まず、黒人差別抗議運動を受けて、米国の映像配信サイトで映画『風と共に去りぬ』がいったんとりさげられるという報道があった。 米動画サービスが『風と共に去りぬ』配信停止 人種差別理由に 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News 南北戦争を舞台にした1939年公開の同作はアカデミー賞(Academy Awards)9部門を受賞し、インフレを考慮した興行収益で歴代トップに君臨する歴史大作だが、奴隷が不満を言わず、また奴隷所有者が英雄のように描かれているという部分は批判の的にもなっている。 『風と共に去りぬ』は自由奔放な女性を主軸にした先進的なドラマだが*1、黒人が奴隷階級におかれている社会をうたがいはしない。 たとえ個々の黒人は善良と描写したり、白人男性へ批判的な観点もあっても、社会の構造そのものを批判できなければ、むしろ社会のありようは強く固定されてしまう。たとえば現場の独断による奮闘だけで