1989年にWorld Wide Webを発明したとされる英国のコンピューター科学者Tim Berners-Lee氏が、「Web3」を無視すべきだと発言したことがわかりました(CNBC)。 Tim Berners-Lee氏は、ブロックチェーンが次世代インターネットを構築するための有効なソリューションであるとは考えていないようです。リスボンで開催されたWebサミットのステージで、「Web3という名前は、イーサリアムの人々がブロックチェーンでやっていることのために取ったもので、本当に残念なことです。実際、Web3は全くWebではないのです」と発言しています。 Web3は、現在よりも分散化された将来のインターネットを説明される漠然とした用語で、ブロックチェーン、暗号通貨、NFT(非代替性トークン)などいくつかの注目の技術を含んでいます。 Tim Berners-Lee氏も、個人データを、Amaz
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米University of California, San Franciscoなどによる研究チームが発表した論文「Neuroprosthesis for Decoding Speech in a Paralyzed Person with Anarthria」は、脳に電極を埋め込み、脳波から言葉を生成する深層学習を用いたシステムを提案した研究報告だ。発声した際に声道付近の筋肉に指令を送る脳神経から読み取り、脳波から言葉を生成する。 脳の電気的活動を記録し、ロボットアーム、ビデオゲーム、コンピュータ画面上のカーソルなど、外界の何かを制御する信号に変換する研究は数多く探求されてきた。 中でも
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 中国のZhejiang UniversityとWuhan Universityの研究チームが発表した論文「V-CLOAK: Intelligibility-, Naturalness- & Timbre-Preserving Real-Time Voice Anonymization」は、音声の明瞭性と自然性、音色を保持したまま、リアルタイムに音声を匿名化するシステムを提案した研究報告だ。機械的な声ではなく人間っぽさを残した声に変換し、声紋から個人が特定されることを防ぐ。 声紋は、個人を一意に特定できる重要なバイオメトリクスだ。一方でオンラインサービスによって膨大な音声データを収集・処理で
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米The Pennsylvania State Universityの研究チームが発表した「mmSpy: Spying Phone Calls using mmWave Radars」は、市販の自動車用レーダーデバイスと新しい処理方法を用いて、他人が会話中のスマートフォンのイヤフォンの振動を検出し、通話相手が何を話しているかを最大83%の精度で解読できることを実証した研究報告だ。 マイクで漏れ出た声を盗聴するのではなく、音声を振動源から直接検出するため、周囲の雑音に影響されないのが特徴だ。 ミリ波(mmWave)通信技術は、VR、AR、自律走行におけるvehicle-to-vehicle(
「原子力発電に関係する技術」と言われると、東日本大震災を経験した日本ではどうしても一歩引いた目で見られてしまいます。しかし、ある目的のために開発された技術が、他の事例に応用できるということはよくある話です。 日本で原子力関連の研究開発を担う、日本原子力研究開発機構(JAEA)で長年培われてきた「ある技術」が、日本はもちろん脱炭素社会を目指す世界にとって非常に重要な技術として、いま花開こうとしています。 その技術の社会実装に向けて尽力しているのが、2021年4月にJAEAの元研究者らが設立したレアメタルリサイクルベンチャーの「エマルションフローテクノロジーズ」です。 エマルションフローテクノロジーズは、電気自動車(EV)などに使われている「リチウムイオン電池」からリチウムやコバルトなどのレアメタルと呼ばれる金属元素を回収し、再びリチウムイオン電池の材料として活用する、いわゆる「LIBリサイク
数年前、人工知能が数万本の動画を見て『パックマン』を再現したことがありましたが、最近では、ある研究室で培養された脳細胞にレトロな卓球ゲーム『ポン(PONG)』の遊び方を学習させた研究結果が報告されています。 ↑ラボで培養した脳細胞もプレーできる『ポン』 バイオテクノロジーの新興企業・Cortical Labsが行った研究は、査読付きの科学ジャーナル『Neuron』に掲載されました。その論文の筆頭著者ブレット・カガン博士は、ミニブレインが「外部から情報を取り込み、それを処理し、リアルタイムで反応できる」ことを実証した初の成果だと語っています。 「DishBrain」と名付けられたミニブレインは、マウス細胞とヒト細胞(幹細胞から採取)から培養した80万個の脳細胞であり、これを『ポン』が繋がれた電極配列の上に置いたとのこと。ボールの位置を示す電気パルスを神経細胞に送り、そこからの信号を受けて電極
