明治時代、日本は西洋に追いつけ追い越せとばかりに、その勤勉な国民性を遺憾なく発揮し、肩を並べるまでに国威を上げた。日露戦争勝利後も軍人は勝って兜(かぶと)の緒を締めよと、「月月火水木金金」と休み無しに訓練したものだった。 千玄室氏先の大戦後は荒廃した日本を立て直すため人々はそれまで以上に働き今の繁栄を築いた。当時、日本人は働き過ぎだという指摘を諸外国から受けたものだ。その頃、欧州では夏に1カ月のバカンスを取ることなど普通で、せっかく日本からパリに旅行しても、主だった店は閉まっており人影もまばらということも珍しくなかった。さすがに現代ではそこまで休むことはないようだが、しっかり休暇を取るのは相変わらずのようだ。 日本が休みを取らなくてはいけないと方針を変えだしたのは、著しい経済発展を遂げた頃からである。以前は土曜日も半ドンといって半日働いたものだが、土曜日曜と休むようになり、その上、近年は祝