大学1年夏、初めての彼氏ができた。 彼にとっても、私は初めての彼女だった。 それだけの事で、私はこの恋愛を特別だと感じていた。 だけど、思い返せば私達の関係は馬鹿みたいにありきたりだった。 最初は何もかも新鮮だった。 初めてデートをした。初めて手を繋いで、ハグをして、キスをした。そして、初めて体を重ねた。 彼はすごく優しかった。私が不安になって泣くと、駆けつけてきてくれて、「頼りなくてごめん、ちゃんと好きだよ」と抱き締めてくれた。私はどんどん彼を好きになった。別れるなんて想像もつかなかった。彼も、「ずっと一緒にいようね」と笑って伝えてくれた。 しかし、付き合って数ヶ月が経つと、彼が私に使う時間、労力は減っていった。友達との飲み会、バイト、勉強、彼には大切なものがたくさんあった。 仕方ないと思った。彼の大切なものを私も大事にしたかった。それでも、寂しさに耐えられなくなって、彼に訴えた。 彼は