ウェブブラウザ「Firefox」は、機能向上やバグ修正を含むアップデートを定期的に配信しています。2022年7月に公開された「Firefox 103」でmacOS環境における高負荷時のパフォーマンスを向上させた手法についてFirefox開発チームの一員であるガブリエラ・スヴェルト氏が解説しています。 Improving Firefox responsiveness on macOS - Mozilla Hacks - the Web developer blog https://hacks.mozilla.org/2022/10/improving-firefox-responsiveness-on-macos/ Firefox 103より前のバージョンのFirefoxには「macOS環境において高負荷時のパフォーマンスが著しく落ちる」という問題が存在していました。スヴェルト氏によると、F
NECのベクトルプロセッサが進化、性能は2.5倍で電力効率も2倍に:組み込み開発ニュース(1/2 ページ) NECがベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」の新モデル「SX-Aurora TSUBASA C401-8」について説明。データセンター向けとなるC401-8は、従来モデルの「SX-Aurora TSUBASA B401-8」と比べて2.5倍の処理性能と2倍の電力効率を実現したことを特徴とする。 NECは2022年10月7日、オンラインで会見を開き、同日に発表したベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」の新モデル「SX-Aurora TSUBASA C401-8(以下、C401-8)」について説明した。データセンター向けとなるC401-8は、従来モデルの「SX-Aurora TSUBASA B401-8(以下、B401-8)」
9月30日より、Ryzen 7000シリーズの店頭発売が開始された。いきなりAMDマニアの林先生がTSUKUMOeX.の店頭に並んでいてさすがと思った、という話は置いておいて……。 すでにKTU氏による性能ベンチマークが公開されているので、その性能と消費電力の評価結果は記事をお読みいただければと思う。大雑把にまとめると、「性能も上がったが消費電力も上がった」というあたりである。 消費電力の方は、1つにはチップセット(X670Eの場合、2チップ構成になっている)が理由でもあるが、基本的には5nmプロセスを省電力化に振るのではなく、動作周波数向上の方に振ったのが最大の要因であろう。 一方の性能の方だが、これが以前説明したよりも、もう少し踏み込んだ情報が説明されたので、このあたりを今回説明しよう。まずZen~Zen 4の変遷をまとめたのが下の画像だ。 Zen世代のIPC向上率はExcavator
日立製作所は10月3日、さまざまな大規模組合せ最適化問題を高速に解くことができる日立独自の新型コンピューター「CMOSアニーリング」をクラウドサービスとして提供開始した。 CMOSアニーリングは、量子コンピューターの一種である量子アニーリングの仕組みを半導体上で疑似的に再現し、手軽に扱える利便性を有しながら、量子コンピューターのように膨大かつ複雑なパターンから最適解を探索する独自のコンピューター技術。従来のコンピューターでは実現できなかったさまざまな社会課題を解決するため、実業務への活用が期待されている。 本サービスは、CMOSアニーリングの利用に必要となるハードウェアからソフトウェア、業務にすぐに適用できるアプリケーションを搭載したプラットフォームが、月額制のクラウドサービスとして提供されるため、開発環境やアプリケーションの構築・保守が不要。導入期間やコストを大幅に削減できるほか、物理・
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 日立製作所は、さまざまな大規模組み合せ最適化問題を高速に解くことができる独自のCMOSアニーリングを新たにクラウドサービスとして提供すると発表した。 CMOSアニーリングは、組み合せ最適化問題を解くために期待され、日立は新型コンピューターとして開発している。量子コンピュータの一種である量子アニーリングの仕組みを半導体上で疑似的に再現する。手軽に扱える利便性を有しながら、量子コンピューターのように膨大かつ複雑なパターンから最適解を探索する。 同サービスでは、金融ポートフォリオの最適化や大規模コールセンターなどの勤務シフト作成、移動ルート最適化による渋滞回避、生産、物流・配送、在庫などの計画最適化といった、実業務におけるさまざまな組み合せ最
