平成20年復元整備完成後の土塔 「土塔」(どとう)は、奈良時代に僧行基らによって土と瓦で築かれた十三重の塔です。類例は奈良市の頭塔(ずとう)があります。土塔町公園整備事業に伴い、復元整備を目的とした発掘調査(平成10~14年度)と整備工事(平成16~20年度)を行いました。 発掘調査の結果、一辺53.1メートル(180尺)で四角錐の頂部をカットしたような形であることがわかりました。土台となる基壇の上に四角の段が12層、円形の段が1層あり、その上部には「多宝塔の上層部」のような建物があったと思われます。 出土した瓦には、へら状の工具を用いて文字を記した瓦が1,000点以上あり、その大半は人名が記されたものです。「蓮光」(れんこう)などの僧侶名、「善智尼」(ぜんちに)などの尼僧名、「優婆塞」(うばそく)とよばれる出家していない信者、「矢田部連龍麻呂」(やたべのむらじたつまろ)などの豪族、「刀自