名古屋の覚王山のフルーツ大福店「弁才天」は、2019年秋の開店からすぐに評判が高まり連日列ができる店へとなっていった。評判の高さの理由は、フルーツ大福そのものの質の高さはもちろんのこと、その価値を広めるためにブランディングやマーケティングなどの工夫が施されている点にある。 名古屋地下鉄東山線覚王山駅。駅から閑静な住宅街に入り10分ほど歩いた先、大きな道路に面した角に弁才天はある。昔ながらの和菓子屋さんの風情が感じられる外観は、ずっとそこに存在したようにしっくりと馴染む。 平日だというのに人が途切れることはない。控えめな広さの店内に入れば、商品であるフルーツ大福のディスプレイが目に飛び込んでくる。大福をカットし果実の断面が見える形でサンプルが並んでおり、果実が鮮やかな色彩で心が躍る。 弁才天のオーナーは大野淳平氏。もともと広告会社に勤務していたがその後独立。小売・サービス業界をメーンクライア