuters%2Freuters-default.webp%3Fd%3D172)