高速光無線通信「Li-Fi」が、AR/VRの未来を切り開く:最大220Gbpsの通信が可能(1/2 ページ) 光スペクトルを使用してデータの伝送/受信を行う高速通信「Li-Fi(Light Fidelity)」は、現在まだ初期段階にあるが、米軍がその成長に拍車を掛けている。Li-Fi大手のpureLiFiとSignifyの2社は、米国陸海軍との間で重要な契約を締結し、既存の通信システムにセキュリティレイヤーを追加することによって性能向上を実現していくという。 光スペクトルを使用してデータの伝送/受信を行う高速通信「Li-Fi(Light Fidelity)」は、現在まだ初期段階にあるが、米軍がその成長に拍車を掛けている。Li-Fi大手のpureLiFiとSignifyの2社は、米国陸海軍との間で重要な契約を締結し、既存の通信システムにセキュリティレイヤーを追加することによって性能向上を実現
これは何 以下記事のアンサーブログです。 qiita.com 以下のことはコメントに書いたんですが、書ききれなかった部分もあったり整理したほうがいいなと思い記事に起こしています。 現代のアプリケーションではC10K問題よりも先にDBやアプリケーションのボトルネックが先に来るため、C10K問題に遭遇するよりも先にやることがある ミドルウェアとしての成り立ちから設定ファイルの書き方に至るまで、それぞれのソフトウェアで思想が根本的に異なるので、単なるパフォーマンス比較をしてもあまり意味がない NginxとApacheの違いをC10K問題を中心に語るのは時代が違う この記事に限らず、多くの「Nginx vs Apache」系記事では「ApacheはC10K問題を抱えている」という論理をベースにそれぞれの違いを表現しています。 が、これは2022年においては(実際にはもっと前からですが)既に事実では
自己修復機能を持つ樹脂材料としては、表面スクラッチなどの傷を修復するポリウレタンや、タイヤのパンクやすり減った溝を自己修復するエラストマー(ゴム材料)などが提案されている。今回開発した自己修復ポリマーは、従来の自己修復樹脂材料と特性が大きく異なるとともに植物由来であることから、展示会で披露することで来場者を含めて多方面に活用法などについて意見を収集したい考えだ。 ⇒その他の「材料技術」の記事はこちら 関連記事 従来比6万倍の速さで自己修復するセラミックス、人間の骨と同じ治り方だった 物質・材料研究機構は、自己修復するセラミックスの修復速度が最速で従来比6万倍になり、発生した亀裂を1分で修復できる技術を開発。航空機エンジンのタービンなどに用いられている金属材料をセラミックスに代替でき、大幅な軽量化によるCO2排出量の削減につなげられるという。その修復プロセスは、人間の骨と同じだった。 すり傷
iPhoneでドアを検知する機能やオーディオコンテンツへのライブキャプション(字幕)導入など、障害のあるユーザーがApple製品を最大限活用するためのソフトウェア機能をAppleが公開しました。すべての機能は2022年後半のアップデートで利用可能になるとのことです。 Apple previews innovative accessibility features - Apple https://www.apple.com/newsroom/2022/05/apple-previews-innovative-accessibility-features/ ◆目が不自由な人、あるいは弱視の人向けのドア検出機能 LiDAR、カメラ、デバイス上の機械学習機能を組み合わせて、ユーザーが新しい目的地に到達したときに「ドア」を見つけ、ドアからどれだけ離れているのか、ドアは開いているのか閉じているのか、ノ
眼圧が高まるなどの理由で視神経が圧迫されて視野障害が広がる「緑内障」は、失明の原因となり得る病気です。この緑内障に有効な薬剤を内蔵し、眼圧を感知して放出するスマートコンタクトレンズを、中国の研究チームが開発しました。 Intelligent wireless theranostic contact lens for electrical sensing and regulation of intraocular pressure | Nature Communications https://doi.org/10.1038/s41467-022-29860-x 'Smart' Contact Lens Could Help Treat a Leading Cause of Blindness, Scientists Say https://www.sciencealert.com/newl
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く